るーみっくアニメ
らんま1/2 (2024年版)
- らんま1/2 (2024年版)
- ドタバタ格闘ラブコメディも声優ヲタにとっては感動作!?32年の時を超えたオリジナル "レジェンド" キャストの驚愕の再現力!!
ドタバタ格闘ラブコメディも声優ヲタにとっては感動作!?32年の時を超えたオリジナル "レジェンド" キャストの驚愕の再現力!!
『らんま1/2』(2024年版)とは
『らんま1/2』完全新作的アニメ!
高橋留美子先生による人気作品『らんま1/2』(小学館「少年サンデーコミックス」刊)。
世代を超えて愛される格闘ラブコメディーの名作が、新作アニメになって帰ってきた!
制作はMAPPA、放送局は(オリジナル1989年版を放送していたフジテレビ系列局のテレビ大分とテレビ宮崎以外は)日本テレビ系列(全27+1)局に変更されている(ただしテレビ大分とテレビ宮崎は日本テレビ系列にも参加してはいる)。
またNetflixでの配信も実施されているが、その一方で、Netflix以外での配信や衛星波での放送の予定はない。
主要キャストはほぼ再登板となるが、オリジナル1989年版で早乙女玄馬を演じた緒方賢一氏はナレーションとしての出演となる。
劇伴は同原作者の『犬夜叉』を手掛けた和田薫氏、主題歌はOPをanoちゃん、EDをりりあ。が担当。
るーみっく作品ではこの『らんま1/2』で女性ファンがさらに増えたとされている。
それを裏付けるのが2019年にNHKで放送された「全るーみっくアニメ大投票」にて、参加者の男女比率は7割が女性であり作品部門で『らんま1/2』(2位)へ投票した8割が女性だった。
1989年版
初代テレビシリーズは原作22巻の乱馬の母が登場するエピソードまで、OVAや劇場版を含めると、原作34巻までの一部の内容まで制作された。
山口勝平氏の初主演作品であり、本人曰く「右も左も分からない状況で、とにかく一生懸命乱馬役を没頭して演じた」「声優として形が出来ていなかったため、第1話と最終話では演じ方がまったく違う」とのこと。
原作者の高橋先生は山口氏の演技力を高く評価しており、先生の推薦により次作『犬夜叉』でも主人公・犬夜叉を演じることとなった。
他にも本作で出演した多数の声優陣が次作『犬夜叉』に出演している。
テレビアニメ終了後、何作か続編OVAや劇場版が制作されるも、90年代後半にキティフィルムがアニメ制作事業から撤退した為、最終エピソードは遂に制作されなかった。
男乱馬役の山口勝平氏は最終エピソードの制作を望んでいたが、その願いは未だ叶っていない。
しかし、2024年にリメイクアニメの制作が発表。
キャスティングも一部故人や引退した声優を除き、1989年版のキャスティングが続投されることになった。
当初はnetflixでの配信のみでアナウンスされていたが、何と同年10月5日から日本テレビ系毎週土曜日深夜23時55分からの放送が決まり、今度こそ結末までの制作が期待され望まれるところである。
らんま1/2 (20) (少年サンデーコミックススペシャル)
あらすじ
早乙女乱馬と、 天道道場三女の天道あかねは親が決めた許婚同士。
しかし乱馬にはある悩みが…。
中国での修行中、伝説の修行場「呪泉郷」に落ちてしまい、水をかぶると女に、お湯をかぶると男に戻るという、不思議な体質になってしまっていた!?
乱馬とあかね、そして個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるドタバタ格闘ラブコメディー、ここに開幕!
