グッモーエビアン!
洋画の派手さこそないがどうしようもなく心にしみる…
それこそ邦画の最大の魅力
洋画の派手さこそないがどうしようもなく心にしみる…
それが邦画の良さだと思う。
昔は当たり前のように洋画一択だったが、近年の邦画はなかなかバカにできない。
製作費でハリウッドに勝てないならシナリオと演出と演技で勝負といわんばかりに、邦画のクオリティーは年々高くなっている。
たしかにハリウッド映画は華やかで見栄えもするが、どうしても大味になってしまっているように感じる。
演出的にはどうしても地味な邦画ではあるが、シナリオ的に感性が合うのはやはり制作者が同じ日本人だからだろうか。
もちろん作品によるが、邦画には洋画のクライマックス的派手な見せ場がほとんどない。
ドッカンドッカン爆破しないし、ガガガガ派手な銃撃戦もない。
カッコいい戦闘機も、イカツイ戦車も邦画とは無縁に近い。
だが、最近そんな邦画が観ていてとても心地よい。
ガチャガチャとうるさいだけの映画は苦手だ。
時には深く考えさせられ、じわじわ心にしみてくる映画を好むようになってからというもの、邦画が面白くて仕方ない。
日本人ならではの感性で演出し魅せていくのが邦画だ。
ここではまったく派手ではないけれど、どうしようもなく心にしみて今なお強く記憶に残っている邦画をご紹介したいと思う。
『グッモーエビアン!』とは
2006年に新潮社より刊行され、その後2012年に文庫本化された。
2007年に『なごや寿ロックンロール〜「グッモーエビアン!」より〜』のタイトルで単発テレビドラマ化され、後に小説と同タイトルで映画化される。
映画『グッモーエビアン!』は、2012年12月15日に全国公開。
監督・脚本は山本透氏。
真面目な女子中学生が、元パンクロッカーの母と血のつながらない自由気ままなミュージシャンの父という型破りな両親に振り回されながらも家族の絆を実感して成長していく姿を描くハートフル・ドラマである。
あらすじ
しっかり者の女子中学生ハツキは、17歳で自分を生んだ元パンクバンドのギタリスト、アキと2人暮らし。
かつては、アキと同じバンドのボーカル、ヤグも自分の子どもでないハツキが生まれる前から一緒に暮らしていた。
そのヤグが2年前、"世界ツアーに出る"と突然いなくなったかと思ったら、今度はいきなり放浪の旅から帰ってきた。
久々の3人暮らしにすっかり上機嫌のアキとヤグだったが…。
大泉洋の魅力全開
大泉洋氏といえば、クセの強い三枚目役を演じることが多い。
常にうんちくと文句ばかりたれているが会話が相当達者な人なので、一般的な大泉洋氏のイメージは頭の回転が早い博識のイメージかもしれない。
しかし大泉洋氏の本質は、「どうでしょう」から変わらないおバカで能天気キャラということだ。
そしてそのキャラと最も重なって見えたのが、今作品のヤグ役である。
世界ツアーと自ら称してはいるが、ただの放浪旅で2年も行方知れずになってみたり、帰ってきたらきたでヒモ生活みたいになってるし。
今どき物々交換でわらしべ長者してしまうような、心底能天気キャラのヤグ。
ヤグの性格がまっすぐで純粋なところさえ除けば、大泉洋氏そのままである。
劇中ではもちろんドキドキするような山場なんかひとつもない。
だが、なんだか心に残ってしまう名作邦画『グッモーエビアン!』。
ラストシーンのライブでなかなか泣かせてくるのもニクい演出だ。
とりあえず、何も考えないで観て欲しい。
最後にはほっこりしているはずだ。
ちなみに『グッモーエビアン!』とは、「グッドモーニングエヴリワン」の略…といっていいのかな?
ヤグは「グッドモーニングエヴリワン」といっているつもりらしいが、『グッモーエビアン!』としか聞こえない。
☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