いつもそこに君がいた / LAZY LOU's BOOGIE(1992年)
アニメ『YAWARA!』4代目エンディングテーマは今も色褪せない隠れた名曲
「いつもそこに君がいた / LAZY LOU's BOOGIE(1992年)」とは
1992年4月22日発売のシングル「いつもそこに君がいた」が、テレビアニメ『YAWARA!』の4代目エンディングテーマとして採用され、15万枚を超すヒットとなったLAZY LOU's BOOGIE(レイジー・ルーズ・ブギー)。
1990年代に日本で活動していたポップ・ミュージック・バンドである。
結成は1990年。
女性ボーカリストLOUの歌声と、1970年代のニューミュージックを彷彿とさせるような覚えやすく美しいメロディを2枚看板としていた。
1992年末に惜しまれつつ解散。
今も色褪せない隠れた名曲
発表から30年以上経った今聴いても、まったく色褪せることないLAZY LOU's BOOGIEの名曲「いつもそこに君がいた」。
本作が発表された1992年はCDセールス黄金期。
ミリオン、ダブルミリオンセールスが当たり前になりつつあった。
そんな時代で、本作は15万枚を超すセールスを記録するも大ヒットとまではいかず、オリコンチャートの最高順位は45位。
しかしアニメ『YAWARA!』のエンディングテーマに起用されたこともあり、当時こそそれなりの知名度を誇っていた。
だがそれも、今となっては忘却の彼方。
今ではきっと知る人ぞ知る楽曲なのだろう。
しかしこの美しいメロディとハーモニー。
そしてノスタルジック溢れるリリックは、現代人が忘れかけている大切な何かを思い出させてくれる。
そんな本作は、まさに隠れた名曲と呼ぶに相応しい楽曲ではないだろうか。
終わりの鐘が鳴って
君が 席を立つ
気がつけばいつでも
君だけを見つめてた
僕の側で君は
違う恋に魅かれて
思わず僕は
足をすくめてしまったね
忘れかけていた恋の思い出。
他人の気持ちはどうにもならないことを知ったあの頃。
同時に、自分の気持ちの制御すらままならないことも知った。
歳を重ねた今聴けば、あの頃の気持ちが鮮明に甦る。
ページをめくると
いつもそこに君がいた
ノートの落書き
いつもそこに君がいた
あの時の仲間は 今何を語ってるだろう
子供の頃、大人になることがこんなに息苦しいことだとは、少しも思わなかった。
これほど生きづらい時代になろうとは、思いもよらなかった。
無神経で図太い人間が跋扈する現代。
大人になって、そんな時代の潮流には流されまいとちゃんとした大人を演じることに必死で、自身の過去をノスタルジックに顧みることがめっきり減ってしまったような気がする。
現実の未来に希望が持てなくなって、映画やドラマやアニメの登場人物に自身を重ねる。
それが自分の物語ではないとわかっていても、夢や希望を仮想世界と重ね合わせる。
そんな色を失った日常に、鮮やかな色彩が甦る。
久しぶりに胸が熱くなるような気がした。
ただ音楽を聴いているだけなのに、自然と涙が出てきたのはずいぶん久しぶりのことだった。
音楽は素晴らしい。
音楽は、時間すら跳躍することができる。
だが、昔を懐かしむ楽曲は数あれど、あの頃の気持ちまで呼び起こすほどの楽曲となれば稀である。
本作は少し前の自分が持っていて、今は無くしかけていた繊細な気持ちを呼び起こしてくれた、数少ない楽曲なのだ。
アニメ『YAWARA!』4代目エンディングテーマ
- 「いつもそこに君がいた」
作詞・作曲:LOU
編曲:松浦晃久・LAZY LOU's BOOGIE
LAZY LOU's BOOGIEによる第103話 - 第124話のエンディングテーマ。
主題歌がすべて名曲という、驚異の名作アニメ『YAWARA!』。
- 「ミラクル・ガール / 永井真理子」(第1話~第43話OP)
- 「雨にキッスの花束を / 今井美樹」(第44話~第81話OP)。
- 「負けるな女の子 / 原由子」(第82話~第102話OP)
- 「YOU AND I / 永井真理子」(第103話~第124話OP)
- 「スタンド・バイ・ミー / 姫乃樹リカ」(第1話~第43話ED)
- 「笑顔を探して / 辛島美登里」(第44話~第81話ED)
- 「少女時代 / 原由子」(第82話~第102話)
アニメ制作側は『YAWARA!』という作品の特性をよく理解していたようで、主題歌を担当したのはすべて女性アーティスト。
男尊女卑思想がいまだ残るあの時代で、このような試みは非常に画期的だったと思われる。
そんな名曲ひしめくアニメ『YAWARA!』主題歌で、ひときわ物語を象徴していたのが本作である。
いや、正直に話せばそうであることに、物語が完結してようやく気づいた。
『YAWARA!』という作品を彩る猪熊柔と松田耕作の恋物語。
その恋物語を象徴しているのが「いつもそこに君がいた」というフレーズなのである。
おそらく本作は、アニメ『YAWARA!』のために書き下ろされた楽曲ではない。
にもかかわらず、これほど物語とリンクするとは…。
これほどの名曲が広く世に知られていないのは、非常にもったいないことだ。
『YAWARA!』共々、本作こそ是非再評価してほしい作品である。
原作コミックはもちろん、アニメ『YAWARA!』も大大大好きな作品。
なんといっても声優陣がとにかく豪華。
永井一郎氏や神谷明氏のようなレジェンドが、現役バリバリで声を当ててくれている。
そしてなんといっても猪熊柔役を務める皆口裕子さんの声がとにかく最高。
皆口裕子さんの声なくして、アニメ『YAWARA!』の成功はなかった。
それは時を経た今でも、少しも変わりはしない。
今観ても柔ちゃんが可愛いすぎる。
そんな柔ちゃんのこんな動画を観せられたら、泣いてしまうに決まっている。
YAWARA! 完全版 デジタル Ver.(1) (ビッグコミックス)
8cmCDが6,200円!?
気に入った音楽は、その音源を手元に置いておきたいオールドタイプの著者。
思い立ったら吉日とばかりに、試しにネットで検索してみた。
現行品ではないから、新品ではなくもちろん中古。
いくらなんでも定価を超えることはないだろうとたかを括っていたが、考えが甘かった。
8cmCDがなんと6,200円。
各種音楽プラットフォームでも検索してみても残念ながら本作は見つからず、どうやらサブスク解禁はされていない模様。
このプレミア価格はそのせいか。
それとも、そもそものタマ数が少ないのか。
はたまた音楽マニア界隈では、本作の評価が異常に高いのか。
いずれにせよ、いくらレア音源とはいえ8cmCDが6,200円とは、非常に手を出しにくい悩ましい価格設定。
うそうそ、普通に高すぎるだろ!?
仕方ない、久しぶりに中古CDショップ巡りでも始めるとしようか。
レイジー・ルーズ・ブギー CD/いつもそこに君がいた/LAZY LOU’S BOOGIE/KITTY KC-0043
☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