登場人物
早乙女乱馬:CV.山口勝平
中国での修行中に呪泉郷・娘溺泉に落ち、水をかぶると女になるという特異体質の持ち主。
無差別格闘早乙女流二代目で、天道あかねとは親同士が勝手に決めた許婚の仲。
父・玄馬と共に天道家に居候中。
らんま:CV.林原めぐみ
アニメでは男の状態を「乱馬」と漢字表記し、女の状態を「らんま」とひらがな表記している。
天道あかね:CV.日髙のり子
天道家三女であり天道道場二代目で抜群の身体能力と格闘センスを持つ。
風林館高校に通う1年生。
許婚の仲の乱馬とは互いに反発しあうも、ときどき見せる心優しい一面も。
天道なびき:CV.高山みなみ
天道家次女で、風林館高校に通う2年生。
自他共に認める徹底した守銭奴で、いかなる状況においても稼げるときはきっちり稼ぐクールなリアリスト。
天道かすみ:CV.井上喜久子
天道家長女。
他界した母親に代わって家事の一切を切り盛りしているしっかり者。
非常に穏やかで優しく、その性格は「菩薩のよう」と評されるほど。
マイペースで何があっても動じない。
天道早雲:CV.大塚明夫
無差別格闘流天道道場の道場主で、あかねたち三姉妹の父。
武道家としての評判は高いようで近所から様々な相談が舞い込むことも。
乱馬の父・早乙女玄馬とは兄弟弟子で親友でもあり、娘を乱馬の許婚とすることを約束していた。
早乙女玄馬:CV.チョー
乱馬の父で無差別格闘早乙女流の達人。
中国での修行中に呪泉郷・熊猫溺泉に落ち水をかぶるとパンダになるという特異体質の持ち主となる。
あかねの父・天道早雲とは兄弟弟子で親友。
響良牙:CV.山寺宏一
乱馬の男子校時代の同級生でライバル。
超方向音痴のため決闘場所にたどり着けないことも…。
乱馬を追って中国に渡るが呪泉郷・黒豚溺泉に落ちてしまい、水をかぶると黒い子ブタになるという特異体質となる。
シャンプー:CV.佐久間レイ
女傑族の娘で、村の武術大会で優勝するほどの腕前の持ち主。
らんまを追いかけて日本にやってきたようだが…?
九能帯刀:CV.杉田智和
風林館高校に通う2年生で天道なびきのクラスメイト。
剣道部主将で自称「高校剣道界期待の超新星、風林館高校の蒼い雷(いかずち)」。
あかねに想いを寄せている。
九能小太刀:CV.佐倉綾音
九能帯刀の妹で、聖ヘベレケ女学院に通う高校1年生。
「黒バラの小太刀」の異名を持つ格闘新体操の名手。
小乃東風:CV.森川智之
小乃接骨院の若先生。
骨接ぎの名手で人体に精通しており拳法の達人でもある。
骨格標本の名前はベティちゃん。
三千院帝:CV.宮野真守
コルホーズ学園高校に通う高校生。
格闘ペア・スケート黄金ペアとして白鳥あずさと組んでいる。
ナルシストで、いつも女性のことばかり考えている。
白鳥あずさ:CV.悠木碧
コルホーズ学園高校に通う高校生。
三千院帝と共に格闘ペア・スケート黄金ペアと呼ばれている。
かわいい物が大好きで、気に入ったものがあると勝手に名前を付けて持ち帰ってしまう。
呪泉郷ガイド:CV. 山寺宏一
呪われた泉が多数ある伝説の修行場「呪泉郷」の案内人。
ナレーション:緒方賢一
主題歌
オープニングテーマ
- 許嫁っきゅん
作詞:あの, 真部脩一 作曲:真部脩一 編曲:TAKU INOUE 歌:ano
作詞をあのちゃんと真部脩一氏が手掛け、作曲は元相対性理論の真部脩一氏、編曲はanoの数々の楽曲を手がけるTAKU INOUEが担当。
anoの代表曲である「ちゅ、多様性。」の布陣で制作された楽曲となっている。
エンディングテーマ
- あんたなんて。
作詞・作曲:りりあ。 編曲:羽生まゐご 歌:りりあ。
ED映像ではMAPPAが制作したアニメ映像が展開。
乱馬とあかねがアニメ本編とはまた違ったタッチで描かれており、作品の持つ "ラブコメ的側面" をエモーショナルなアニメーションで魅力的に表現されている。
ドタバタ格闘ラブコメディも声優ヲタにとっては感動作!?32年の時を超えたオリジナル "レジェンド" キャストの驚愕の再現力!!
