日本映画
サヨナラまでの30分
『サヨナラまでの30分』とは
『サヨナラまでの30分』は、2020年に公開の日本映画。
本作は『君と100回目の恋』('17)、『凪のお暇』('19)の脚本家:大島里美さんが書き上げた完全オリジナル作品。
メガホンを取ったのは、『東京喰種トーキョーグール』('17)の萩原健太郎監督。
撮影監督には米津玄師「Lemon」PVの撮影を手掛けた今村圭佑氏をむかえ、照明には平山達弥氏、録音には矢野正人氏、美術には宮守由衣さんと豪華スタッフ陣が一から世界観を作り上げる。
明るく物怖じしない前向きな性格だが、1年前に死んでしまったバンドボーカルのアキを演じるのは、その確かな演技力で話題作への出演が絶えない俳優・新田真剣佑氏。
人と関わる事が苦手で就職活動も失敗ばかりの大学生・颯太には、若者の絶大な支持を受け、ダンスロックバンド「DISH//」のVo.&Gt.としても幅広い活躍をみせる北村匠海氏。
これまでTVドラマ『仰げば尊し』('16)、映画『OVER DRIVE』('18)、『十二人の死にたい子どもたち』('19)と3作品で共演し、プライベートでも仲の良い2人が、本作では演技の面だけでなく、歌唱、そして楽器演奏で過去の共演作を塗り替え、新境地に挑んだ。
アキの生前のバンドメンバーで、恋人でもあったヒロインのカナを演じるのは、ブレイク前夜の注目女優・久保田紗友さん。
さらに同じくバンドメンバーでギターを担当する山科健太、通称 "ヤマケン" 役には葉山奨之氏。
ドラムを担当する重田幸輝役には上杉柊平氏、ベースを担当する森涼介役には清原翔氏と今、最も注目を浴びる若手個性派俳優たちが集結。
約1か月に渡りオール長野ロケで撮影されたダイナミックで雄大な風景が、限りある今を精一杯駆け抜ける若者たちのみずみずしい演技をより一層引き立たせている。
劇中バンドECHOLL(エコール)が演奏する楽曲など、本作では実に6曲ものオリジナル楽曲が制作。
ストーリーと完全にシンクロした楽曲たちが、それぞれの場面での感情をより際立たせる重要な柱として奏でられる。
バンド演奏シーンのため、各キャストはクランクイン前からそれぞれの楽器を猛特訓。
特にキャストの熱量がすべてぶつけられ、3日間に渡り撮影されたフェスシーンは圧巻。
出会うはずのなかった彼らが30分間だけ入れ替わることで、キセキが起きる——。
"サヨナラ" からはじまる、瑞々しい青春音楽ラブストーリー。
映画「サヨナラまでの30分」 (初回生産限定盤) (Blu-ray)
あらすじ
メジャーデビューを目前に解散したバンド「ECHOLL」。
1年後のある日、突然大学生の颯太が現れ、 メンバーのヤマケン、重田、森の日常にずかずか踏み込み再結成を迫る。
誰をも魅了する歌声を持ち、強引だがどこか憎めない颯太に、少しずつ心を動かされていくメンバーたち。
実は颯太の中身は、1年前に死んだボーカルのアキだった!
