#186
心に沁みる名言
今日を精一杯生きるために…
明日ではなく今日。
今、この時を精一杯生きるあなたのために素敵な言葉を綴ろう。
長谷川平蔵宣以(大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」より)
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第6回「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」でのヒトコマ。
蔦重(横浜流星)は、『吉原細見』だけでなく挿絵入りの青本を作ろうと、鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)と共にアイデアを考え、ネタ集めに奔走する。
そんな中、須原屋(里見浩太朗)から『節用集』の偽板が出回っていると聞き、蔦重の中に、ある疑念が生じる…。
一方江戸城内では、松平武元(石坂浩二)が莫大な費用がかかる日光社参を提案する。
田沼意次(渡辺 謙)は、予算の無駄遣いを理由に、徳川家治(眞島秀和)に中止を訴えるが…。
西村屋(西村まさ彦)と裏で手を組み蔦重をいいように利用しようとする鱗形屋。
しかし、蔦重本人どころかお上に目をつけられ御用に。
江戸っ子らしく密告せず流れに身を任せた蔦重だったが、それでもバツが悪く、気が晴れない。
それに気づいた "カモ平" こと、のちの火付盗賊改方「鬼平」長谷川平蔵宣以が武家の世界を引き合いに蔦重を諭した。
そして「濡れ手に粟餅」と名付けた餅を蔦重に渡し、ありがたく後釜として頑張れと背中を押す。
せいぜいありがたくいただいとけ
それが粟餅落とした奴への
手向けってもんだぜ
日本人は「遠慮」や「謙虚」という概念を美徳としている。
だが我々は、その言葉の意味を少々勘違いしているようだ。
「遠慮」は書いて字の如し、遠い先々まで思慮することである。
それが誤って、人に対して言語・行動を控えめにするという意味で伝わってしまっている。
挙句の果てには、相手に気を遣い先を譲る事が「遠慮」となってしまった。
しかし、本来の意味は思慮深く考えた上で行動を起こすことなのである。
「謙虚」は、控えめで素直なことだと辞書には書いてある。
本来は互いが主張を繰り返し、議論した結果行動に移すこと。
消極的に避けるのではなく、学び方が上手く、恐れ入りながら、前の席に座ろうとする意識のこと。
「謙虚」とは、下がるのではなく前に進むことと詫びながら行動することなのである。
すなわち「謙虚」に「遠慮」するというのは、相手を立てて譲ることではない。
自分の成果が自身の力だけで達成されたものではないことだと「遠慮」することで、「謙虚」に感謝と謝罪を素直に表現し相手の立場を尊重していることを伝えることなのである。
自らの信念に従った結果、はからずも棚から落ちてきたぼたもち。
あなたが拾わなくても、別の誰かが必ず拾う。
見ず知らずの人間にくれてやるぼたもちほど悔しいものはない。
ならば、落とした人のためにもありがたく頂戴するのが本当の「遠慮」と「謙虚」ではないのだろうか。
「鱗の旦那!濡れ手に粟餅、ありがたくいただきやす!」
為すべきことを為した上で得た幸運なら、何ら恥じることはない。
NHK大河ドラマ 歴史ハンドブック べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~: 蔦屋重三郎とその時代 (NHKシリーズ)
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