...
...

完全趣味の世界

ioritorei’s blog

※当サイトではアフィリエイト・Google AdSenseによる広告を掲載しております。

【停滞する思考に一石を投じる苦言『宮澤喜一』】声にできない本音を言葉に…。#83

 

#83

停滞する思考に一石を投じる苦言

 

 

 

 

 

 

 

 

声にできない本音を言葉に…

 

 

何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。

感じていても声にするのが憚られる言葉がある。

それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。

だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。

本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。

しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。

本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。

 

 

 

宮澤喜一

 

 

第78代内閣総理大臣。

ハト派的な政治家とされることが多く、自衛隊の海外での武力行使は自衛の場合に限るべきという見解を基本的には維持していた(「憲法9条が禁じているのは海外での武力行使であり、それ以外は何でも出来る」という逆説的な言い方ではあるが)。

それは戦争を知る世代としての思いが背景にある。

しかし一貫した親米派・日米同盟論者でもあり、1996年には既に集団的自衛権の限定的行使は合憲であると述べ、違憲論を「学者バカ」の議論だと批判していた。

 

 

わが国は兵器の輸出をして

それで金を稼ぐというほどには落ちぶれてはいないのでございます

 

もう少し高い理想を持った国として

これは今後とも続けていくべきであるというふうに私は考えております

 

 

宮澤喜一回顧録: 聞き書

宮澤喜一回顧録: 聞き書

 

 

ちょうど半世紀前。

1976年5月14日の衆院外務委員会でそう言い切ったのは、当時三木内閣の外相だった宮沢喜一氏だ。

この答弁が行われた1976年は、三木武夫内閣が「武器輸出三原則」を強化し、実質的に武器輸出を全面的に禁止する方針を固めた時期である。

宮澤氏は、単に軍事的な判断だけでなく、経済政策の観点からも「兵器産業は非生産的で、経済発展にはあまり寄与しない」と述べており、国家としての品格と経済合理性の両面からこの立場をとっていた。

戦争体験者であり、ハト派の重鎮として反戦・平和主義を貫いた人物だが、この理念はどこへいったのか。

今の高市政権には、もはや見る影もない。

ギアを上げると女王気取りが凄んだ通り、自民党があっという間にまとめた殺人兵器輸出の全面解禁。

歯止めもないまま、それが安全保障で経済成長などとうそぶく狂気。

日経平均株価が連日、過去最高値を更新。

マーケットだけが浮かれる中で、この国は大事な理念を失おうとしている。

戦後80年、曲がりなりにも築いてきた「平和国家」の看板を、高市政権はいとも簡単に下ろそうとしているのだ。

真っ先に手を付けたのが、武器輸出ルールを定める「防衛装備移転三原則」の見直し。

自民党の安全保障調査会が取りまとめた提言は「救難・輸送・警戒・監視・掃海」という非戦闘目的の「5類型」に限ってきた輸出制限を撤廃。

殺傷能力を持つ武器輸出を全面的に解禁する。

憲法の平和主義に基づき、国際紛争を助長しないという国の基本姿勢を大きく転換するものだ。

衆院選圧勝後、「政策実現に向けギアをさらに上げていく」と女王気取りの高市首相が凄んだ通り、たった1週間足らずで一気にこの提言を仕上げてしまった。

熟議をすっ飛ばし、あっという間に殺人兵器輸出を全面解禁とは乱暴の極みではないのか。

この国の安全保障政策の大転換であるにもかかわらず、法改正の必要はなく、国会審議もスルー。

おかげで高市自民はやりたい放題だ。

平和を捨てた「死の商人国家」への変質。

何の歯止めもないまま、平和国家が「死の商人」に成り下がれば、国際社会に余計な軋轢を生み出すことになるだろう。

ましてや、高市首相の「台湾有事は存立危機事態になり得る」との国会答弁以降、日中の緊張はエスカレート。

それでも、高市首相は国内の防衛産業の育成と発展を「成長戦略」の柱に位置づけ、武器輸出の全面解禁を「日本経済の成長につながる」とうそぶく。

宮沢氏の国会答弁から50年。

この国は殺人兵器を海外に売らなければいけないほど貧しくなってしまった。

その貧しさを招いたのは、言うまでもなく歴代自民党政権の失政のツケ。

人殺しの兵器を売ってカネを稼ぐのは本来、恥ずべきことである。

平和国家としての稼ぎ方は、いかようにもあるはず。

高付加価値食品のブランド力で堅調に輸出黒字を拡大しているイタリアが、いい見本だ。

恥も外聞もかなぐり捨て、殺人兵器で儲けようなんて愚の骨頂。

そこまで日本は落ちぶれてしまったのか。

なりふり構わず「武器で稼ぐ」の戦争のリアリティなき高市首相の姿と「稼ぐが勝ち」の株高の熱狂は、奇妙にシンクロする。

 

戦争を知らない世代が日本の中枢になった時が危ない

 

こう言ったのは田中角栄元首相だが、彼の死去から30年以上が経つ。

角栄氏の予言通り、この国はとことん狂ったと改めて実感させられる。

政治参加は大いに結構。

政治をファッションや推し活の延長として消費するのもいい。

人それぞれだろう。

だが、その軽さの代償が、人の命を奪う武器の輸出である。

あなたが深く考えずに投じた1票、あるいは棄権が、日本の「平和国家」というブランドを破壊し、武器輸出という恥ずべき商売を正当化させた。

この責任は誰がとる?

真っ先に犠牲になるのは誰だ?

もちろん、そこまで考えた上でサナ活とやらにうつつを抜かしていたのだろう?

今後もし日本が戦争を起こす、または戦争に加担することになったなら、すべての責任は時の政権を支持したあなたにある。

忘れるな。

そして無思考無自覚のその1票で、これからどうなるのか。

死の商人。

それがあなた方の望んだ未来なのか?

もしそうではない場合、思考を放棄した人間が、いかにして国を、そして自分自身を滅ぼしていくのか、しかとその目で見極めろ。

「私は関係ない」とは言わせない。

これは日本に住む我々全員の問題だ。

 

 

死の商人 戦争と兵器の歴史 (講談社学術文庫)

死の商人 戦争と兵器の歴史 (講談社学術文庫)

 

 

 

☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎

 

日刊ゲンダイ

日刊ゲンダイ

  • SHIMBUN ONLINE INC.
  • ニュース
  • 無料

産経プラス - 産経新聞グループのニュースアプリ

産経プラス - 産経新聞グループのニュースアプリ

  • 株式会社産経デジタル
  • ニュース
  • 無料