アニソンの "じゃないほう"
『銀河鉄道999』編
アニソンの "じゃないほう"
今でこそその傾向も弱くなったが、昔のアニメにはその作品を代表するテーマ曲が、必ずといっていいくらい存在した。
その曲はアニメと同義に語られるほど人気を博す。
まさに王道のアニメソング(アニソン)。
しかし天邪鬼の著者はどうやら邪道を好むらしい。
一般的なアニソンランキングにランクインしない王道 "じゃないほう" の曲が、なぜか心に強く響いたりする。
本稿(シリーズ)では、そんな "じゃないほう" の曲に熱くフィーチャーしていきたい。
今や銀河鉄道999の新常識?
「銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)」
今となってはEXILEによってカバーされた方が一般的には印象強いのだろうが、オリジナルはゴダイゴの11作目のシングル。
1979年7月1日に発売。
その後も元号を越え、幾度にわたり再発売が為されている。
副題は「A JOURNEY TO THE STARS」。
映画版『銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999) 』(東映)主題歌。
またTVスペシャル版においても、オープニングテーマとして、間奏部分がカットされた形で使用された。
B面の「テイキング・オフ! (TAKING OFF! )」も劇中において使用されている。
作者の松本零士先生は、クラシック指向であることから当初こそゴダイゴの主題歌に違和感を覚えていたものの、メーテルと鉄郎が別れるラストシーンにおいて、希望に満ちたこの主題歌が流れることによって、鉄郎は大丈夫だということを感じ、彼の未来を案ずることがなくなったという。
そのようなことができる音楽家を「自分たちとは別世界にいるマジシャン」と評した。
また当初、ゴダイゴの主題歌をオーケストラと合わせられないかと考えていた。
作曲担当のタケカワ氏は、それまでロックやポップを使ったアニメソングがなかったため、「ここでその常識を変えるんだ」とやる気満々だったという。
「口に出さないのに、格好良いと思った曲は絶対に良い曲」と豪語し、最初のフレーズを作った時には、既に良い曲になると確信していた。
またこのフレーズにおいて、音がどんどん高くなっていくところが、999号が宇宙へ飛び立つシーンを表現できていると話す。
そして今でも歌うと皆が喜んでくれるこの曲は、ただのヒット曲ではなく、皆の心の中に未だに銀河鉄道999は走り続けていると感じているらしい。
ゴダイゴver.
EXILE ver.
EXILEとVERBAL(m-flo) により、ベスト・アルバム『EXILE CATCHY BEST』の収録曲としてカバーされた。
編曲は中野雄太氏。
「麒麟 ZERO」のCMソング。
タケカワ氏は自宅のテレビでそのCMを見るまで、EXILEがカバーしたことを知らなかったらしい。
その日タケカワ氏は友人と食事をしており、CMを見た瞬間、その場で友人たちと乾杯してしまうぐらい嬉しかったという。
2012年9月9日に放送されたEXILEが主演するTBS系番組「EXILE魂」にゴダイゴがゲスト出演し、両グループのコラボレーションが実現した。
なお、この時『銀河鉄道999 (THE GALAXY EXPRESS 999 )』の演奏はゴダイゴが担当した。
今だからこそ沁みる "じゃない方" の名曲
「銀河鉄道999」
OP(オープニング)曲では鉄郎やメーテルといった登場人物が一切映らず、主役メカ・999号をはじめとする列車が宇宙空間を飛び交うというものである。
3つのバージョンがあり、1番目のものは第7話まで、2番目のものは第8話から第29話まで、3番目のものは第30話から最終話までとなっており、3番目が一番長い期間使用されている。
なお、OPに登場する列車や3番目のバージョンに登場するオメガベースなどはすべて、スポンサーのポピーより商品化されている。
OP時画面の下部に表示される手書きの歌詞は当時、低年齢視聴者を意識して極力ひらがな・カタカナで表示されることが多かったのに対し、本作OPではほぼ作詞者の記述通りに漢字が使われ、ルビも振られなかった。
最後に「フジテレビ 東映」とクレジット表記されるため、他の系列局で再放送される場合には最後の部分だけクレジット表記を修正した止め絵になる場合が多い。
日本テレビでの再放送ではクレジット表記を修正した動画で放送され、1番目のものが最終話まで使用された。
『銀河鉄道999』がアニメで放送されていたのが1978 - 1981年。
たしかにこの時代にまるで洋楽のようなオシャレなゴダイゴ「銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)」を聴かされたら、そちらの方が眩しくみえるのかもしれない。
事実、ゴダイゴ「銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)」は、40年以上も前の楽曲にもかかわらず今でも何ら遜色なく聴いていられるから凄い。
対するささきいさお氏が歌う「銀河鉄道999」は、ゴダイゴのそれと比べるまでもなく古臭さを感じてしまう。
しかし久しぶりに聴いた「銀河鉄道999」に、こんなにも胸を打たれるのはなぜだろう。
ひとは誰でも しあわせさがす
旅人のようなもの
希望の星に めぐりあうまで
歩きつづけるだろう
きっといつかは 君も出会うさ
青い小鳥に
「銀河鉄道999」の歌詞からは、今ではすっかりみることのなくなった未来への夢とか希望みたいなものを感じる。
日本が今のように夢を見れない国になってしまう前の、人々の活気が感じられる。
歩き続ければ、いつかきっと幸せになれる。
誰もがそう信じていられた時代の残り香。
今だからこそ、こういう曲を多くの人が聴くべきなのかもしれない。
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