もう一度観たい伝説のバラエティ番組
とんねるずのみなさんのおかげです。
我が青春時代は無茶苦茶ばかりのとんねるずと共にあった
『とんねるずのみなさんのおかげです。』とは
『とんねるずのみなさんのおかげです。』は、フジテレビ系列で1988年10月13日から1997年3月27日まで毎週木曜日 21:00 - 21:54 (JST)に放送されたバラエティ番組である。
お笑いコンビのとんねるず(石橋貴明氏・木梨憲武氏)と多彩なゲスト陣によるコントを中心に構成されている。
コントに登場する名物キャラクターは他のバラエティ番組の追随を許さなかった。
小泉今日子さんや工藤静香さんやチェッカーズ、宮沢りえさんや観月ありささんなど、当時一世を風靡した豪華なゲストも毎週出演している。
1989年から1994年までの6年間、バラエティ番組で年間平均視聴率1位を記録。
『ねるとん紅鯨団』、『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』と並ぶとんねるずの代表番組のひとつである。
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『とんねるずのみなさんのおかげです。』事件史
爆薬演出でのトラブル
『おかげです。』時代のコントでは爆薬を大量に使用する演出がよく行われ、トラブルもたびたび起きていた。
これらは港浩一氏が演出したものであるといい、爆薬を大量に使う撮影では、通常は何度もリハーサルを重ねて撮影するが、港氏の場合は適当に爆薬を設置して、すぐに本番へと移るといった手法をとっていた。
こういったこともあって、「仮面ノリダー」の後半ロケで撮影許可が取れなくなり、当時のフジテレビ本社(当時は新宿区にあった)の屋上で撮影をし、あまりの爆発音に驚かれて近隣病院の入院患者全員にフジテレビ社屋を窓越しから覗かれるといった出来事があった。
また、フジテレビ社屋移転前のお台場で警察とトラブルを起こしたり、「宜保タカ子」ロケでのトラブルなどが発生していた。
また、石橋氏がセットの下敷きにされた挙句ムチ打ちになったり、木梨氏の至近距離で爆薬が爆発して木梨氏が死の恐怖を覚えるなど、出演者に対しても危険が及んでいた。
保毛尾田保毛男ネタに対する賛否
『おかげでした。』時代の2017年9月28日、『とんねるずのみなさんのおかげでした30周年記念スペシャル』でのワンコーナーで「保毛尾田保毛男」を登場させた。
しかし『おかげです。』がレギュラー放映されていたバブル期から平成中期の時代とは異なり、LGBTの認知と理解が日本のみならず世界的にも深まりつつあった平成最末期の当時においては、物議を巻き起こし、LGBT支援団体から「性的少数者への差別・偏見を助長するもの」との抗議申し入れがあり、それを受け翌日の定例会見で宮内正喜社長が謝罪する事態となった。
視聴者からは「このご時世にどうなんだ」という批判や、「懐かしいキャラクターで大変うれしい」といった好意的な意見が出るなど、賛否両論となった。
そのうちタレントで同性愛者のミッツ・マングローブさんはこの件に関する批判的な意見に対して反論のコメントを出している。
トラウマ級の記憶
木梨憲武氏の盲腸緊急追悼特番・騒動事件
事件は1991年10月31日、木梨氏が盲腸による休養から復帰することになっていた放送回で起きた。
冒頭から「緊急放送!盲腸で倒れる 木梨憲武さんを偲んで…」と題し、生放送で木梨氏の死亡を想起させる設定の追悼特番を模したドッキリを放送した。
石橋氏と当時フジテレビアナウンサーだった野崎昌一氏が、深刻な気配で会話し始める。
ふたりとも喪服のような出立ちだ。
子供心に本当に木梨憲武氏が亡くなったと思った。
なぜならすべてが本格的であまりにリアルだったからだ。
多数の菊の花と大きな遺影に似せた造りの木梨氏の写真を配した大きな祭壇を組んだ追悼セット。
暗いBGM(川井憲次作曲・人魚伝説から「T鬼母の哀歌」)。
現役局アナの出演など、あまりにも信憑性がありすぎた。
(※使用された写真は番組スタッフの「憲武の寂しそうな写真ないか」という依頼を受けてマネージャーが提供したもの。
木梨の運転免許証の写真をモノクロで引き延ばして使用したらしい。
引き延ばした時には周囲が「(遺影の)感じ出てるね。」とこぼしていたという。)
視聴者が混乱からようやく事態を理解し始めた番組開始2分半程経過したころ、青のジャージを着た木梨氏がひょっこり画面に現れる。
