音楽を聴く時、あまり歌詞を重視しない人が多くいるようだ。
しかし何の気無しに聴いている音楽の中に、とんでもない名言や格別、果ては生きる指針にもなりうる人生訓が隠されていたりするものだ。
作詞家・稲葉浩志の考え方にはいつも非常に感銘を覚える。
B'zファンのひとりとして、その中のひとつをご紹介したいと思う。
このお題でなら無限に書いていられるな…
『春 / B'z』とは
もちろん一般的にはまったく知られていない曲だろう。
『春』はB'zの2枚組オリジナル・アルバム「The 7th Blues」に収録されている。
The 7th Blues / B'z
一応ベスト・アルバム「B'z The Best "ULTRA Treasure"」にも収録されているが、ファン以外の人にとってはかなりマニアックな曲だ。
だがファンからは絶大な支持を得る。
「The 7th Blues」というアルバムはB'z史において、非常に重要なターニングポイントとされている作品だ。
これについて当時のインタビューで松本孝弘氏は、これまでは意識して売れる作品を提供してきたと認めた上で「今までは僕らのことをアイドル的に見てる人もいた。」「このアルバムには自分達のルーツみたいなのがはっきりと出ている。それをこれからの人達にも伝えたい。」と答えている。
また翌年のインタビューでは「去年(「The 7th Blues」)はこちらから啓蒙させようという意識があった。」と述べている。
また、2008年のタワーレコードの携帯サイトでは「The 7th Bluesは当時の邦楽で一番洋楽の音に近く、そこから洋楽を聴く人が増えた。」と指摘し、「邦楽と洋楽の距離を縮めた啓蒙的作品」という評価もある。
要するに、かなり特殊なアルバムだったということだ。
それまでのB'zのイメージは一切なし。
日本で売れるとはとても思えないブルースというジャンル。
B'zのお二人が「内に向かって吐き出していた。」やら「内側に向けてパワーが炸裂してたからね。」とコメントするほど、おそらく個人的な趣味に傾倒しまくっている。
『春』とは、ファンの間でもよくぞこんなマニアックな作品を発売したなという評価のアルバムに収録されている、B'z史上最も美しい詞の名曲だ。
【カラオケ】春 / B'z
B'z史上最も美しい詞
本詞の内容は、不倫の匂いを漂わせる恋愛観がモチーフとなっている。
世間的な不倫のイメージは、どんなものなのだろうか。
やはりドロドロしたイメージだろうか。
だからこそなのか、このフレーズの言葉の並びに美しさを感じてならない。
口を開ければ
綺麗好きな言葉が本音の邪魔をする
たかが恋なのに
いつからこんな臆病になったの
稲葉浩志氏がタブーを作らない言葉選びをすることは、過去記事に記した。
タブーを作らないという考え方が、この素晴らしいフレーズを生み出した。
特に「綺麗好きな言葉」が「本音の邪魔をする」という表現はあまりに秀逸過ぎる。
凡人に「綺麗好き」と「言葉」を組み合わせることなどできまい。
しかもこのワンフレーズだけで、なんとなくだが状況も窺い知れる。
このワンフレーズを聴いただけで、本詞の物語がなんとなく想像できるのではないだろうか。
相変わらず難しい単語は一切使っていないし、わかりやすく、情緒まで醸し出している。
文字数が相当限定されるであろう歌詞の創作では、たった一行で聴者にあらゆる景色を見せなくてはならない。
ダラダラと説明されては趣なんぞあったものではない。
そういう観点からこのワンフレーズは、過不足が一切なく、情景がはっきり浮かび、なおかつ美しい、B'z史上最も美しい詞のひとつといえる。
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