〇〇の声優がこの人で本当によかった
猪熊柔:CV.皆口裕子(アニメ『YAWARA!』より)
アニメ『YAWARA!』とは
アニメ『YAWARA!』は浦沢直樹先生による、柔道を題材とした同名漫画作品を原作としたテレビアニメ。
『YAWARA! a fashionable judo girl!』というタイトルで、1989年10月から1992年9月にかけて放送された。
アニメーション制作はマッドハウス。
基本的には原作通りに進行したものの、ストーリーや設定は尺の都合や原作との進行の兼ね合いもあって一部改変・短縮されている。
特に鶴亀トラベル編からはかなり駆け足の展開が続いており、例えば原作ではキーパーソンの一人となる羽衣係長の出番が大幅に削られてしまった。
一方で、三葉女子短大受験後~入学直後は、柔と富士子の先輩となる独自キャラクターが登場したり、コメディテイストのオリジナルストーリーが続いたりしている。
途中で原作に追いついてしまったため、バルセロナ五輪編は放送されず終了した。
その後、オリンピック出場から完結は1996年に金曜ロードショーで『ずっと君の事が…』の副題で放送されたが、すでにバルセロナが終了していたため舞台がアトランタに変更された。
名シーンがカットされていたり、描写に矛盾があったり(具体例として富士子の娘の年齢など)といった点から、ファンからの評価は賛否が分かれる。
猪熊柔
『YAWARA!』の主人公にしてヒロイン。
初登場当時の年齢は16歳(高校2年生)。
恋もおしゃれもしたい都立武蔵山高校に通う女子高生だが、実は祖父・滋悟郎から幼年期より柔道の手ほどきを受けた天才柔道少女。
少し小柄な体格で階級は48kg以下級。
得意技は一本背負い。
その雰囲気からは柔道が強いようには見えず、転んだ時もわざと受身を取らないなど、実力をひた隠しにしていた(これは祖父がセンセーショナルなデビューを果たすように、柔本人に対外試合を禁じていたのもある)。
しかし反抗期で少しやさぐれかけていた所、街でひったくり犯を巴投げしたことが日刊エヴリースポーツの記者である松田耕作にスクープされ、その後、次第に存在が知られてゆく。
その実力は天賦の才も滋悟郎の厳しい稽古、指導もあるが、並の柔道部員では一日として実行できない練習を毎日欠かさず行っている(行わされている部分もあるが)こともある。
その普通の女の子らしくないことと、柔道が原因で片想いの先輩(錦森)に距離を取られたことがコンプレックスとなり、柔道を避けるようになっていた。
性格は朗らかで情に熱く、涙もろい感動屋さん。
また、世話好きで困った人は見逃せない心の純粋さ、優しさもある。
また柔道以外だと好きな人の面前で電話の受け答えもできない、受験結果を見ることもできない臆病で引っ込み思案という小心者の一面も持っている。
お人好しなぐらい社交的な性格で、初対面の相手に対しても積極的に話しかける方だが、公衆の面前に立つことは大の苦手で、普段からマスコミのインタビューを避けていたり、テレビ出演でも辿々しい返事しかできなかったりしている。
その割に、松田の前では色々と本音を語ることができ、彼しか独占インタビューができないのも彼女の性格が大いに関係している。
セル画YAWARA! 猪熊柔 猪熊滋悟郎 祐天寺豪造 動画付き
平成テレビまんがヒロイン YAWARA 写真 当時物ポストカードSET■アニメアイドルピンチ猪熊柔柔道ガール 滝沢直樹ワールド
猪熊柔の声優が皆口裕子さんで本当によかった
皆口裕子さんといえば、かつてフジテレビ系列で放送されていたバラエティ番組『ねるとん紅鯨団』初代ナレーションとして記憶に残っている人も少なくないだろう。
皆口裕子さんの甘く可憐な声は、多くの若者を魅了した。
そんな皆口裕子さんのハマり役がアニメ『YAWARA!』の猪熊柔である。
実はここに至るまでに、面白い数奇なエピソードがある。
アニメスタッフ側がオーディション前から既に是非「皆口裕子に演じて欲しい」、むしろ彼女の声以外はありえないと考えており、そのひとりが皆口さんにそれまでの単行本を手渡した。
当日、本人がオーディションを志願して来てくれたので、そこでほぼ決まったようなものだったらしい。
また小説版1巻には皆口裕子さん本人のコメントが記載されており、それによれば「それまでアニメのアフレコは逃げていたのに、これだけは絶対やりたい、これができなければ自分は一生アニメの役はできない」という強い思いでオーディションを受けにいったほどだったという。
さらに原作の浦沢直樹先生は、柔の声に「ねるとん紅鯨団」のナレーションの声(いわゆる普通の女子高生っぽい声だったが、それが皆口裕子さんとは知らなかった)をイメージしていたらしく、まさに皆口裕子さんに演じてもらうために生まれたようなキャラクターだったことが暴露されており、作者も完全版のあとがきにて讃辞を述べている。
オーディションで同役が決定した皆口裕子さんは、浦沢先生に初めて会った時に「ねるとんの声やってたの、私です」と言ったというから、猪熊柔役が如何にハマり役だったのかがわかる。
事実、猪熊柔は皆口裕子さんの甘く可憐な声によって命を吹き込まれた、往年の名アイドルキャラクターである。
これがまた実に可愛い。
柔道は滅法強いのに、なぜか守ってあげたい気持ちにさせる不思議なキャラクター像。
世界一強い、普通の可愛い女の子。
そんな魅力的な猪熊柔像は、皆口裕子さんの声だからこそ成し得た偉業といってもけっして過言ではない。
いくら時代が移り変わろうと、猪熊柔の可愛さは変わらない。
可愛いヒロインは数あれど、猪熊柔はアニメ界の永遠のアイドルなのである。
第1話の第一声で、このキャラクターに声を当てるのは、この声優さんしかいないと確信する作品がある。
アニメ『YAWARA!』の「猪熊柔:CV.皆口裕子」は、間違いなくそのひとつ。
猪熊柔の声を当てられるのは皆口裕子さんしかいない。
猪熊柔の声優が皆口裕子さんで本当によかった。
心の底からそう思う。
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