結果的にとんねるず特有のあまりにシュールなコントであった。
木梨氏が登場した後も石橋氏と野崎氏は2分程無視して喋り続けるものの、石橋氏が「出口3箇所ふさがれてましたから…」と言った直後笑い出して木梨氏に気づき、セットチェンジしてこのドッキリは終了。
この放送を見ていた当時同局アナウンサーで番組レギュラーだった中村江里子さんは、途中まで本当に信じていたという。
それくらい真に迫ったドッキリだった。
制作スタッフは、もしこれが本当だった場合これだけのタレントなら新聞やニュースで大きく取り上げられるので、すぐにネタであることが誰にでも分かると踏んでいたようだ。
しかし、
- 冒頭に野崎氏が木梨氏の死亡時刻を「今日、午後5時30分過ぎ」としており直近であることを示唆したこと。
- この前日に日本テレビのレギュラー番組である『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』に、木梨氏が一時退院して生出演したこと。
- この日の『タイム3』で木梨氏退院のニュースが大々的に報じられていたこと。
などもあり、緊急性を含んだドッキリとして視聴者を信じさせる要素が多分にあった。
放送中からフジテレビには「本当ですか⁉︎」との質問や、「ふざけるな!」等の抗議の電話が約800件と殺到したらしい。
あまりにも悪ふざけが過ぎるとの声が多かったようだ。
盲腸により木梨氏が入院して、放送するネタがなかったことからこのドッキリが企画されたがようだが、すでに最初のCM明けで苦情が多数来ていることが説明されている。
石橋氏は「アタマのアレでフジテレビに随分抗議の電話が来ている。」と発言している。
ドッキリに使用された写真はその後終了までスタジオの天井から吊るしたままでCM前に映り込むこともあった。
放送内において野崎氏は「死亡した。」とは一言も発していないが、代わりに冒頭で「信じられないことになってしまいました。」と表現していた。
ただし、本編前の木梨氏の生涯を辿る前編(BGMとしてダイアナ・ロスの「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」)では、ナレーションで「あまりにも短い生涯であった」という一節が放送されている。
このコントについて木梨氏は『おかげでした。』時代にこの回の映像を流した際「親戚のおばあちゃんに凄い怒られた」と語っている。
そりゃあそうだ。
木梨氏登場後のやりとりでは元々は野崎氏ではなく、当時役員待遇だった露木茂氏の出演を予定していたらしいが逃げてしまったようだ。
そりゃあそうだ。
アナウンス部長の野間脩平氏にも逃げられたため、『プロ野球ニュース』の生放送で本番前待機中だった野崎氏が急遽呼ばれたらしい。
とんだとばっちりだった野崎氏には同情を禁じ得ない。
よりリアリティを持たせるため森光子さんにもオファーを出したらしいが当然断られたという。
そこまでやるか(笑)
この回の視聴率は23%で、多くの視聴者を驚かす結果となった。
プロデューサーの石田弘氏は後年「ふざけると言っても超えてはならない一線があり、悪ふざけにはならないようにしなければならない。」という発言をしている。
しかし一方で、この放送について「普通に復帰するのは面白くないから。」という理由でこの企画をした事と、当時の反響を「あれくらい怒られたことはないよ。」と振り返る発言をしていたらしい。
朝刊の一面に《とんねるず・悪ふざけ》
今のように手軽に情報が手に入る時代とは違い、一日中ワイドショーを見ている人間でもない限り前述したような詳細な情報は手に入らない。
いきなり神妙な面持ちの石橋・野崎両氏が喪服姿で出てくれば、信じない方がどうかしている。
自分が年を重ねて今よくよく考えてみれば、盲腸での死亡率やその他もろもろ、いろいろおかしな箇所には気づく。
しかし子供がそれに気がつけというのは無理な注文というものだろう。
事実、著者は本当だと思った。
いきなりの展開にパニクったのを今でも覚えている。
かなり早い段階でネタばらししてくれたからすぐに安堵し笑うことができたのだが、次の日の朝刊の話題でもうひと笑いすることになる。
《とんねるず悪ふざけ‼︎》
新聞一面にバン。
そりゃあそうなるわww
さすがに悪ふざけが過ぎたようだが、あの程度のお叱りで済ませられたのは、間違いなくおおらかな時代のおかげだったのだろう。
『おかげです。』出演は黒歴史?
