アニメーション映画
ドラえもん 新・のび太の日本誕生
オリジナル版
『ドラえもん のび太の日本誕生』
『ドラえもん のび太の日本誕生』は、「月刊コロコロコミック」1988年(昭和63年)10月号から1989年(平成元年)3月号に掲載された大長編ドラえもんシリーズの作品。
および、この原作を元に1989年3月11日に公開された映画作品。
大長編シリーズ第9作、映画シリーズ第10作。
映画ドラえもん10周年記念作品。
予告編は藤子不二雄Ⓕ名義。
同時上映は『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』。
テレビ朝日開局30周年、テレビアニメ10周年記念作品。
第7回ゴールデングロス賞優秀銀賞受賞。
2016年に本作のリメイク版である『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が公開された。
リメイク版
映画『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』
映画『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』は、2016年のSFコメディアニメ映画。
藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん のび太の日本誕生』とした、映画「ドラえもん」シリーズの第36作目。
八鍬新之介氏が監督、脚本を務める。
あらすじ
はるか大昔の中国大陸。
原始人の少年・ククルは川へ漁に出掛けて魚を獲ってきたが、帰還した時には既に村は何者かに襲撃され焼け野原と化していた。
絶望に陥る中、そこへ突如ブラックホールのような裂け目(時空乱流)が現れ中へと吸い込まれてしまった。
一方、現代の日本では、家でも学校でも叱られてばかりののび太が家出を決意し、ママの反対を押し切って家を飛び出す。
だが、どこもかしこも私有地か国有地でどこにも自分の思い通りになる土地が見当たらない。
最初は「止めても無駄だからね!!」とのび太をバカにしたドラえもん、しずか、ジャイアン、スネ夫の4人も各々の理由で家出するも行くところがなく途方に暮れていた。
それならばいっそのことまだ人間が誰も住んでいない旧石器時代(7万年前)の日本へ行こうと思い立ち、史上最大の家出へと出発する。
誰にも邪魔されないユートピアが完成したが、親が心配になり一時帰宅することにした。
数日後、ドラえもんたちはひょんなことから現代に飛ばされたククルと出会う。
ククルの一族であるヒカリ族は、精霊王ギガゾンビに操られる凶暴なクラヤミ族の襲撃を受けたという。
ドラえもんたちは捕われたヒカリ族を救出するため、力を合わせて中国大陸へ向かい、ヒカリ族を連行していたツチダマを倒した。
救出したヒカリ族をどこでもドアでギガゾンビの手も届かない場所として日本に移住させた。
ヒカリ族は新天地の日本で新たな村の建設を開始し、ドラえもんたちはそれを見届けた後、元の時代へ帰っていったが、その後ドラえもんたちが再び訪れて見るとギガゾンビにより村は滅ぼされていた。
ヒカリ族はすでに中国大陸にあるギガゾンビの居城、常闇の宮(とこやみのみや)に連行された後だった。
常闇の宮を探すドラえもん一行だったが、吹雪の中でのび太がはぐれて行方不明になってしまう。
ドラえもんたちは、たまたま避難した洞窟から常闇の宮を発見。
ドラえもんは亜空間破壊装置の部屋にたどり着き、ギガゾンビと対峙し、彼が未来から来た時空犯罪者であることに気づき、戦いを挑むも敗れて捕えられる。
ドラえもんたちが生け贄に捧げられそうになったところへ、のび太が、彼の作った空想動物のペガ(ペガサス)・グリ(グリフィン)・ドラコ(ドラゴン)とともにあらわれる。
奴隷にされていたヒカリ族も蜂起してクラヤミ族と戦い、ドラえもんたちは亜空間破壊装置の部屋でギガゾンビとの決戦に及ぶ。
亜空間破壊装置はククルが破壊。
さらにドラえもんが投げた本物の石槍が決め手となり、ギガゾンビの仮面が叩き割られた。
ドラミとタイムパトロール隊も駆け付け、ギガゾンビは歴史破壊未遂罪で逮捕、彼の施設は歴史に残らないよう破壊される。
