ドラマ
ザ・タクシー飯店
『ザ・タクシー飯店』とは
『ザ・タクシー飯店』は、2022年6月2日(1日深夜)からテレビ東京系列の「水ドラ25」枠にて放送中のオリジナルシナリオ・ドラマである。
主演は渋川清彦氏。
ナレーターに伊武雅刀氏。
個人タクシーに乗車する様々な客との人間ドラマとタクシードライバー・八巻がこよなく愛する町中華を描くグルメドラマ。
主要人物
- 八巻孝太郎(はちまき こうたろう)
演 - 渋川清彦
本作の主人公。
個人でタクシードライバー業を営んでいる。
演じる渋川清彦氏は、2013年第26回東京国際映画祭で上映された『そして泥船はゆく』で映画初主演されているらしい。
劇場版『深夜食堂』にも出演。
一般的な認知度が一番高そうなのは、2018年大河ドラマ『西郷どん』の板垣退助役だろうか。
いや、たぶんわからないだろうな…
この人の『ザ・タクシー飯店』での演技、好きだ。
- 増保健壱(ますほ けんいち)
演 - 髙木雄也(Hey! Say! JUMP)
孝太郎が勤務していたタクシー会社の若社長。
間の悪いカメラマンという役どころで『深夜食堂』でレギュラー出演されている。
- 東屋敷要(あずまやしき かなめ)
演 - 宇野祥平
孝太郎のタクシー会社時代の元同僚。
みればわかる特徴的な役者さん。
喋り方に特徴あり。
- 整備士の山さん
演 - 神戸浩
- ナレーター 伊武雅刀
主題歌
- 「タクシードライバーブルース」
歌 - 酔蕩天使(HILLS RECORDS)
町中華の雰囲気を醸し出していて良い感じ。
こういうドラマの主題歌は、メジャー志向なんかしないでこうあるべきである。
あらすじ
このドラマはフィクションであり、登場する人物、団体名は架空です。
ただし、登場するお店は実在し、とても美味しいです。
あらすじ(1)
ある日の朝、タクシー会社の若社長・増保(高木雄也)が焼売を食べているところへ「今日はどこの町中華に行こうか…」と悩みながら八巻孝太郎(渋川清彦)がやってくる。
「セキネの焼売だな。ひとつ呼ばれまーす」と食べてしまい、増保に文句を言われる。
そこへ元同僚でタクシードライバーの東屋敷要(宇野祥平)がやってきて、赤羽でお客が集まりそうなイベントがあるという。
早速、タクシーを出庫する孝太郎。
あらすじ(2)
スーツ姿の男性客を乗せ行き先を尋ねると、大事な会議と妻の出産が重なり、どちらに向かうか悩んでいた。
孝太郎の助言のもと、その男はある選択をし、目的地へ向かう。
男性客を降ろした孝太郎は、赤羽のイベント会場に行ったものの誰もいない…。
仕方なく車を走らせていたところ、孝太郎は気になる町中華店を発見し、チャーハンとキクラゲ玉子炒めを堪能。
そして、おいしい町中華を食べて孝太郎は再び走る。
あらすじ(3)
ある日の夜、タクシードライバーの孝太郎は、消毒液の匂いがする若い女性を乗せる。
その女性は看護師をしているメイで、疲れた顔をしていた。
孝太郎はメイに餃子のおいしい店を尋ねられると、得意気な顔でメイの好みを聞き出す。
翌日、休みだというメイは、ビールに合ってガツンとパンチのある餃子をリクエストし…。
あらすじ(4)
タクシー会社の若社長・増保健壱が母の手製の弁当を食べている中、孝太郎は自分のタクシーを洗車している。
すると、元同僚の東屋敷がやってきた。
増保の弁当が気になる東屋敷。
その弁当は、増保が学生の時から食べている “おでん弁当” で、お袋の味だった。
何かを思い出したかのように、突如東屋敷は孝太郎を黄色いカレーが食べられる町中華に誘う。
あらすじ(5)
タクシードライバーの孝太郎は大きな荷物を抱えた青年・松尾友也を乗せる。
行き先は羽田空港であったのだが、何かを思い出したように蒲田駅の方へ行くよう依頼され…。
友也は「蒲田は上京して初めて住んだ町だが良い思い出ばかりではない」と話し出す。
役者の夢を叶えるため上京したが、才能の格差に気付き実家に戻り農家を継ぐことにしたと語る。
そんな友也に孝太郎は自身が昔抱いていた夢に対しての想いを語り…。
あらすじ(6)
タクシードライバーの八巻孝太郎(渋川清彦)は乗客からの電話を待っていた。
日曜はタクシーを必要とする人も少ない。
タクシー会社の若社長・増保健壱(髙木雄也)と元同僚の東屋敷要(宇野祥平)と共に待機中、孝太郎のスマホが鳴る。
しかし現在地を言ったきり電話は切れてしまった。
指定された場所に到着したが誰もいない。
いたずらかと車を発進させようとすると後部座席から突然声が聞こえた。
驚いて振り返るとそこには子供が。
子供は内田理久(かずき)といい、横浜まで向かってほしいとお金を出して見せた。
孝太郎が断ると大きな声で泣き出し、その様子を偶然観ていた住民に不審がられ警察官(今井隆文)を呼ばれてしまう。