32年の時を経てオリジナル "レジェンド" キャストが再集結
『らんま1/2』のリメイクが決定して、一番喜んだニュースはオリジナルキャストの続投だった。
1989年版に出演していた声優陣は皆が皆、今や押しも押されもせぬレジェンド声優ばかり。
おまけに約32年もの長い年月が流れている。
今さらのリメイクという懸念がある。
人気作品だった1989年版オリジナルとのイメージの違いという不安もある。
レジェンド声優へ出したこのオファーは、断られても何ら不思議ではない材料ばかりが揃っていた。
事実、林原さんが最初にこの話をもらったとき、「勝平が来るならやるけど、来ないんならやらない!」と駄々をこねて監督やスタッフを困らせてしまったらしい(林原さんいわく "半分ネタで" とのこと)。
とはいえ、直に山口氏に電話を掛けたのは本当。
そこで山口氏も演ることがわかり、林原さんも出演を決意したとのことだ。
これに対し山口氏は、林原さんから珍しく電話が掛かってきたので、「何だろう」と思って出たとたん、開口一番「あんたやるの?」と言われ驚いた、と語っている。
主役ふたりのこのやり取りのおかげ(?)か1989年版テレビアニメから、早乙女乱馬役の山口勝平氏、らんま役の林原めぐみさん、天道あかね役の日髙のり子さん、天道なびき役の高山みなみさん、天道かすみ役の井上喜久子さん、響良牙役の山寺宏一氏、シャンプー役の佐久間レイさんが続投。
ちなみに大林隆介氏が演じていた天道早雲役を大塚明夫氏が、緒方賢一が演じていた早乙女玄馬役をチョーが新たに演じ、玄馬役を演じた緒方氏は本作でナレーションを担当する。
元々豪華すぎる声優陣で話題だった本作ではあるが、こうしてオリジナル "レジェンド" キャストが32年の時を経て再集結したのであった。
九能帯刀のオリジナルCV. 鈴置洋孝(無印、熱闘編)
九能帯刀について高橋留美子先生は、神谷明氏の声をイメージし描き、CVには神谷氏を起用したかったらしい。
しかし芝山努監督から反対され、鈴置洋孝氏が演じる事となった経緯があるという。
自他ともに認めるかなりの美男子で、黙っていればクールでモテるが問題はその性格。
ぶっちゃけナルシストで、自分のことを「顔良し、姿良し、裕福な上に人格者で強くて賢い」と本気で思っている。
風林館高校の男子生徒曰く「風林館高校最強の男」であると同時に「風林館高校最悪の変態」と称される九能帯刀は、「あたると同じレベルのアホ」と称された面堂終太郎と非常に良く似たキャラクターである。
そんな九能だから、高橋留美子先生が『うる星やつら』にて面堂終太郎を好演した神谷明氏が演じることを想定して描いたというのもうなずける。
しかし面堂終太郎がそうだったように、もし神谷明氏が演じていたら九能帯刀もまた、最終的にはコメディ色の強いキャラクターになっていただろう。
たしかに神谷明氏は、シリアスとコメディの使い分けが超絶巧い唯一無二の声優だ。
だが使い分けがはっきりしている分、シリアスとコメディの線引きが明確になりすぎてしまう場合がある。
しかし鈴置洋孝氏が演じた九能帯刀は、シリアスとコメディの明確な線引きが存在しない。
それは鈴置洋孝氏が演じた九能帯刀は、アホなことを良い声でクソ真面目に曰うようなド天然キャラに仕上がっていたからで、同じコメディでも面堂終太郎のそれとは明らかに似て非なるものだった。
もちろん神谷明氏も大好きな声優ではあるが、個人的には鈴置洋孝氏が演じたこの九能帯刀がめちゃくちゃ大好きだった。
しかし残念ながら鈴置洋孝氏は2006年8月6日、肺癌により死去。
満56歳没。
当時はかなり油の乗った時期で、かつ劇団を軌道に乗せるなど活躍している最中のあまりにも早すぎる逝去だった。
『機動戦士ガンダム』のブライト・ノア役は、鈴置洋孝氏が生涯を通じて演じ続けた当たり役として有名。
男らしさと艶のある低音ボイスが特徴で、特に1970年代~1980年代に『聖闘士星矢』の紫龍、『キャプテン翼』の日向小次郎、『るろうに剣心』の斎藤一、『ドラゴンボール』の天津飯といった、骨太で男性的な性格の二枚目キャラを多数演じ人気を博した。
鈴置洋孝氏が演じたキャラのすべてが、その作品には欠かすことができない名脇役ばかりで、九能帯刀もまた間違いなくそのひとつであった。
オリジナルキャストが揃ったこのリメイクで、鈴置版九能帯刀がみられないのは非常に残念なことである。
鈴置氏だけでなく代役だった辻谷耕史氏も亡くなっているため、2024年の新作アニメでは誰が後任を務めるか注目だったが杉田智和氏が演じることになる。
ドタバタ格闘ラブコメディも声優ヲタにとっては感動作!?32年の時を超えたオリジナル "レジェンド" キャストの驚愕の再現力
らんま役CV.林原めぐみ
『名探偵コナン』での灰原哀役のように、近年では陰のある静かなキャラクターを演じる声優の印象が強い林原めぐみさん。
しかしデビュー後、特に1980年代後半~1990年代前半まではサンライズ作品に出演する機会が多く、気が強い陽気な美少女キャラのイメージが非常に強かった。
林原さんの現在のイメージは、『新世紀エヴァンゲリオン』及び『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で寡黙なクールビューティー系の綾波レイを演じて以降に書き換えられたものである。
このことから「林原めぐみといえば?」という質問に、どのキャラクターを答えるかで趣味や年齢や通ってきた道がバレてしまうほど、全世代のアニメファンから愛されている。
だがいくらレジェンド声優とはいえ、本作のらんまのような元気ハツラツキャラをしばらく演じていなかった林原さんに、昔の声が出せるのだろうか?
