ステキな金縛り
数ある三谷作品の中でも一番のマイナー作?地上波ではなかなか放送されない名作邦画
洋画の派手さこそないがどうしようもなく心にしみる…
それこそ邦画の最大の魅力
洋画の派手さこそないがどうしようもなく心にしみる…
それが邦画の良さだと思う。
昔は当たり前のように洋画一択だったが、近年の邦画はなかなかバカにできない。
製作費でハリウッドに勝てないならシナリオと演出と演技で勝負といわんばかりに、邦画のクオリティーは年々高くなっている。
たしかにハリウッド映画は華やかで見栄えもするが、どうしても大味になってしまっているように感じる。
演出的にはどうしても地味な邦画ではあるが、シナリオ的に感性が合うのはやはり制作者が同じ日本人だからだろうか。
もちろん作品によるが、邦画には洋画のクライマックス的派手な見せ場がほとんどない。
ドッカンドッカン爆破しないし、ガガガガ派手な銃撃戦もない。
カッコいい戦闘機も、イカツイ戦車も邦画とは無縁に近い。
だが、最近そんな邦画が観ていてとても心地よい。
ガチャガチャとうるさいだけの映画は苦手だ。
時には深く考えさせられ、じわじわ心にしみてくる映画を好むようになってからというもの、邦画が面白くて仕方ない。
日本人ならではの感性で演出し魅せていくのが邦画だ。
ここではまったく派手ではないけれど、どうしようもなく心にしみて今なお強く記憶に残っている邦画をご紹介したいと思う。
三谷幸喜監督作品『ステキな金縛り』とは
『ステキな金縛り』は2011年10月29日に全国で公開された映画だ。
三谷幸喜監督による、落武者幽霊と三流弁護士による法廷サスペンスコメディ・エンタテインメント・ムービー。
2011年10月19日にはニューヨークのアカデミーシアターでプレミア上映されている。
あらすじ
妻殺しの容疑で逮捕された矢部五郎の弁護を担当する宝生エミは、将来性ゼロの三流弁護士。
殺人現場の証拠は矢部が犯人であることを示唆しており、勝てる見込みのない裁判だった。
矢部はエミに「証拠は私を犯人に仕立てるためのトリックで、その日は旅館で一晩中金縛りにあっていた。落ち武者が私の上にまたがっていて動けなかった」とアリバイを証言し無罪を主張する。
ありえないアリバイであるために、エミは矢部が殺人を犯したのではないかと疑ったが、矢部が泊まった旅館に赴いた。
そこでエミは、矢部に一晩中またがっていた落ち武者・更科六兵衛に出会う。
エミは六兵衛に、法廷で証言するように求めたが、六兵衛はまたがっていたことは認めるも、証言には乗り気ではなかった。
しかし、「矢部五郎が本来は無罪であるのに裁かれようとしている」ということを聞くと態度を一変させる。
六兵衛自身の最期も背信行為をしたとして打ち首にされたことによるためだ。
矢部に同情し、六兵衛は法廷で証言することにした。
しかし困ったことに、六兵衛は特定の条件を満たす人にしか見えない。
そこでエミは、六兵衛の息は誰でも感じることができることから、フエラムネの音を用いて証言に利用したり、砂鉄を使って六兵衛が実際に法廷内にいることを証明しようと
した。
対する検事・小佐野徹は非科学的なことを嫌っていた。
「見えない」六兵衛を存在するものにさせようとする一連のエミの試みはトリックであり、法的に無効であると主張する。
それに対し、エミは六兵衛の助けを借りて、小佐野も実際には六兵衛が見えているということを証明し、小佐野はその存在を認めた。
こうして、幽霊が証言台に立つという前代未聞の裁判が始まることになった。
地上波ではなかなか放送されない名作邦画
数ある三谷作品の中でも一番のマイナー作?
三谷幸喜作品は昔から好きでよく観ている。
皆さんもきっとそうだろう。
『王様のレストラン』でその名を知ってからというもの、映画にドラマに、おまけに大河ドラマにと、三谷作品は大活躍である。
大活躍の理由として、娯楽性の高さが挙げられる。
純粋に楽しいのだ。
そんな楽しい三谷作品の中でも、何回もリピートしてしまうのが『ステキな金縛り』だ。
何故だろう、飽きない。
しかし不思議なことに、こんなに楽しくて面白いのに、なかなかTVで地上波放送されない。
そもそも三谷作品が、地上波放送に登場する機会は意外と少ないことは事実だ。
複数回放送されているのは『清須会議』くらいなものか?
きっと他の作品は一度きりの地上波放送ばかりなのだろう。
それでもだ。
それでも『ステキな金縛り』に対する評価が、他作品と比べて特に低いように感じてしまう。
主要登場人物のひとり、落ち武者・更科六兵衛は他作品(『清須会議』など)にも登場するほどだし、出演俳優陣の豪華さや設定の面白さ、物語の展開は他作品と比べても何ら遜色はない。
何なら人気は高いが場面展開の少ない『清須会議』より、よほどスピーディーに物語は展開していく。
三谷作品はたしかに面白いのだが、『清須会議』の場面転換の少なさ然り、正直少し中だるみしてしまうところがある。
一度観てしまえば、二度目からは飛ばしてもいいかな?と思ってしまうシーンが、どの作品にもひとつくらいは存在する。
だが『ステキな金縛り』だけは、何度観ても飛ばしたいシーンがひとつもないほど飽きがこない。
こんなに面白いのに、三谷幸喜氏の代表作になかなかその名が上がらないことにはいささか不満があるが、その分観たことがない人も多いのかもしれない。
三谷作品に苦手意識がないのなら、是非一度観てもらいたいと思う。
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