#43
停滞する思考に一石を投じる苦言
声にできない本音を言葉に…
何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。
感じていても声にするのが憚られる言葉がある。
それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。
だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。
本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。
しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。
本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。
池神静夫警察庁長官(映画「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」より)
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』でのヒトコマ。
湾岸署管内で起きた最悪の連続猟奇殺人事件から7年。
管内に空港や高速道路、変電所などを抱える湾岸署はテロ対策のため、高度なセキュリティシステムを導入した新湾岸署への引越しが決まる。
強行犯係係長に昇進した青島は、引越し作業を一任されて張り切っていた。
しかし新湾岸署の開署式が3日後に迫るなか、金庫破りやバスジャックといった事件が次々と発生。
さらに湾岸署から3丁の拳銃が盗まれ、殺人事件へと発展してしまう。
湾岸署には特別捜査本部が設置され、警視庁と所轄をつなぐ管理補佐官・鳥飼とともに青島も捜査に乗り出すが……。
(警察官僚:総選挙も近いですし…)
政治的判断を優先するために現場を無視することは…
あってはならないことかと
最終的には政府与党の判断だ
勉強になるだろ
この部屋に正義はないよ
あるのはそれぞれの立場の都合だけだ
日本の国力が、明らかに落ちている事実に国民はイラ立っている。
平成初頭のバブル崩壊以降、徐々に衰えていった「失われた30年」を経て、国内総生産(GDP)はあっという間に中国に抜かれ、2024年には人口8000万人のドイツの後塵を拝するに至った。
経済協力開発機構(OECD)が、2023年に発行した各国政府の比較分析報告書「図表で見る政府」によると、日本は国会への信頼度が加盟38ケ国中最も低い。
「信頼していない」「あまり信頼していない」と答えた人が、過半数を超えているのだ。
「社会の分断」がもはや修復しがたいレベルに達しているアメリカや移民問題に揺れるドイツ、フランスなど欧米各国はもとより、メキシコやコロンビア、コスタリカといった中南米諸国の国民より国会への信頼度は低い。
普通選挙が日本の議会に導入されてからほぼ100年。
女性参政権が認められてからでも80年近くを数える「議会制民主主義先進国」日本で、これほどまでに政治への信頼感が乏しいのはなぜか。
ひとつには、国会論戦があまりにもレベルが低いことにある。
与党議員は、国会論議よりも政治資金パーティー券の売り上げノルマに頭を痛め、野党はといえば、週刊誌が取材した与党議員のスキャンダルを国会でとりあげるのが仕事だと勘違いしている。
一方で、政治家批判だけでは本質的な問題は解決しない。
この国には国民に選ばれた政治家しか存在しないからだ。
選ばれた政治家が悪いのか、選んだ国民が悪いのか?
清濁併せ呑めない政治家の小物ぶりばかりがクローズアップされているが、そのような政治家しか参政できない現状を生み出したのは他ならぬ我々国民である。
どんなに悪事を重ねても、選挙をすればいつも圧勝。
失脚の脅威がなくなってしまえば、危機感が欠如するのは自明の理である。
結果、精進を忘れあぐらをかく。
結局のところ、大雑把にいってしまえば「その国の政治のレベルはその国の国民のレベル」ということなのである。
過去に大田弘子元経済財政担当相が「もはや日本は "経済は一流" と呼ばれるような状況ではなくなってしまった」と発言したが、社会全体にそうした深刻な経済の現状への危機感があまりに希薄である。
危機感、危機意識は人を行動に駆り立てるエネルギーとなり、行動と変革への強力なエンジンともなる。
それとは対照的に、単なる悲観論は得てして無気力な敗北主義となる。
現在日本の没落は政治や行政だけの問題ではなく、悲観論が蔓延しすぎて現状維持を最善手としか考えられない国民の方にこそ大きな問題があるのだ。
変化を恐れ、このまま後ろ向きな現状維持を善しとしていたら、日本に未来はない。
今こそ改めて、我々国民一人ひとりがこの国の未来を考える必要に迫られている。
踊る監督日記: 踊る大捜査線THE MOVIE3ヤツらを解放せよ!
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