ラジオのパーソナリティになりたかった。
素敵な音楽を流してみんなに勇気を与えたり、思いつく限りの言葉で傍らに寄り添ってくれるラジオ・パーソナリティのように、皆さんの別れを素敵なものに変えられたら嬉しい。
◆じゃあね
春はお別れの 季節です
みんな旅立ってゆくんです
淡いピンクの桜
花びらもお祝いしてくれます
別れがあれば出会いもある。
4月になれば 悲しみは
キラキラした思い出
皆さんにも素敵な出会いが訪れますように。
イルカ『なごり雪』
元々『なごり雪』は、伊勢正三氏が作詞・作曲したかぐや姫の楽曲だった。
1974年3月12日、かぐや姫のアルバム『三階建の詩』の収録曲として発表された。
オリコンアルバムチャート1位、年間5位。
歌詞には「東京」の文言が出てくるが、伊勢本人は出身地である大分県津久見市の津久見駅をモチーフにしたと語っている。
1975年11月、イルカの歌によるカバーバージョンがシングルとして発売。
翌1976年に掛けて、オリコンの集計で55万枚近いセールスを記録した。
累計売上は80万枚。
イルカのシングルとしては最大の売上を記録した。
以降、日本の早春を代表する歌の一つとして歌い継がれ、さまざまなアーティストによってカバーされている。
春の描写を雪で表現
さすが伊勢正三先生
春の描写を雪で表現した伊勢正三先生。
さすがとしかいいようがない。
伊勢正三先生の凄さはそれだけではない。
『なごり雪』の「なごり」にも、いろいろな意味が込められている。
まず『なごり雪』というタイトルそのままの意味だ。
春の描写なのだから、自ずと雪は季節外れの雪になる。
「なごり雪」とはよくいったものだ。
次に時間に対する名残惜しさだ。
春は別れの季節でもある。
汽車を待つ君の横で僕は
時計を気にしてる
時計を気にする仕草に、名残惜しさが滲み出ているではないか。
ぱっと見で認識できる「なごり」に込められた想いは以上だが、まだまだこれだけではない気がする。
時が行けば 幼ない君も
大人になると気づかないまま
今 春が来て 君はきれいになった
去年よりずっときれいになった
いつまでも変わらないと思っていたものが、いつの間にか変わっている寂しさ。
「君」に置いていかれたような寂しさの中で、青春時代を名残惜しむような、愛しむような、そんな想いを感じる。
『なごり雪』に難しい言葉は遣われていない。
だがシンプルな言葉でも、その組み合わせの妙で、非常に叙情的な詞になっている。
さすが伊勢正三先生。
素晴らしい。
でも個人的に一番感銘を受けたフレーズは冒頭の一節だ。
なごり雪も降るときを知り
雪が降る行為に忖度なんかあるわけないのだが、何故か妙に納得してしまう言い回しだ。
「僕」にとって、別れ際に降る「なごり雪」にはどんな意味があったのだろう。
すべてを描ききれない歌詞だからこそ、こういう余白を楽しむことができる。
『なごり雪』は卒業シーズンの最後に聴くべき曲だと思う。
新しい出会いの前の最後の別れ。
今聴いても本当にいい曲。
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