偶然拾ったアキのカセットテープを颯太が再生する30分だけ、2人は入れ替わる事ができ、1つの体を共有していく。
人づきあいが苦手で、はじめはアキを毛嫌いしていた颯太。
「俺にこじ開けられない扉はない」が口癖のポジティブなアキ。
30分ごとの入れ替わりを何度も繰り返す、正反対の2人の共同生活がスタート。
ひとりで音楽を作っていた颯太も、次第にアキや仲間と音楽を奏でる楽しさを知る。
アキも颯太の体を使ってバンドを復活させ、音楽のある生活を取り戻したが、「ECHOLL」を去った恋人・カナだけは戻ってこない。
カナに再び音楽を始めてもらうため、最高の1曲を作り上げようとする2人。
そんな日々の中で颯太もカナに心惹かれていき、カナもどこかアキの面影を感じる颯太に、心を開き始める。
すべてがうまくいくように見えたが、ふとした事から颯太=アキなのではないかとカナは気が付いてしまう。
一方カセットテープに異変がおき、アキと颯太の入れ替われる時間は短くなっていく——。
登場人物
宮田アキ
演 - 新田真剣佑
1年前に亡くなったバンドミュージシャン。
自身が遺したカセットテープを再生することで、30分間だけ颯太の身体を借りる事が出来る。
窪田颯太
演 - 北村匠海
就職活動中だが、苦戦気味の大学生。元々人付き合いが苦手で、あまり他人と関わりたくないと思っている。
しかし、ある出来事がきっかけで運命が大きく変わることになる。
村瀬カナ
演 - 久保田紗友
生前のアキの恋人でバンドメンバー。
山科健太
演 - 葉山奨之
アキが所属していたバンドのメンバーでギター担当。
バンド内のムードメーカー的存在。
アキとは幼馴染。
重田幸輝
演 - 上杉柊平
アキが所属していたバンドのメンバーでドラム担当。
森涼介
演 - 清原翔
アキが所属していたバンドのメンバーでベース担当。
村瀬しのぶ
演 - 牧瀬里穂
カナの母。
窪田修一
演 - 筒井道隆
颯太の父。
吉井冨士男
演 - 松重豊
地元のフェスを主催している音楽プロデューサー。
若手個性派俳優たちが集結した瑞々しい青春音楽ラブストーリー
見た目ですでに二人ともめちゃくちゃ格好良い!
本作の最初の感想はそれに尽きる。
「DISH//」のVo.&Gt.である北村匠海氏の歌唱力はさすがの一言。
新田真剣佑氏が歌っているのは初めて観たが、これもなかなか見応えがある。
劇中曲の出来もかなり良い。
本作のために6曲ものオリジナル楽曲が制作されたらしいが、劇中曲だけにとどめておくのは惜しい気がする良作揃い。
さらには音楽の素晴らしさが、ヒシヒシと伝わってくる秀逸なストーリー。
時流に乗って久しく忘れかけていたバンドサウンドの魅力が存分に描き出されている。
さすが、青春音楽ラブストーリーと銘打つだけのことはある。
音楽や歌だけでなく、若手個性派俳優たちの演技にも注目だ。
実写版『ONE PIECE』のゾロ役で高い評価を得た新田真剣佑氏の演技力もさることながら、北村匠海氏の演技の使い分けは見応え抜群。
見事という他ない。
脇を固める葉山奨之氏・上杉柊平氏・清原翔氏らも、若さ全開の瑞々しい好演を魅せるなど、なるほど、たしかに本作は若手個性派俳優の宝庫だ。
なかでも著者が一番推したいのは、ヒロインのカナを演じた久保田紗友さん。
彼女の演技からは青春期の一途さと清らかさを強く感じた。
「ブレイク前夜」「注目女優」と評されるだけあって、彼女のこれからにおおいに期待したい役者さんだ。
劇中歌:リード曲「瞬間」
劇中歌:ECHOLL「もう二度と」
"サヨナラまでの30分" 前のワンシーンは必見
一番の見所だけに、極力ネタバレのないよう簡潔に。
物語も最終盤。
アキと颯太の最後の入れ替わり。
颯太の姿を借りたアキは、ECHOLLのメンバーに向けて語り出す…。
このシーンは本作屈指の名シーン。
そして1年前に立てなかったフェスのステージへと向かうECHOLLのメンバー。
ステージ上で再び颯太に入れ替わった時の北村匠海氏の名演技は鳥肌もの。
必見だ。
このシーンは是非ご自分の目でたしかめてほしい。
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