落語バラエティドラマ
超入門!落語 THE MOVIE
初心者でも楽しめる新たな落語エンターテイメント
『超入門!落語 THE MOVIE』とは
『超入門!落語 THE MOVIE』は、NHK総合テレビジョンで2016年10月19日より放送されていたバラエティ番組である。
落語家が一人で登場人物の全てを演じるため聴衆の側に聞くためのスキルを要する落語を、落語家の噺に役者の演じる映像を合わせることでドラマに仕立てあげ、入門編として初心者にわかりやすく伝えることを狙った番組。
2016年の3月と7月に二度特番として放送され、好評を博したため10月から週一回のレギュラー番組として放送が始まった。
その後、NHK教育テレビジョンで2017年4月3日よりEバージョンとして再編集され、これに作品の解説ミニコーナー「江戸に聞く」を追加した形で放送している。
2017年10月5日より総合テレビにてシリーズ再開、木曜22:25 - 22:50枠で放送された。
「初天神」「饅頭怖い」の回が第33回ATP賞テレビグランプリ(情報・バラエティ部門)奨励賞を受賞。
また、第69回国際エミー賞にノミネートされた(演目:お菊の皿・庖丁)。
2021年5月15日にNHKBSプレミアムで放送された「たけしのこれがホントのニッポン芸能史『特撮』」では、この番組のスタッフと特撮スタッフによる新作落語の実写化「抜けガヴァドン」(作・口演:柳家喬太郎)が放送されている。
画期的すぎる発想!
映像で観る落語という斬新さ
まず勘違いしないでいただきたいのは、『超入門!落語 THE MOVIE』は落語の噺をドラマに仕立てたのではないということだ。
あくまでも落語の噺に演技を当てて、ドラマ風に仕立てた作品なのである。
映画やテレビドラマなどで撮影後に俳優の台詞(声)だけを別途録音(音入れ)することをアフレコ(アフター・レコーディング)というが、それとはまったく逆の手法で制作されている。
アフフォト(アフター・フォトグラファー)とでも例えれば良いのだろうか?
だから、ドラマに登場人物が何人いようと喋るのは噺家ひとり。
役者たちは、噺家のセリフに合わせて演技する。
だからもちろん落語の概念からは外れていない。
観る落語とはそういう意味なのだ。
これがなんとまぁ画期的だったことか。
そもそも落語とは、噺を聴いて想像で楽しむものである。
ただ、噺だけで楽しむ娯楽だから、語彙力と理解力と想像力が必要になってくる。
おまけに落語は古典芸能だから、古い言葉や言い回しが多いし、当時の風習を知らないければ意味がわからないことも多い。
まぁそれは歌舞伎とか能ほどではないけれど。
とにかく落語とは、直接視覚にうったえる短絡的な娯楽ではなく、想像力を巡らせ脳内で映像化し、その上で言葉遊びを楽しむという複雑な娯楽なのである。
ただし複雑と感じるのは慣れの問題であり、慣れてしまえばどうということはない。
落語の楽しみ方に慣れるためにはより多くの噺を聴くしかないのだが、そのため敷居が高く感じられてしまうことも多い。
その問題を明快に解決してくれたのが『超入門!落語 THE MOVIE』だった。
噺自体は実際に噺家が喋るから落語の趣旨からは外れていないし、難しい脳内映像化は役者がこなしてくれる。
何と画期的で素晴らしいアイデアだったことか。
落語初心者のみならず、落語好きも納得の作品だったといえる。
斬新な発想で落語を観せてくれた『超入門!落語 THE MOVIE』は、日本人のみならず、海外にもおおいにウケた。
落語好きとしては、第69回国際エミー賞にノミネートされたことを非常に喜ばしく思えた。
日本が海外に誇る文化は、アニメやマンガだけではない。
想像力を鍛える落語は、世界に誇れる日本の偉大な文化だといえるだろう。
散発的に再放送してくれているみたいだから、もし興味があるなら公式Twitterをチェック!
目黒のさんま (噺 -春風亭一朝)
かぼちゃ屋 (噺 - 春風亭一之輔)
お見立て (噺 - 古今亭菊之丞)
お菊の皿 (噺 - 柳家三三)
風呂敷 (噺 - 古今亭菊志ん)
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