#40
停滞する思考に一石を投じる苦言
声にできない本音を言葉に…
何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。
感じていても声にするのが憚られる言葉がある。
それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。
だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。
本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。
しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。
本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。
諸星敬介(ドラマ「HERO」より)
諸星敬介
民自党参議院議員。
民自党のニューリーダーと目される若手有力議員。
久利生(木村拓哉)の過去が上層部で問題になり、彼の転勤が決まった。
城西支部最後の仕事として久利生はサッカー場の警備員殺しを担当。
被疑者の桐山(浅野和之)が黙秘と続ける中、久利生は被害者の息子・良太(今野雅人)のために聞き込みにあたる。
そこへ庄野(小木茂光)ら特捜部がこの件に介入してくる。
ドラマ『HERO』(2001年)第11話「最後の事件」でのヒトコマ。
もはや
何かが起こってからでは遅いんです
(中略)
この国はもう
政治家の駆け引きで
時間を潰してる場合じゃないんです
汚職をするような政治家を
総理にするべきではないんです
日本を、新しい未来へ?
どの口がほざく。
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、政治資金規正法違反容疑で任意聴取された最大派閥・安倍派(清和政策研究会)の幹部議員について、東京地検特捜部が立件を断念する方向で調整していると複数のメディアが報じた時、それまで「#検察がんばれ」と激励してきたネット上は一転して「#検察仕事しろ」がトレンド入り。
最終的には「#もう検察いらないよね」と諦めのハッシュタグが飛びかった。
そんな中、木村拓哉氏が型破りで正義感の強い検察官・久利生公平を演じたフジテレビ系ドラマ『HERO』(2001年、続編や2度の映画化)の記憶が強く残るネットユーザーからは、
- (主人公の)久利生さん、あなただったらどう立ち振る舞いますか?
- 確かにここで一発逆転で起訴になったらかなりカッコイイとは思う。検察にHEROはいるのか
- HEROのような検察官が沢山いたらいいのだけど
などと期待する声が続々と寄せられた。
もちろん皆、理想と現実の違いは痛いほどよくわかっている。
だからこれは一縷の期待を込めた皮肉である。
現役検察の中には、久利生公平に憧れて検事になった人間が少なからずはいるはずだ。
彼らはこの現状に、何を感じているのだろう。
もしそれが理想と現実の違いだとするならば、それは言い訳にしか聞こえない。
何を今さら、である。
そしてたとえ理想は叶わなくても、正義の心までも失う理由にはならない。
結局のところは高い理想よりも、手に入れた圧倒的な権力の方がより魅力的であったということなのだろう。
例外を除き、検察官は起訴権限を独占する(国家訴追主義)という極めて強大な権限を有し、刑事司法に大きな影響を及ぼしている。
その権限はいったい誰のために振るわれるものなのか?
検察は巨悪に屈した。
この国の正義は完全に死んだ。
弱きを助け強きを挫く本物のHEROは、この国にはもういない。
正義が滅んだこの国で、汚職をするような政治家がまた総理になろうとしている。
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