2023最新作
水曜どうでしょう "懐かしの西表島"
『水曜どうでしょう』とは
『水曜どうでしょう』(How do you like wednesday?)は、北海道テレビ(HTB)制作のバラエティ深夜番組。
通称は「どうでしょう」・「水どう」・「どうリタ(どうでしょうリターンズ)」・「どうクラ(水曜どうでしょうClassic)」など。
1996年10月10日(10月9日深夜)に放送を開始。
レギュラー出演者のミスターこと鈴井貴之氏とすず虫こと大泉洋氏、ロケーション同行ディレクターのヒゲこと藤村忠寿氏とうれしーこと嬉野雅道氏の4人(例外として安田顕氏らゲストが加わり出演人数が増えることがある)が過酷な旅を行い、その模様を放送する。
番組開始当初から「低予算」「低姿勢」「低カロリー」のいわゆる「3低」をモットーにしている。
レギュラー放送が終了した2002年9月以降は、再放送の『どうでしょうリターンズ』・『水曜どうでしょうClassic』・『水曜どうでしょうプレミア』が全国各地で放送されており、2007年には全国47都道府県すべてでの放送を達成した。
現在も数年に1回のペースで『水曜どうでしょう』自体の新作が撮影・作成されており、こちらも北海道での本放送開始を皮切りに順次全国各地で放送されている。
また、番組を再構成・再編集したDVD『水曜どうでしょうDVD全集』も発売されている。
水曜どうでしょうコンプリートBOX~Vol.1~6 DVD 全集 第1-30弾 59枚組 (完結セット)
伝説の最強ローカル番組
それまで地方局制作の番組といえば、基本的にその土地に根差したグルメや観光情報を中心とした番組が多かったが、その枠にとらわれない制作スタイルが口コミやインターネットなどで話題を呼び、各地のテレビ朝日系列局や独立局への番組販売による放送が開始されるようになり、他の地方局でも似たようなスタイルの番組が制作されるようになった。
また、藤村D(現HTBコンテンツ事業室兼編成局クリエイティブフェロー)はYouTubeで、編集の仕方や、テロップ・SEの入れ方の影響を受けた動画がいくつも見受けられると指摘している。
本番組の成功を機に、大泉洋氏が出演している『おにぎりあたためますか』(HTB)や『1×8いこうよ!』(STV)など、北海道の民放局で制作されるバラエティ番組が道外で放送されるようになった。
また、番組内で登場した北海道テレビのマスコットキャラクター・onちゃんは、安田顕氏が着ぐるみのスーツアクターとして活躍し、ローカル局のマスコットキャラクターでは異例の全国的な知名度を得ることとなった。
また、大泉氏が所属する演劇ユニットTEAM NACSは、公演に番組を見た人達も大泉目当ての客が集まり、北海道で人気を得た。
2004年には東京進出を果たし、大泉氏や安田氏ら各メンバー(森崎博之氏・戸次重幸氏・音尾琢真氏)が全国区のテレビドラマや映画に出演するきっかけにもなったことで、TEAM NACSとしても出世作になった。
2023最新作『水曜どうでしょう "懐かしの西表島"』
1996年の放送開始から26年、レギュラー放送終了から20年が過ぎた今もなお、全国に根強いファンを持つ北海道ローカルバラエティ番組『水曜どうでしょう』。
今作は地上波に先駆け、全国200館の映画館に約5万人のファンを集めて異例のライブ・ビューイング "先行上映会" を開催し、その場で最新作のお披露目を行ったバラエティ番組『水曜どうでしょう』。
全国のファン注目の2023年最新作「懐かしの西表島」。
番組にとって約3年ぶりとなる最新作は、2022年の夏に撮影が行われていた「懐かしの西表島」編。
かつて(2005年)、ミスターこと鈴井貴之氏と大泉洋氏、そして藤村忠寿氏と嬉野雅道氏のディレクター陣4人からなる「どうでしょう軍団」が「虫追い」をするために訪れ、現地ガイドのロビンソンに振り回されまくった思い出の場所を再訪しよう!という企画だったが、まさにいざ出発!というその朝、一行は思わぬ大問題に見舞われてしまう…。
今や多忙を極める売れっ子俳優・大泉氏に許されたスケジュールは4日間。
しかし軍団の行く手を阻むその障害は、何もかもを食いつぶす勢いで今なお拡大を続けているという。
果たして4人はロビンソンに再会できるのか?
それより何よりロビンソンは無事なのか…!?
