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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【自主制作アニメーション『神々来々』】たぶん多くの人が好きにはなれないし既視感もなくはないけれど、この才能を凄いと感じた。

 

自主制作アニメーション

神々来々

※本稿はネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

たぶん多くの人が好きにはなれないし既視感もなくはないけれど、この才能を凄いと感じた

 

 

 

 

 

 

 

自主制作アニメーション『神々来々』とは

 

 

『神々来々』とは『スイソウ』の武田椿監督によるアニメーション作品。

第16回下北沢映画祭コンペティション入選作品。

独特なタッチの作風でシュールな物語を紡ぐ。

 

監督・声:武田椿

音楽:寺内天心

音響:元木一成

 

 

神々来々

神々来々

 

 

 

あらすじ

 

 

白線の上だけを歩いてきた男は前に進めなくなった。

スマホに目を向けると「神々来々」というタイトルの動画が表示される。

物語が始まり、彼は振り返り再び歩き出す。

 

 

 

 

 

テレビ版エヴァンゲリオンの頃の庵野秀明、再来の予感

 

 

なんだろう、このテレビ版エヴァ最終盤を観た後のような複雑な気持ちは。

テーマも作風もまったく違う。

だが類似点がないわけではない。

アニメと実写を巧みに組み合わせた独特の映像。

まるでATフィールドを思わせる心理的描写。

そしてどちらも主人公が酷く内向的であること。

まるで庵野秀明監督作品を観た時のような感覚。

下北沢映画祭コンペティション入選作品…。

なるほど、たしかにサブカルの粋を集めたような作風である。

この国では、人と同じであることを求められる。

普通に生きたければ、人と違うことを隠さなければいけない。

個性の尊重なんて綺麗事でしかない。

描きたいこと、主張したいことは痛いほどわかるが、とにかくテーマが暗すぎる。

娯楽アニメとは対極にあるような作品だから、おそらく多くの人には響かないし、好きにはならない作品なのだろう。

その主張だって、それをそのまま吐き出したような本作は、子供の駄々のようにもみえる。

しかし、その駄々を自分の主張として、正確に映像として表現・具現化できるというのは、並大抵の才能のなせる業ではない気がする。

まだまだ荒削りな部分があることは否めないが、本作には才能の輝きを感じる。

こういう新しい才能こそ、大切にしていかなければならないと強く思う。

日本では、文化庁をはじめとする政府機関が、文化・芸術活動を支援するための多様な補助金制度を提供しているが、文化・芸術分野では、資金の配分が不均衡であることが大きな課題である。

特に、知名度の高いアーティストや大規模プロジェクトに資金が集中しがちであり、小規模な地域文化活動や新進アーティストには十分な支援が行き届いていない。

特定のジャンルや都市部に補助金が偏り、地方や伝統芸能現代アートなどのニッチな分野への支援が不足しているのが現実だ。

国にもし、本気で日本の文化を世界に発信する気があるのなら、こういう新しい才能の芽は絶対に絶やしてはならない。

資源の乏しい日本にとって、新しい才能こそが未来の宝なのだから。

武田椿監督の今後の活躍にぜひ期待したい。

キレキレだったあの頃の庵野秀明監督のような、いつかこんな作品を作ってくれそうで楽しみだ。

 

 


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※.『スイソウ』

 

 

監督:武田 椿 (東京藝術大学大学院)

アニメ/2021/3分11秒

 

感染症拡大につき、部屋に閉じ込められた主人公は、揺蕩うシーラカンスの夢をみる。

 

 

スイソウ

スイソウ

 

 


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