#24
停滞する思考に一石を投じる苦言
声にできない本音を言葉に…
何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。
感じていても声にするのが憚られる言葉がある。
それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。
だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。
本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。
しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。
本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。
刈谷勇(「NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE〜」より)
刈谷勇は、主人公・安部礼司のライバルキャラであり、学生時代からの友人。
ただし途中からライバルっぽさは成りを潜め、的確な助言をくれる "変だけどいい奴" に落ち着いている。
一人称は「僕」もしくは「ぼき」。
物語開始時(33歳設定)ですでに結婚していて、妻・いずみと娘・のんちゃんとの三人で暮らしている。
イケリーマンを自称するだけあって、赤井彗星の社ア長(刈谷勇の勤める会社のボス、CV.池田秀一)からはそこそこ信頼もされている様子。
登場時には必ずといっていいほど高笑いと共に現れ、他の人物たちからは「テンプルにカチンとくる笑い声」と評される。
この笑いが聞こえたら刈谷がいる証拠。
しかし、2018年。
シーズン13に突入したばかりの4月末の放送で衝撃的な展開が報告される。
…刈谷の降板である(作中では「今の会社を辞め渡米する」と語られた)。
中の人も制作サイドも言及していないため、降板理由については2022年現在も不明。
本作を10年以上支えてきたといっても過言ではない男との、あまりにも唐突すぎる別れ。
安部きゅんや全国のリスナーが悲しみに包まれた。
以降、2024年現在に至るまで「あ、安部礼司」は放送中だが、彼の存在について作中で言及されたことはない。
それでも、多くのリスナーはあの「テンプルにカチンとくる笑い声」がもう一度聞こえてくるその日を待ち続けている…。
『NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE〜』第405回「おい安部礼司！アイススケートで、アンジュを救え！」でのヒトコマ。
人は
怖い時 ビビった時
ついつい目線を下に落としがち
自転車だって
前輪ばっかり見てたら
真っ直ぐ走れない
目線は常に もっと先に
目標だってそうさ
自信がない時 上手くいかない時ほど
今や明日のことじゃなく
もっと先のことを考えるべきなんだ
苦言であり名言。
今、日本国民の多くは、ついつい目線を下に落としがちになっているのではないだろうか。
"上を向いて歩こう" なんて綺麗事。
昭和の名フレーズは好景気が生み出した幻想でしかない。
一般庶民は前を向くこともままならず、足元ばかりをみて日々を過ごしている。
一寸先のこともままならないのに、将来のことなんて考えられるわけがない。
ただしそれは "現状のままなら" という話であって、我々がまったく無力というわけではない。
我々が今すべきは、この国の腐った根っこを取り除くこと。
今こそ前を向いて日本の将来としっかり向き合う時。
日本国民は今や明日のことだけではなく、もっと先のことまで考えなければいけない時なのだ。
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