【ヒンメル理論】「ヒンメルならそうしたってことだよ」(『葬送のフリーレン』より)
勇者ヒンメルならそうした時にどうぞ。
『葬送のフリーレン』とは
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中、山田鐘人先生(作)とアベツカサ先生(画)による漫画『葬送のフリーレン』。
勇者とそのパーティによって魔王が倒された "その後" の世界を舞台に、勇者と共に魔王を打倒した千年以上生きる魔法使い・フリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれていく。
"魔王討伐後" という斬新な時系列で展開する
胸に刺さるドラマやセリフ、魔法や剣による戦い、思わず笑ってしまうユーモアなど、キャラクターたちが織り成す物語で、多くの読者を獲得。
コミックスは既刊13巻ですでに累計部数2100万部を突破し、2021年には「マンガ大賞2021」大賞、「第25回手塚治虫文化賞」の新生賞を受賞するなど、漫画ファンの間で旋風を起こしている。
そんな『葬送のフリーレン』がファン待望のアニメ化。
主な制作スタッフ陣は、監督は『ぼっち・ざ・ろっく!』のヒットが記憶に新しい斎藤圭一郎氏。
シリーズ構成は鈴木智尋氏(『ACCA13区監察課』)、キャラクターデザインは長澤礼子さん(『takt op.Destiny』)、音楽はEvan Call(『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』)が担当。
そしてアニメーション制作は『ワンパンマン』や『Sonny Boy -サニーボーイ-』などバトルアクションから叙情的なドラマまで幅広い作品を
世に送り出すマッドハウス。
そして主演となるフリーレン役の声優は、『SPY×FAMILY』のアーニャ役など、多彩なキャラクターを確かな演技力で表現している種﨑敦美さん。
『葬送のフリーレン』が、アニメとなって
どんな魔法を見せてくれるのか―。
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「ヒンメルならそうした」台湾で通り魔取り押さえた勇者のインタビューのコメントが話題に
2024年5月下旬に台湾で無差別刺傷事件が発生し、その際刃物を振り回している人を居合わせた乗客に取り押さえられる事件が起きた。
その後、6月4日に勇敢に立ち向かった勇者へのインタビューが公開され、日本の人気漫画のセリフを語ったことが話題になっている。
男を取り押さえた乗客は、メディアの取材に「ヒンメルならそうした」とコメント。
漫画『葬送のフリーレン』で、主人公のフリーレンが自身の行動指針としてたびたび口にするセリフだ。
この出来事は日本でも「ヒンメル」がX(旧Twitter)でトレンド入りするなど話題に。
『葬送のフリーレン』公式アカウントも、「勇者ヒンメルならそうしたってことだよ」と話すフリーレンのコマや、「勇者ヒンメルならそうする話」として漫画の1編をXに投稿しています
勇者ヒンメルならそうした時にどうぞ。 pic.twitter.com/ZRyL6e5DH6
— 『葬送のフリーレン』公式 (@FRIEREN_PR) 2024年6月5日
ヒンメル理論ーヒンメルならそうしたー
「ヒンメル理論」とは、『葬送のフリーレン』の登場人物、勇者ヒンメルの行動規範のもと、自分も行動すればきっとうまくいく、困難を乗り越えられるという理論である。
理論のもと行動を起こす際は「ヒンメルなら~」というセリフを伴う。
原作でのセリフのパターンとしては、
- 「そうだね、ヒンメルならそう言う」
- 「勇者ヒンメルならそうしたってことだよ」
- 「勇者ヒンメルがそうしたように」
- 「勇者ヒンメルならそうしました」
- 「勇者ヒンメルならそうしたからだ」
などがある。
フリーレンが幻影を打ち破る際などに発せられた。
僧侶ハイターが自分のことは信じられないが、ヒンメルのことは信じられると語っているように、勇者パーティのヒンメルに対する信頼は厚い。
そのため、彼らが岐路に立たされた際、ことあるごとに口にするのがこの「ヒンメルなら~」というセリフである。
自身の損得勘定関係なく、目の前で困っている人がいれば遠回りしてでも助ける、あと一歩を踏み出せない人がいれば前へ進むきっかけを与える、それがヒンメル。
例え目的を果たせず徒労に終わったとしても少しでも救われた人々がいるならそれは決して無駄な時間ではない、例え偽物であってもそんなことは関係ない、それが勇者ヒンメルである。
自身の心に迷いがあったとき、自分らしさというものが邪魔をするとき、それでも前に進むというのは難しいことである。
それでも、勇者ヒンメルだったらきっと前へ進む、そう思うだけで迷いを断ち切ることができるのである。
こうして死後もヒンメルの精神はフリーレンら、旅の仲間たちに受け継がれ、彼らが人助けを行う際や次の一歩を踏み出す際には、彼らの背中を押し続けているのである。
悠久の時を生きるフリーレンにとって仲間たちと過ごした10年は彼女の人生の100分の1にも満たない短い時間であったが、彼女にとっても彼らとの冒険は間違いなく特別なものであった。
ヒンメルの死に際するまで「たった10年」の重みに気づくことはできなかったが、ヒンメルの死から何十年と経った今、彼女を一人にさせまいと仲間たちが残したものを見て、彼女は彼らからどれほどのものを与えられていたのかようやく気づくことができた。
人から何かしてもらったのであれば、今度は自分が何かをしてあげる。
人から想いを受け継いだならば、今度は自分が誰かに想いを託す。
それが人の営みというものである。
勇者ヒンメルがそうであったように今度は彼女が誰かの背中を押す番となった。
彼の意思は仲間たちを通して今度は彼らの弟子へ、次の世代へと受け継がれてゆく。
粋な決めゼリフ「ヒンメルならそうした」
まさかリアルでこのセリフを言える人間がこの世にいたなんて…。
嘘のような本当の話。
人間の名誉欲とは思いの外強いもの。
良いことをすれば褒められたいと思うのは、至極真っ当な感覚である。
しかし本物の勇者というのは、行動も違えば発言も違うらしい。
暴漢に勇敢に立ち向かい見事取り押さえた勇者。
そのインタビューは、勇者を讃えるものであっただろう。
凡人であるならば己の武勇伝を語り尽くす場面で、しかし勇者はこう言い放つ。
「ヒンメルならそうした」
まるで他人(2次元ではあるが)に手柄を譲るかのような粋な決めゼリフにシビれた。
もし同じ立場になったとして、このセリフが出てくるだろうか。
きっと出てはこないだろう。
これは『葬送のフリーレン』ファンならずとも、唸らざるを得ないセリフではないだろうか。
著者には "人生で一度は言ってみたいセリフ" というのがいくつかあるが、このエピソードを知り、このセリフもリスト入りしたことは言うまでもない。
皆さんも、勇者ヒンメルならそうした時に是非どうぞ。
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