ドラマ
うちの弁護士は手がかかる
『うちの弁護士は手がかかる』とは
『うちの弁護士は手がかかる』は、2023年10月13日から12月22日までフジテレビ系で54年ぶりに放送されるドラマ枠「フジテレビ金曜9時枠の連続ドラマ」で放送されたテレビドラマ。
主演はムロツヨシ氏。
スター女優を育てた芸能事務所の元敏腕マネージャーが、超エリートなのにどこか不器用でポンコツな新人弁護士に振り回されながらパラリーガルとして奮闘する、育成型リーガルエンターテインメント。
あらすじ
蔵前勉(ムロツヨシ)は、人気女優・笠原梨乃(吉瀬美智子)を30年に渡ってサポートしてきた超敏腕マネージャー。
スケジュール管理や的確な仕事の精査はもちろん、プライベートでのトラブル処理まで完璧なマネジメント力を発揮し、梨乃を日本のトップ女優にまで押し上げていた。
一方、天野杏(平手友梨奈)は最年少で司法試験に合格した超エリート新人弁護士。
香澄今日子(戸田恵子)が所長を務める「香澄法律事務所」に所属する杏は、法律の知識こそ誰にも負けないものの、人とのコミュニケーションが苦手な上、猪突猛進な性格が空回りしてしまい、弁護士として全く成果が出せないでいた。
夢だった梨乃の海外進出が現実になろうとしていたとき、蔵前に思わぬ出来事が降りかかった。
梨乃から突然、解雇を言い渡されたのだ。
「あなたの仕事は誰がやっても変わらない」。
梨乃の言葉に絶望し、生きる意味すら見失ってしまった蔵前は、雨の中、ずぶ濡れになりながら駅までたどり着く。
そこで蔵前は、電話で誰かと言い争っていた女性が書類を落としたことに気付く。
その女性は杏だった。
蔵前は、杏が弁護士バッジをつけていたことから当たりをつけ、香澄法律事務所まで書類を届ける。
蔵前がマネージャーを解雇されたと知った今日子は、蔵前をパラリーガルとして雇い、杏とバディを組ませようと思いつき……。
登場人物
蔵前勉
演 - ムロツヨシ
本作の主人公。
梨乃を30年に渡ってサポートしてきた超敏腕マネージャー。
2人の夢だった海外進出を目前に、突然、解雇されてしまう。
杏が駅のホームで落とした書類を香澄法律事務所に届けたことで、パラリーガルとして、新人弁護士である杏のマネジメントを任される。
天野杏
演 - 平手友梨奈(中学時代:早瀬憩)
本作のヒロイン。
香澄法律事務所の新人弁護士。
高校2年生の時に予備試験に合格し、翌年には司法試験に最年少で合格した超エリートのはずが、猪突猛進な性格で人とのコミュニケーションが苦手であり、不器用でポンコツ。
笠原梨乃
演 - 吉瀬美智子
蔵前が30年にわたりマネージメントを担当してきた人気女優。
蔵前に突然の解雇宣告を行う。
安藤カオリ
演 - 安達祐実
蔵前と同じく元マネージャーの仲間。
ズバズバ言うが、親身になって悩みを聞いてくれる人物。
香澄今日子
演 - 戸田恵子
香澄法律事務所の所長。
丸屋泰造
演 - 酒向芳
敏腕パラリーガル。
事務作業を一手に引き受ける。
山崎慶太
演 - 松尾諭
弁護士。
事務所のムードメーカー的存在。
大学受験で5浪し、司法試験でも5回目で合格した。
辻井玲子
演 - 村川絵梨
弁護士。
司法試験に一発で合格した優秀な弁護士。
岩渕亮平
演 - 日向亘
アルバイトとして在籍するパラリーガル。
天野さくら
演 - 江口のりこ
天野法律事務所の所長。
杏の異母姉。
あのフジテレビがついにプライドをすてた!?テレ東キャラ登場は復活の兆しとなるか?
フジ『うちの弁護士は手がかかる』にテレ東『勇者ヨシヒコ』のメレブが降臨!?