今や大女優の松嶋菜々子さん。
初めてそのお名前を耳にし、お姿を拝見したのが『とんねるずのみなさんのおかげです。』だった。
あれ?
『した。』の頃だったかな?
とある新企画に突然現れた美女。
それが松嶋菜々子さんだった。
企画タイトルは「未来警察072」というものだったが、下ネタの香りがプンプンするタイトルである。
石橋貴明氏はまだ無名の大女優に、いつものようにセクハラしまくっている。
それに照れながらもしっかり応える松嶋菜々子さんの姿は、今の彼女しか知らない人には想像もつかない衝撃映像だろうと思う。
ファンがみたらきっと怒り心頭だ。
それせいか松嶋菜々子さんのオフィシャル・プロフィールでは、過去の出演番組の中に『とんねるずのみなさんのおかげです。』は含まれていない。
松嶋菜々子陣営にとって『おかげです。』出演は、黒歴史認定されちゃったようだ。
『とんねるずのみなさんのおかげでした』へリニューアル
その後、フジテレビお台場社屋移転後の1997年6月26日から、『とんねるずのみなさんのおかげでした』にリニューアルして放送を再開。
それに伴い、『おかげです。』の最終回は、新聞のラテ欄では終マークはなかった。
『おかげでした』では、コントなしでゲストの嫌いな食べ物を見抜く「新・食わず嫌い王決定戦」や「モジモジくん」のコーナーが人気になっている。
コントに登場する名物キャラクターは他のバラエティ番組の追随を許さなかった。
チェッカーズや宮沢りえさんなど、当時一世を風靡した豪華なゲストも毎週出演している。
長い歴史に幕
とんねるずの冠番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系/毎週木曜21時)は、 2018年3月22日をもって最終回を迎えた。
特番からレギュラー番組となり、1988年10月に『とんねるずのみなさんのおかげです。』として放送がスタート。
番組名を変更して30年、計1340回放送した長寿番組の歴史に幕を下ろした。
エンディングでは、とんねるずのヒット曲『情けねぇ』を熱唱。
「この国を滅ぼすなよ」という歌詞を「バラエティを滅ぼすなよ」へと変え、さらに「この国をおちょくるなよ」を「フジテレビをおちょくるなよ」にアレンジしたことでも話題となった。
最後に「バーイ、センキュー」と締めて、80年代から30年にわたって、日本のお笑い界をリードをしてきた二人が “バラエティ” そして “フジテレビ” への愛を滲ませた。
さらに、テロップで最後のメッセージを視聴者に贈った。
30年間支えてくれたすべての仲間とテレビの前で同じ時代を過ごしてくれたあなたに愛と感謝を込めて…みなさんのおかげで“した”。
番組終了後SNSには、
- 「とんねるず、ありがとう!お疲れ様です」
- 「青春と沢山の思い出をありがとうございます!」
- 「『情けねぇ』で泣いた。かっこいい終わり方」
など視聴者から反響が多く寄せられている。
思えば人生初のカラオケで歌ったのがとんねるずの『情けねえ』だった。
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