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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【短編アニメーション映画『つみきのいえ』】象徴的に描かれた人生に、ふとその仕舞い方を考える。

 

短編アニメーション映画

つみきのいえ

第81回アカデミー賞短編アニメーション賞受賞作品

※本稿はネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

象徴的に描かれた人生に、ふとその仕舞い方を考える

 

 

 

 

 

 

 

短編アニメーション映画『つみきのいえ』とは

 

 

第81回アカデミー短編アニメーション賞や2008年アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリを受賞するなど、高い評価を受けた短編アニメ。

監督は『R』『或る旅人の日記など短編アニメを制作してきた加藤久仁生氏。

海の上に建つ積み木のような家に住んでいるおじいさんは、海面がどんどん上がってくるので、家を上へ上へと建て増し続けていく。

そんな不思議な家に住んでいるおじいさんの、家族との思い出の物語。

 

監督・アニメーション:加藤久仁生

脚本:平田研也

原画・動画:オープロダクション

プロデューサー:日下部雅謹、秦祐子

音楽:近藤研二(栗コーダーカルテット)

 

 

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あらすじ

 

 

水に囲まれつみきを積んだような部屋でひとりの老人が暮らしている。

水没している階下にパイプを落とした彼は、それを拾うためにもぐり、それぞれの部屋に刻まれた家族の思い出にめぐりあう。

いまはいない妻、娘、なつかしい人々の大切な記憶が静かなタッチで描かれ、純度の高い心にしみる作品となった。

地球温暖化のテーマも秘められている。

 

 


www.youtube.com

 

 

 

沈みゆく故郷にたったひとり残された老人は幸せだったのだろうか?

 

 

「鉛筆のタッチにこだわった」と監督が語る本作。

セリフが一切なく、手描きの絵を思わせるタッチの映像で綴られているが、そのこだわり故に制作期間が3カ月から8カ月に延びたそうで、監督は「始末書を書く羽目になりました」と苦笑いしたという。

繊細かつ郷愁的な絵世界。

セリフや説明を排しながらも端的に伝わるストーリー。

まるで宮崎駿監督作品未来少年コナンを思わせる世界観には、地球環境問題など様々な細かいメタファーが込められていそうではあるが、表現自体が斬新で先鋭的ということではない。

作品の佇まいもけっして派手ではない。

しかし、これぞ短編アニメーション映画としての王道。

むしろ短編アニメにはありがちな作品だと、最初は思っていた。

しかし、どうやらそうでもないらしい。

つみきのいえを探索しながら、象徴的に描かれる老人の人生。

懐古しながらどこか哀愁漂う老人の人生に、ふと自分の人生を重ね合わせる。

歳を重ね、「死」について考える機会が多くなった。

出会いより別れの方が多くなり、ふいに自らの「人生の仕舞い方」について考える。

沈みゆく故郷にたったひとり残された老人は幸せだったのだろうか?

社会問題でもある高齢化や核家族化、未婚率の上昇は、単身世帯や社会との繋がりが少ない人を増やし続けている。

最期は家族に囲まれて、畳の上で人生を仕舞える。

一昔前では当たり前だったようなことが、今では当たり前でなくなっている。

孤独死は、多くの人にとってもはや他人事ではない…。

本作を観たら、ふとそんなことを考えてしまった。

はたして、沈みゆく故郷にたったひとり残された老人は幸せだったのだろうか?

「いい人生だった」

少なくとも、ラストシーンでの老人はそう言っているようにみえた。

素晴らしい思い出がたくさんあった。

そう思えたなら、たとえ最期にひとりきりだったとしても、それはそれで幸せな人生の仕舞い方なのかもしれない。

アニメーション表現が多様化する昨今。

作り手が何を目指し、何を目的として制作するかは大きなポイントである。

芸術性、実験性、娯楽性、大衆性など、目指しているパラメーターは作り手ごとにそれぞれ違うだろう。

だが本作には国境や世代を超えて、観た人を魅了する普遍性と豊かさがある。

そして本作が示したこの普遍性こそ、まだ認知度の低い短編アニメーションの在り方の新たな可能性を。

さらには表現行為のひとつの意義を示しているのではないだろうか。

 

 

つみきのいえ

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つみきのいえ 英語版

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