この度のリメイクにはそんな不安がなくはなかった。
オリジナルキャストの続投は、1989年版好きのオールドファンにとっては歓喜の報であったが、その反面で声の印象の違いへの懸念がなかったわけではない。
約32年もの長い年月が流れているから当然だ。
ましてや林原さんが演じるらんまは、元が男という事実さえ忘れてしまえば、めちゃくちゃ可愛いキャラクターである。
可愛らしい声をしばらく出していない林原めぐみさんにとって、声の加齢があっては致命的であった。
しかしそんな不安は、レジェンドと呼ばれる声優に対してナンセンスであったことを痛感する。
あの頃と変わらない元気ハツラツならんまからは、綾波レイの影も灰原哀の影もまったく感じられない。
こういう表現が不適切なことは重々承知の上であえて述べるが、我々が知る全盛期の林原めぐみさんがそこにはあった。
思い起こせば『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話。
パンをくわえたあの綾波レイは、らんまを演じていた林原めぐみさんそのものであり、あれが林原さんが演じた気が強い陽気な美少女キャラの最後だったように思う。
あれから幾年月。
もう二度とみることができないと思っていたあの林原めぐみさんが、あの頃のままに帰ってきた。
こんなに嬉しいことはない。
天道あかね役CV.日髙のり子
オリジナル "レジェンド" キャストの再現力の高さに驚きしかない本作であるが、その最たるものが天道あかね役CVの日髙のり子さんである。
日髙のり子さんが演じた代表的なキャラクターといえば、あだち充原作野球漫画原作アニメ『タッチ』に登場するヒロインである浅倉南役をおいて他にあるまい。
『タッチ』が放送されていたのは1985年〜1987年。
南ちゃんのイメージが強烈に残る1989年版『らんま1/2』ファンにとって、日髙のり子さんが今さら天童あかね役を演じることはあまりに酷だと思われた。
事実、タッチから30年後の明青学園を舞台とした作品である『MIX』では南ちゃんの登場こそまだないものの、南ちゃんの声を演じた日高のり子さんがナレーターを務めていたが、その声には過ぎ去った年月を感じざるを得なかった。
だが不安の反面、期待もあった。
『名探偵コナン』 の世良真純役で、登場機会こそそれほど多くはないものの、日高のり子さんは女子高生役を難なくこなしている。
しきし世良真純は、あかねのように声を張るキャラではない。
何より本作ヒロインであるあかねの登場機会は、脇役である世良真純の比ではない。
今の日髙のり子さんにあかねのように張った声を、はたして終始維持できるのか?
それが最大の懸念であった。
しかしそんな不安はレジェンドと呼ばれる声優に対して、もはや失礼だったらしい。
南ちゃんのイメージを強烈に引きずる1989年版ファンも安心の、あの頃とまったく変わらない天童あかね。
レジェンドと呼ばれる声優の実力は伊達ではなかった。
声優ヲタにとってはドタバタ格闘ラブコメディの『らんま1/2』が、超がつくほど感動作に大化けだ。
林原めぐみさんや日髙のり子さんだけではない。
天道なびき役の高山みなみさんや天道かすみ役の井上喜久子さんもあの頃のままに健在。
改めてオリジナル "レジェンド" キャストの驚愕の再現力を思い知る。
リメイク作品は時にガッカリさせられることがあるけれど、本作に関しては問題なし。
それどころか作画の多彩さと柔らかさが秀逸なリメイク版は、もしかしたら1989年版オリジナルを超えられるかもしれない。
オリジナルを超えるリメイクは数少ないが、オリジナル "レジェンド" キャストが揃った本作には、その可能性を十分に感じさせる。
古き良き「るーみっくアニメ」の傑作である『らんま1/2』(2024年)の新作。
興味がある人はぜひ。
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