#26
停滞する思考に一石を投じる苦言
声にできない本音を言葉に…
何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。
感じていても声にするのが憚られる言葉がある。
それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。
だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。
本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。
しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。
本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。
ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット(アニメーション映画「映画大好きポンポさん」より)
声 - 小原好美
主人公の映画プロデューサー。
見た目は幼い少女に見えるが年齢は不詳。
通称は「ポンポ(さん)」。
敏腕だが、普段はB級映画ばかり撮っている。
プロデューサーとしてのポリシーと幼少期の体験から、上映時間が2時間を超える長い映画を嫌っている。
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。
映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。
映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。
そんなジーンにポンポさんがかけた言葉が…。
満たされた人間っていうのは
ものの考え方が浅くなるの
幸福は想像の敵
現実から逃げた人間は
心の中に 自分だけの世界を作る
社会と切り離された
精神世界の広さ 深さこそが
クリエイターとしての潜在能力の大きさなの
この言葉が今は胸に深く突き刺さる。
"『セクシー田中さん』の作者・芦原妃名子さんが死去" という衝撃のニュースが日本中を駆け巡った。
こういう自殺のニュースが出るたび耳にする理解なき言葉の数々。
何も死ななくていいのに、繊細すぎ、メンタル弱すぎ…
そんな言葉を浴びせる人がいるけれど、何もわかっちゃいない。
そもそも繊細ではない表現者なんてこの世にいない。
繊細だから人の心の機微がわかる。
だから人の心を掴めるし、感動させることができる。
繊細で今にも壊れそうな人ほど、世界をアッと驚かせるような芸術を生み出すのだ。
"閃き" とは、こういう人たちのためにある言葉だと心底思う。
何も思わず、何も感じず、大雑把で鈍感な人間には絶対に理解らないことなのだろう。
芦原妃名子さんの気持ちを想像すると、今はただ悔しくて悔しくて…。
芦原妃名子さんの訃報を受け2024年1月30日、日本映画製作者連盟(映連)が都内で新年記者発表会を行い東映や東宝など映画会社4社長がそれぞれコメント。
松竹・高橋敏弘社長
原作のすばらしさを生かすことが大前提。
今後もそのようなことがないように我々も気をつけることが原則だ。
東宝・松岡宏泰社長
原作者の意向を尊重していかに映像化するか、その考え方がぶれることはない。
原作者と方向性が違う場合は、コミュニケーションをとって互いにできる限り了解すること、それ以外で乗り越える方法は思いつかない。
東映・吉村文雄社長
原作があってそれを映像化する場合は、コミュニケーションやどういう方向で映像化を進めていくかがより今後大切になると改めて感じている。
自分たちは(版権などを)持っている(漫画・小説)作品を映像化することが多い。
原作者さんの考え方などにも非常に毎回気を使っていますが、やはり今後も気をつけて(映像製作に)当たっていきたい。
ここで名前が挙がっている映画4会社は、漫画原作作品を取り扱う機会が特に多い、業界をリードしてあたる会社ばかりだ。
その映画4会社のトップが即時反応したことについては一定の評価を与えてもいいと思う。
あとは映画4会社社長のこの言葉に偽りがないことを切に願うばかりだ。
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