ずっとオリジナルだと思っていた名曲
Change the World / Eric Clapton (1996年)
ベイビーフェイスがプロデュースしてエリック・クラプトンが歌った大ヒットラブソング
「Change the World / Eric Clapton (1996年)」とは
「Change the World」(チェンジ・ザ・ワールド) は、1996年のジョン・トラヴォルタ主演映画『フェノミナン』のサウンドトラックに収録されたエリック・クラプトンの大ヒットチューン。
R&Bプロデューサーで、当時グラミー賞の常連であったベイビーフェイス(Babyface)が、大御所ロック・ミュージシャンをプロデュースしたことで話題となり、楽曲の美しさもあって、シングルは大ヒットした。
本作はグラミー賞の最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞・最優秀ポップ男性ボーカル賞を受賞し、RIAAが選んだ世紀の歌では270位にランクされている。
オリジナルはワイノナ・ジャッド
アメリカのミュージシャンであるトミー・シムズ、ゴードン・ケネディ、ウェイン・カークパトリックによって制作された「Change the World)」(チェンジ・ザ・ワールド)を最初にリリースしたのは、アメリカの女性カントリーシンガーであるワイノナ・ジャッド。
ワイノナ・ジャッドは1983年、母のナオミ・ジャッドとの親子デュオ「ジャッズ(The Judds)」を組んでデビュー。
1991年ジャッズ解散後、ワイノナはカントリー歌手としてソロで、20枚以上のシングルに加えて、多くのアルバムをリリースした。
彼女の最初の3枚のシングルは「She Is His Only Need」「I Saw the Light」「No One Else on Earth」であった。
「Only Love」(1993年)や「You Be Loved You」(1996年)と同様に、3枚ともアメリカのシングルチャートで連続して1位に。
彼女のアルバムのうち3枚は、RIAAによってプラチナ以上の認定を受けている。
「Change the World)」(チェンジ・ザ・ワールド)は、そんな彼女が1996年2月にリリースしたアルバム『Revelations』に収録されている。
アルバムは全米アルバムチャートで最高9位を記録するなどヒットしたが、残念ながらこの曲はシングルカットされなかった。
これってカバー曲だったの?
ロック・ミュージック史上にその名を深く刻むCreamの創設メンバーのひとりにして、今なお高い人気を誇るエリック・クラプトン。
クラプトンが歌った「Change the World)」(チェンジ・ザ・ワールド)は日本での人気も高く、この曲はクラプトンの代表曲のひとつとして認知されている。
おまけにR&B界の敏腕シンガー・ソングライター/プロデューサーとして、1980年代後期から頭角を現したベイビーフェイスとのデュエット・ナンバーであるこの曲。
売れないわけがない。
当然クラプトンの作詞作曲、もしくはベイビーフェイスとの共作&共演曲と思われがちだ。
しかしクラプトンにしてはやけに優しく柔らかなメロディだと思っていた。
まさか本作がカバー曲で、まさかオリジナルを歌ったのが女性カントリーシンガーだったとは。
歌詞にある "Star" "Sun(light)" "King" "Queen" "Fool" "Love(rs)" そして "World"…。
この曲に出てくるキーワードは、タロットカードの中のラッキーアイコンたち。
歌詞がやたらロマンチックすぎて、クラプトンっぽくない。
だが、ラブソングにこういうキーワードを持ち込める感性は嫌いじゃない。
なるほど、本作が売れた要因のひとつは、ロマンチックな楽曲とクラプトンとのギャップ萌えだったのかもしれない。
カバー曲だというのにオリジナルと同年リリースというのは、なんだか大人の事情が隠されていそうでモヤっとする。
だが、こうしていろいろわかってくるとオリジナルにも興味が向く。
こんな素晴らしい楽曲を最初に世に出したアーティストのことを、もっとよく知りたくなる。
素敵なアーティストとの出会いは、何にも変えがたい歓びのひとつだ。
これを機にオリジナルを歌ったワイノナの楽曲を聴き漁ってみようと思う。
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