近頃はドラマを観る機会もめっきり減ったとはいえ、流行の把握または推し目的で、ある程度はチェックしている。
ちなみに『うちの弁護士は手がかかる』は、推し(平手ちゃん&ムロ氏)目的で観始めたドラマである。
観始めてまず驚いたのが、主題歌にザ・ローリング・ストーンズの新曲「アングリー」が流れてきたこと。
マジか。
たかだかテレビドラマの主題歌をザ・ローリング・ストーンズが担当するなんて…。
さすがはバブルの申し子、裸の王様フジテレビ。
世界的アーティストであるザ・ローリング・ストーンズを引っ張ってきた手腕はたしかに凄いが、そのビッグネームが果たして視聴率に影響するかと言われれば甚だ疑問。
むしろ古臭さを助長しかねない。
相変わらずフジテレビは過去の栄光から抜け出せないでいるのだな。
そんな印象を受けたのは言うまでもない。
過去の栄光は、劇中でも存分にひけらかされた。
かつて一世を風靡した名作ドラマのパロディがいたるところに散りばめられて、それはそれで楽しくはあるのだけれど、同時に憐れみのような感情にも襲われた。
やはりフジテレビは、まだ過去の栄光に捉われているのか。
そしていよいよ最終回。
あの戸田恵子さんに脚立を持たせて『ショムニ』のパロディを演出。
悪くはないのだけれど、それだけではな…。
そう思われたラストシーン。
主演のムロツヨシ氏が、自身の出世キャラでもあるテレビ東京『勇者ヨシヒコ』のメレブの姿そのままで登場するではないか。
これにはさすがに驚き、同時に一気にテンションがブチ上がる。
しかしあまりの衝撃的なシーンに言葉を失う。
あのフジテレビが、今までずっと格下扱いしてきたテレビ東京のキャラをパクった?
ついに裸の王様フジテレビがつまらないプライドをすてたのか!?
真相はわからない。
真意もわからない。
気まぐれの、ただのシャレだったのかもしれない。
しかしほんの一瞬のこのシーンからは、低迷著しいフジテレビの未来が開けた印象を受けた。
やるじゃん、フジテレビ。
過去の栄光にすがるフジテレビの姿は日本の栄枯盛衰そのもの
かつては業界の王者と称されたフジテレビ。
バラエティでは『オレたちひょうきん族』(1981年)、『オールナイトフジ』(1983年)、『夕やけニャンニャン』(1985年)、『とんねるずのみなさんのおかげです』(1988年)など数々のヒット作を生み出し "バラエティのフジ" とまで言わしめた。
バラエティでのその勢いは、そのままドラマへと引き継がれる。
月9ブームの火付け役となった1991年の『東京ラブストーリー』は、最終回の視聴率が32.3%(ビデオリサーチ調べ・関東地区。以下同じ)を記録し、同年の『101回目のプロポーズ』でも35.7%を記録。
また、1993年の『ひとつ屋根の下』は、フジテレビの連続ドラマ史上最高の37.8%を記録した。
その後も『あすなろ白書』や『ロングバケーション』、『ラブジェネレーション』などの高視聴率ドラマを連発し、後に「月9」と呼ばれるドラマの地位を確立した。
全盛期を迎えた1997年には『バージンロード』『ひとつ屋根の下2』『ビーチボーイズ』『ラブジェネレーション』の4作全てが平均視聴率が20%を越えて同年のベスト4を独占し、同年1月期の『バージンロード』第6話から、翌年1月期の『Days』第2話まで、延べ43回連続視聴率20%以上という記録を打ち立てた。
2000年10月期『やまとなでしこ』で、『ラブジェネレーション』以来3年ぶりに30%を突破、2001年1月期の『HERO』では、11話全てで30%以上を記録した。
そんな王者フジテレビは、テレビ界で「女子アナ王国」の名を欲しいままにしていた。
エースの称号である "パン" の名を冠するアナウンサーが絶大な人気を博した。
しかしそんな王者フジテレビの評判も、近頃では「ダサい」「つまらない」「古い」「面白くない」などのネガティブなものばかり。
ツイートやネット記事のコメント欄を見ても、「ダサい、痛い、寒いの三拍子」「男女の描かれ方が昭和?平成初期?」「フジテレビは過去の栄光にすがりすぎ」などの辛辣な声が並ぶ。
それは取りも直さず、フジテレビの過去の栄光にしがみつく旧態然とした番組作りによるものだと著者は考える。
要するに、考え方が古いのだ。
過去にそれが成功したからといって、今通用するとは限らない。
そんな簡単なこともわからなくなるほど、過去の栄光が眩しいのだろう。
しかしこれはイチテレビ局の話だけでは済まないような気がする。
バブル期に全盛を極め、バブル崩壊とともに衰退の一途を辿るフジテレビの姿は、まるでこの国の栄枯盛衰のようではないか。
日本も今、過去の栄光にすがりつくだけの「ダサい」「つまらない」「古い」「面白くない」国へと成り下がってしまった。
もはや起死回生のためには、大きな改革が求められるだろう。
少なくとも過去の栄光に捉われ、それを自覚もせず、変わることを非とする思考を今すぐ改めないことには、復活の希望すらみえてきやしない。
フジテレビはこれまでの傲慢さを棄て、自局ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』に、今まで散々格下扱いしてきたテレビ東京のキャラクターを登場させた。
それはラストシーンのみのほんの短い時間に過ぎない改革ではあるが、これからを占うであろう非常に大きな意味を持つ一瞬だった。
テレビがオワコン化する現状ではあるが、その一方でいまだに一番の大衆娯楽はテレビであることもまた事実。
フジテレビの大復活に期待したい。
その復活劇は、我が国の希望にもなるのだから。
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