ヒカリ族は改めて日本の地で新しい村を作ることになった。
のび太の空想動物は空想動物サファリパークへ引き取られることになり、タイムパトロール隊と旅立つ。
一同は涙で見送り、壮大な家出は幕を閉じるのだった。
ドラえもん御一行様の許されざる大罪
本作は子供の頃に観たドラえもんシリーズでも大好きだった作品。
しかも所詮はアニメ。
おまけに子供向け。
いちいち目くじらを立てるほどのことでもないのかもしれない。
だが大人になって観直してみると、いくらなんでもやり過ぎの印象を持った。
それは子供向けアニメだからこそ、教育上どうなのだという問題でもある。
だが最後にしっかり感動が用意されているドラえもんシリーズは、こうした問題が感動で薄れてしまう傾向にある。
だから問題提起として、敢えて重箱の隅をつつく。
大罪①
ドラえもん御一行様の大罪といえば、何といってもペガ(ペガサス)・グリ(グリフィン)・ドラコ(ドラゴン)を人為的に生み出したことに尽きる。
ドラえもんの秘密道具「動物遺伝子アンプル」を使い、複数のアンプルを組み合わせ、人為的に生み出された空想上の生物である彼ら。
生みの親ののび太くんはペット大臣などと呼ばれ、気分は遊び感覚そのものである。
空想上の生物にはたしかに夢がある。
誰もが一度は "もしも" と考えたことがあるだろう。
しかしそれは人間の領域ではない。
ましてや子供が遊び感覚で侵していい領域などでは断じてない。
何世代にも渡って自然交配させて生み出された現代のペットとはわけが違う。
これほどの大罪を、こともなげに無邪気に犯してしまうドラえもん御一行様。
子供の頃の違和感は、まさに今感じている不快感だった。
所詮は子供向けアニメとはいえ、いくらなんでもこれはやり過ぎではないだろうか。
大罪②
ふたつ目も①と似ている。
①同様、遊び感覚で環境大臣を拝命した静香ちゃん。
湖畔にお花畑を作りたいと申し出て採用されるのだが、撒かれた花の種は当然現代もの。
舞台は旧石器時代(7万年前)の日本である。
7万年の間の進化の過程をすっ飛ばし、生態系破壊も甚だしい。
ジャイアンとスネ夫も同様で、 "誰にも邪魔されないユートピア" とやらのために環境破壊に無邪気に励んでいる。
歴史への介入はあれほど恐れるのに、環境や生態系への配慮は一切なされていないドラえもん御一行様の大罪。
大人になるとすんなり受け入れるわけにはいかないようだ。
矛盾と整合性の狭間で…
ドラえもん御一行様の大罪を挙げたことで、作品へのイメージが悪くなってしまったかもしれないが、本作には大人ならではの見所もいくつかあった。
前々からドラえもんシリーズの秘密道具の使い方には疑問を抱いていた。
簡単に言えば、「そんなもの使わずにこれ使えばいいんじゃない?」ということ。
今回もそんなシーンがいくつかあったのだが、その矛盾を解消するかのように細かい注釈が入れてあったのだ。
これには驚き、同時に笑ってしまった。
ドラえもん御一行様は日本から中国へと向かうが、移動手段はのび太くんが遺伝子操作で生み出したペガ(ペガサス)・グリ(グリフィン)・ドラコ(ドラゴン)。
「タケコプター」では連続使用時間に制限があるだろうし、物語的にもその選択は納得出来る。
だがちょっと待て。
最強の移動手段「どこでもドア」があるじゃないか。
しかし「どこでもドア」が使われることはなかった。
この時点で大いなる矛盾を感じたのだが、無事中国へと到着したドラえもんの口から驚きの新事実が告げられた。
何と「どこでもドア」は、ルートを記憶させないと使えないらしいのだ。
故に行きには使えないが、帰りは使えるという。
一度も行ったことがないであろう場所へと、いつもホイホイ連れて行ってくれる「どこでもドア」。
いつからそんな設定が?
これには制作陣の苦悩が窺える。
常に大いなる矛盾を抱えているドラえもんに、制作陣が整合性を図った結果であろう。
完全に世界観が出来上がってしまったアニメ制作のリメイクには、いろいろ大変な大人の事情があるのだろう。
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