ミディアムテンポの曲がとても心地良い
口笛 / Mr.Children
静かに内省を試みるMr.Childrenの名曲
はじめに
ミディアムテンポの曲というのは、人々の心に強く残るほどキャッチーでもないし、セールス的には大ヒットに恵まれない。
いわれてみれば思い出すが、心の中に常に留まっているほど印象深くはない。
だが聴けば音楽の素晴らしさを教えくれるような心地良さを湛えている。
そんな心地良いミディアムテンポの曲が大好きだ。
『口笛』とは
『口笛』はMr.Childrenの18枚目のシングルである。
2000年1月13日にトイズファクトリーより発売された。
前作から9か月ぶりに発売されたシングル。
8cmシングルで発売されたのは本作が最後であり、次作から12cmシングルに完全移行した。
ジャケットでブランコに座っているようなポーズをとっているシルエットの人物は田原健一氏で、映っている街は東京都杉並区の神田川沿いである。
アートディレクターは信藤三雄氏、ジャケットの撮影は大橋仁氏。
本作から、桜井和寿氏の作詞・作曲担当としてのクレジットが漢字・フルネーム表記から現在のローマ字表記に変更されている。
ノンタイアップながらも初週32.7万枚を売り上げ、初動売上のみで前作の売上を上回った。
累計売上は72.4万枚。
しかし、桜井和寿氏曰く「もっと売れると思っていた」という。
ファンからは人気の曲で、後に開催されたファンクラブ限定ツアー『Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年ファンクラブツアー』の直前に行われた「会員が最もライブで聴きたい曲」では1位に選ばれ、実際に演奏もされている。
静かに内省を試みるMr.Childrenの名曲
Mr.Childrenといえばキャッチーな楽曲やバラードの印象が強く、純粋なミディアムテンポの楽曲を歌う印象は少ない。
そんな数少ないMr.Childrenのミディアムテンポの楽曲が『口笛』だ。
この曲がまた実に素晴らしい名曲だ。
メロディはもちろんだが、このテンポの曲に名歌詞をのせてくるあたりにMr.Childrenの底力を感じてならない。
いつもは素通りしてたベンチに座り 見渡せば
よどんだ街の景色さえ ごらん 愛しさに満ちてる
ああ 雨上がりの遠くの空に虹が架かったなら
戸惑いや 不安など 簡単に吹き飛ばせそうなのに
乾いた風に口笛は 澄み渡ってゆく
まるで世界中を優しく包み込むように
子供の頃に
夢中で探してたものが
ほら 今 目の前で手を広げている
怖がらないで踏み出しておいで
文字にすると名歌詞がより一層際立つのがわかる。
誰とも争うことなく、意地も張らず、力を抜いて、ただただ静かに内省を試みているような穏やかな詞。
実に素晴らしい。
周囲にこの曲を知る人が少なかったせいか、知名度が低いとばかり思っていたのだが、「(ファンクラブ)会員が最もライブで聴きたい曲」では1位に選ばれたというから、やはりファンはわかっていると感服せざるを得ない。
こうなるとMr.Childrenの隠れた名曲とは言い難いが、一般的な知名度は低いと思われる。
だからあえて言おう。
『口笛』はMr.Childrenの隠れた名曲である。
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