競泳・池江璃花子選手
プロフィール
2019年7月30日現在まで、個人種目11個とリレー種目5個、計16種目の日本記録を保持していた。
2016年 リオデジャネイロオリンピック
個人種目の100mバタフライの他に、400mフリー及び800mフリーリレー、400mメドレーリレーの計4種目でオリンピック代表に選出される。
その後の大会での活躍や将来性を高く評価した日本水泳連盟は、一時は五輪派遣を見送った自由形3種目においても池江選手をエントリーすることを発表し、これにより池江選手は日本人選手としては初めて五輪で7種目に出場することになった。
しかし大会本番は悔しい結果となっている。
2018年 アジア競技大会
2018年8月アジア競技大会ジャカルタに出場。50m、100m自由形、50m、100mバタフライ、400mフリーリレー、400mメドレーリレーの6種目で優勝。
日本人初となるアジア競技大会6冠を達成し、大会MVPに輝く。
2019年 休養
2020年東京オリンピックでの活躍が期待されているなか、2019年オーストラリアで行っていた合宿を体調不良のために予定を切り上げて急遽帰国することが発表される。
その後、自身のTwitterで帰国後に検査をした結果白血病と診断されたことを公表。
このため、コナミオープン水泳競技大会、第95回日本選手権水泳競技大会といった公式競技会への出場を全て取り止めて療養生活に専念することとなった。
その闘病生活は過酷で、高校の卒業式にも出席できないほどのものだったという。
2019年12月17日、退院を報告。
その報告の中で、東京五輪は事実上断念し、2024年パリオリンピックの出場・メダル獲得を目標とすることを明らかにした。
ところが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、東京五輪が1年程度延期されることが決定。
以降の回復状況によっては東京五輪に出場できる可能性が出てきた。
池江本人も「可能性があるのならチャレンジしたい」と語っている。
2021年 東京オリンピック
東京五輪の代表選考を兼ねた日本選手権の100メートルバタフライ決勝において57秒77で3年ぶりに優勝。
400メートルメドレーリレーの派遣標準記録(57秒92)も突破し、メドレーリレーのメンバーとして東京五輪出場が決まった。
さらに、100メートル自由形でも優勝して東京五輪の400メートルフリーリレーのメンバーにも内定したほか、50メートル自由形、50メートルバタフライも制して4冠を達成した。
東京オリンピックの競泳女子400メートルリレーに、五十嵐千尋選手、酒井夏海選手、大本里佳選手と出場したが(池江選手は第2泳者)、チームは決勝進出に0秒27届かなかった。
また混合400mメドレーリレー予選に小西杏奈選手、佐藤翔馬選手、松元克央選手とともに出場し、アンカー(自由形)を務め、日本は3分44秒15で全体の9位だった。
競泳女子400mメドレーリレーには五十嵐千尋選手、渡部香生子選手、小西杏奈選手と出場して決勝に進出し記録3分58秒12で8位だった。
ふり向かずに前へ 池江璃花子19歳
Nスペ 社会(NHKオンデマンド)
2022年は初レースから絶好調
池江璃花子選手は1月8日、2022年最初のレースに臨んだ。こ
の日は、200メートル自由形に出場し力強い泳ぎを見せ1位。
去年の東京オリンピックはリレー種目のみの出場に終わっただけに、今年は個人種目での世界舞台返り咲きを目指す。
才能だとか運を言い訳にしている奴はよく聞け
池江選手の回復は高い身体能力とは無関係
ある日突然、自分が白血病と診断されたらどうなってしまうだろう?
おそらく、茫然自失になって生きる意味を見失ってしまうだろう。
まぁ今だって生きる意味なんかわかっちゃいないが…
とにかく、すべての気力を失ってしまうと思う。
それが日本中から期待され、将来を嘱望されたトップアスリートともなれば、どんな心境だったのだろうか。
その心中ははかり知れない。
しかしそんな逆境に晒されても、池江璃花子選手は帰ってきた。
白血病と診断されてから、たった1年あまりの復活劇だった。
国立がん研究センター中央病院の福田隆浩・造血幹細胞移植科長は「退院後、1年余でトップアスリートの域まで回復するのは極めて異例だ」と驚く。
症状が出なくなる「寛解」状態に至る早さは、高い身体能力とは関係がないといい、「競技レベルをここまで戻したのは、治療の順調さに加え、本人の努力とチームの支援があるからだろう。患者を含む多くの人に勇気をくれた池江選手を心から応援したい」と話している。
スポーツ選手の難病や大怪我からの復活劇は、その高い身体能力のおかげだと勘違いされがちだ。
もちろん、それが怪我となればまったく関係がないというわけではないだろう。
健康体であればあるほど回復力や治癒力に差は出ると思う。
しかし池江璃花子選手の場合は、その範疇ではない。
症状が出なくなる状態に至る早さは、高い身体能力とは関係がない。
つまりは、たった1年あまりの驚異の復活劇は、池江璃花子選手の努力の賜物以外の何ものでもないわけだ。
池江璃花子選手の傑出した才能のおかげでも、強運のおかげでもなく努力の結果なのだ。
いったい、どれほど努力をしたのだろう。
想像を絶する努力だということは、想像できる。
凡人なら何かを諦めるとき、まず最初の言い訳として才能だとか運に責任をなすりつける。
まだ自分のすべてを出し尽くしていないのに、自分には才能がないとか、運が悪かっただけとか、耳触りの良い言葉で誤魔化そうとする。
聞こえはいいが、こんなものは格好をつけたただ言い訳に過ぎない。
才能だとか運を言い訳にしてすぐ逃げる奴は、池江璃花子選手の姿をよーく見ておけ。
才能や運を言い訳にしていいのは、自分の限界までやり遂げた人間だけだ。
しかし池江璃花子選手は、あれほど凄いキャリアを持ちながらもまだ自分のすべてを出し尽くしていないと自覚している。
だから、才能とか運に責任をなすりつけない。
なんて潔く素晴らしい姿だろう。
その姿勢に、ひとりの人間として尊敬する。
回復できて本当に良かった。
心の底から応援したくなる選手だ。
これからもガンバレ、池江璃花子選手!
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