すったもんだした挙句、事情を察した孝太郎は町中華で理久とお昼を食べることに。
玉子入り野菜炒めと理久用にチキンライスとオレンジジュースを注文。
美味しい食事で心が満たされた理久は横浜へ向かう本当の理由を孝太郎に語り出す。
あらすじ(7)
タクシードライバーの八巻孝太郎(渋川清彦)は花束を抱えた男性を乗せる。
その男性は定年を迎えた大山茂(石倉三郎)で、42年間ふりかけの会社に勤めていたという。
味を決める責任者だった大山は、舌の感覚を維持するため刺激の強いものを食べる事を禁止されていた。
出勤初日に麻婆豆腐を頼んでいるところが上司に見つかり怒られてから、42年間麻婆豆腐を口にした事がないと話す大山に町中華好きの孝太郎は驚きを隠せない。
そんな大山から麻婆豆腐のおいしい店を尋ねられた孝太郎は、自信満々に良いお店があると紹介する。
会社員のうちに麻婆豆腐を食べてサラリーマン生活を終えたいと話す大山に一緒に食べようと誘われた孝太郎はオススメの店を一緒に訪ね、麻婆豆腐を堪能する。
42年振りに味わう麻婆豆腐に、昔を思い出し目頭を熱くする大山。
リズミカルな中華鍋とオタマの音をBGMに、大山から衝撃の真実を聞く。
あらすじ(8)
タクシードライバーの八巻孝太郎(渋川清彦)は思いがけない乗客を前に緊張していた。
パリッとしたスーツを着こなし忙しそうにスマホで仕事の打ち合わせをする綺麗な女性は、孝太郎の元妻・鈴原真紀(りょう)だ。
1万円でお釣りはいらないと言い残し降りていった真紀を待ち、ランチに誘う孝太郎。
あまり時間がないと話す真紀に対し、孝太郎が選んだのは二人が初めてデートをした町中華だ。
当時と同じメニューを注文する孝太郎と、娘の穂波(野村碧)が好きだったチキンライスを注文する真紀。
当時の思い出が蘇った真紀は過去に抱いていた想いを孝太郎に語りだす。
10年前同じ場所で食事をした孝太郎・真紀・穂波。
楽しかった記憶を胸に、孝太郎は真紀を送り出す。
孝太郎が勤めるタクシー会社では運転手の中途採用面接が行われていた。
ギターを担いで現れた新人(こだまたいち)を尻目に、八巻タクシーは再び走り出す。
人気2番組のいいとこ取りグルメドラマ
本作は言うなれば『孤独のグルメ』×『町中華で飲ろうぜ』のようなドラマである。
グルメ攻勢激しい近年のテレ東ドラマの中で、いかなる作品も『孤独のグルメ』ほどの大ヒットまでにはなかなか恵まれなかった。
しかしついに答えを導き出したかのような、非常に出来の良いドラマが本作である。
なんといっても人気2番組のいいとこ取り。
ここに「おっさんの哀愁」要素までブレンドされているから堪らない。
『孤独のグルメ』が大衆化してしまった今、テレ東らしさを継ぐのはこのドラマ!
あまりに有名になりすぎて、もはやテレ東らしさを失いつつある大人気ドラマ『孤独のグルメ』。
残念ながら大衆化は否めない。
今ではすっかりお喋りになってしまった五郎さんだが、放送開始当初は寡黙な男だった。
寡黙な男の可愛い気な独白という、ギャップ萌えこそが『孤独のグルメ』の魅力だったのに…
近頃の五郎さんは少し狙いすぎていて、あまり魅力を感じない。
例えるなら深夜時代は面白かった番組が、ゴールデンに進出した途端につまらなくなってしまったような…
そんな感覚を覚える。
それでも好きな作品ではあるのだが…
しかしまだマイナーだった頃の『孤独のグルメ』懐かしのSeason.1を観ているようで、何ともいえない心地良さを感じるのが新ドラマ『ザ・タクシー飯店』だ。
本作はテレ東ドラマ特有の個性的なところが最大の魅力。
よくあるグルメドラマではあるが、一般的ウケを狙っていない設定には非常に好感が持てる。
大衆化してしまった『孤独のグルメ』を継ぐ作品こそ『ザ・タクシー飯店』である。
最強コンテンツ
無限に広がる町中華の世界でシリーズ化の予感
シリーズ化を確信する理由のひとつに、ドラマ内で登場するグルメを町中華だけに限定したことが挙げられる。
なんといってもメニューに変わり映えの少ない町中華。
にもかかわらず町中華には店ごとに独自の特異性がある。
シンプルなラーメンやチャーハンひとつとっても、店ごとに違う魅力があるのだ。
町中華が廃れない限り、もしかしたらこれは無限広がるコンテンツではないのか⁉︎
少なくとも『町中華で飲ろうぜ』が打ち切りにでもならない限り、町中華が廃れることはない…と、信じている。
テレ東は良いところに目を付けた。
ただひとつ願いがあるとしたら、もしシリーズ化したとしても初心を忘れないでいて欲しい。
今の陰がある感じが良いのだ。
下手に一般的ウケを狙うような作品には、して欲しくないと強く願う。
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