番組史上類を見ない幕開けとなってしまった。
驚愕の内容は番組史上過去イチの低予算
待望の『水曜どうでしょう』2023最新作。
事前の情報では「懐かしの西表島」編と聞いていた。
そう。
荒々しい姿を視聴者にみせたいと牛追い祭り参加に意気込む大泉洋氏の要望に答えたD陣が、安全面を考慮して何とか捻り出した企画…虫追い祭り企画「激闘!西表島」の再来である。
正直「激闘!西表島」編自体は、何というか、実に『どうでしょう』らしさ全開の緩い企画だった。
ウシ追いがムシ追いって…。
まぁそれはそれで "らしくて" 良かったと思うが、そのあまりの緩さはある意味衝撃的ではあった。
しかし本作「懐かしの西表島」は、前作を遥かに凌駕する驚愕の内容だ。
出だしから台風で足止めされ西表島には行けない異常事態。
だからといって、どうでしょう班はカメラを止めない。
企画を中止する気もない。
おかげで空港隣接のホテルの一室から、ダラダラ第三週放送分の尺を稼いでしまった。
実は、「北海道で、家建てます」編(2019)でも同様の手法を用いているどうでしょう班。
その時は第ニ週までダラダラだった。
しかしこれで味をしめたどうでしょう班。
本作では、なんと第三週まで "企画に入らない" という暴挙に出た。
おかげで第三週放送分までに掛かった経費は、ほぼタレントの出演料とスタッフの宿泊費のみ(推定)。
恐ろしいまでの低予算番組。
そしてそれをそのまま放送できる『水曜どうでしょう』は、やはり伝説の名に恥じない最強のローカル番組だ。
番組史上過去イチの予算を注ぎ込んだ驚愕のエンディング!本家『どうでしょう』制作の「鎌倉殿どうでしょう」
前述した通り、『水曜どうでしょう』は「低予算」「低姿勢」「低カロリー」のいわゆる「3低」をモットーにしている。
大泉洋氏が売れたことで今は昔ほどケチりはしていないが、だからといってキー局の番組が掛ける予算とは雲泥の差。
潤沢な資金とはほど遠く、ローカル番組の枠を突き抜けるまでには至らない。
だから元々派手な番組構成ではなかったのだが、こと本作に至っては、今までよりさらに輪をかけた低予算ぶり。
なんと、第三週放送分まで最低経費のみで制作できてしまっている。
おかげで開始当初の『どうでしょう』を思い出しかけたが、それはとんでもない勘違いだったことを第四週放送分で思い知ることになる。
全国の人気を得た伝説のローカル番組『水曜どうでしょう』は、我々の常識を遥かに超えた存在となっていた。
思い起こせば「北海道で、家建てます」編(2019)での出来事。
大泉洋氏も出演していた大河ドラマ『真田丸』にちゃっかり便乗。
そのエンディングをパロディにして、『水曜どうでしょう』版のエンディングを制作したことがあった。
あの時も散々笑ったが、本作でもどうでしょう班はまたやらかした。
しかも前作を遥かに凌ぐ出来の良さ。
なんといってもクオリティが天と地ほどにかけ離れている。
元ネタは、こちらも大泉洋氏の出演でおおいに話題となった大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。
「#全部大泉のせい」や「#鎌倉殿どうでしょう」などの言葉でトレンドを席巻した、何かと話題の大河ドラマだった。
なんとその『鎌倉殿の13人』のオープニングを、『水曜どうでしょう』が本気になってパロディ化し、本物の「鎌倉殿どうでしょう」を作り上げてしまったのだ。
2023『水曜どうでしょう』エンディング
※映像は実際に『水曜どうでしょう』で放送されたものですが、音楽は『鎌倉殿の13人』のものに差し替えられています。
『鎌倉殿の13人』オープニング
本家大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の本物のオープニングはこちら↓
見よ!
この『水曜どうでしょう』らしくないクオリティの高さを!!
まさか本気でここまでやるとは…。
しかも第五週放送ではバージョン違いまで披露されている。
いったい何バージョン撮ったんだ?
このエンディングはどうでしょうファンには涙ものの、永久保存版ではないだろうか。
正直、著者もあまりのクオリティの高さに驚いた。
映し出されるのは『どうでしょう』の歴史。
四国お遍路や相撲の稽古の描写もさることながら、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』OP「いざ!」のシーンで、あの伝説のウィリーが観られるなんて…。
まさに知る人ぞ知る爆笑シーン。
細部に至るまで、なんと忠実に再現されていることか。
とにかく凄い。
『水曜どうでしょう』のことだから、どうせ適当に作るとばかり思っていたがとんでもなかった。
これほどの完成度を誇る傑作エンディングに、いったいどれほどの予算を注ぎ込んだのか…。
だがこのクオリティを魅せられてしまったら、本編の体たらくなんてもはや瑣末事。
このエンディングだけで、本作は神シリーズへと昇華した。
『水曜どうでしょう』、やはり只者ではない恐ろしい番組だ。
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