ドラマシリーズ
闇金ウシジマくん(2010年〜2016年)
地上波随一のエグさ!?アンダーグラウンドな世界を描いた金融ドラマ
『闇金ウシジマくん』とは
2004年から2019年まで「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で不定期連載された。
2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。
また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。
10日5割(トゴ)の超暴利闇金融「カウカウファイナンス」の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。
物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。
そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。
なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録。
第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。《突き詰めて描けば描くほど読者が離れる》」と述べている。
その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した。
ドラマ『闇金ウシジマくん』とは
ドラマ『闇金ウシジマくん』は、真鍋昌平先生による同名漫画を原作とし、毎日放送が制作しているテレビドラマ。
2010年10月14日から12月9日までSeason1が放送された他、2014年1月17日から3月14日までSeason2が放送された。
また2016年7月18日から9月19日までSeason3が放送。
2012年に本ドラマをベースにした映画『闇金ウシジマくん』が。
2014年には本ドラマSeason2をベースにした映画『闇金ウシジマくん Part2』がSeason2放送終了後にそれぞれ公開された。
2016年には本ドラマのSeason3と直結した『闇金ウシジマくん Part3』と映画シリーズ最終作となる『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』が連続公開。
ドラマ本編では闇金・風俗業界の隠語などの解説のほか、「闇金は犯罪です。」「闇金の不当な利息は、返す必要がありません。」などの注意喚起のテロップが随時表示される。
原作の様にそれぞれが独立した話ではなく、複数の話が同時に進行するオムニバス的描写が特徴。
放送について地域によっては、Season1・Season2・Season3で放送局が異なる地域がある。
そのため、TBS系列局がある地域でも同一地域のテレビ朝日系列局やテレビ東京系列局で放送される地域がある。
なお、2022年9月21日からは本作品のスピンオフとなる『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』が放送された。
Season1
2010年10月より、毎日放送(MBS)・TBSで放送された。
全9話。
山田孝之氏は2006年4月期の『タイヨウのうた』以来4年ぶりの連続ドラマ主演となる。
キャッチコピーは「で、いくら欲しいの? ウチは10日5割(トゴ)だけど。」。
片瀬那奈さんを除く女性のレギュラーキャストは、主にセクシー女優で構成されている。
また一部の人物は、他の話の登場人物の性格などを統合したキャラになっている。
おかげで原作ではなかった登場人物の交流などもあった。
2010年12月15日に全話未放送シーンを追加したディレクターズカット版収録のDVD-BOXが発売。
2012年6月から、一部地域を除いた劇場公開エリアにて再放送されることが決定すると同時に、本放送の放送局も増加することになった。
なお再放送に関しては、本放送と再放送で放送局が異なる地域がある。
Season2
2014年1月17日から3月14日までドラマ版第2期『闇金ウシジマくん Season2』が放送された。
今シリーズより新たに戌亥役で綾野剛氏が出演し、原作の「ゲイくん」編、「フリーターくん」編、「楽園くん」編、「元ホストくん」編をドラマ化した。
2014年3月14日より、原作の「スーパータクシーくん」編をドラマ化したオリジナルドラマ『dビデオ powered by BeeTVスペシャル「闇金ウシジマくん」』がNTTドコモが運営する動画配信サービス・dビデオで初公開された。
メインキャスト・スタッフは概ねテレビドラマSeason2に準ずる。
Season3
2016年7月17日から9月19日まで放送。
原作の単行本26巻から28巻にかけて描かれた「洗脳くん」編、「テレクラくん」編、「生活保護くん」編が描かれる。
あらすじ
丑嶋馨が経営する闇金融「カウカウファイナンス」は、10日5割(トゴ)の超暴利(ただし返済の実績を積むことにより、利息が下がる場合もある)。
彼の元に訪れる客は、丑嶋から借金をしたことをきっかけに運命が動き出す。
この物語は、そんな「カウカウファイナンス」に訪れる客と、その関係者の様々な人間模様、そして社会の闇を描いたものである。
地上波史上最もエグくシビアな金融ドラマ
アンダーグラウンドな世界を舞台にした作品は数あれど、本作ほどエグくシビアな作品となると他に記憶はない。
描かれるのはお金に執着し、お金に振り回され、お金で転落していく人々の姿。
一歩間違えるとトラウマ級である。
いくら放送が深夜(当初)だったとはいえ、正直よく制作に踏み切ったなと感心するばかりである。
それがまさか映画化までされるとは…。
現在のコンプライアンスには抵触しないのだろうか?
やはりダメ?
下手な任侠映画なんかよりよほどエグいし、何より新法以来大人しくなったヤクザの世界よりもよほどリアリティがある。
もしかしたら本作がヒットした理由は、現在の日本経済のリアルを描いているからかもしれない。
山田孝之の脅威の役作り
本作の初見時。
つまりSeason1になるわけだが、主人公の丑嶋馨を演じているのが一瞬誰なのかわからなかった記憶がある。
原作とまったく変わらないその風貌は、リアル丑嶋馨だった。
それが山田孝之氏だとわかった時は、それはそれは驚いたものだ。
それまでの山田孝之氏といえば、ドラマ版『世界の中心で愛を叫ぶ』で主演を務めるような、いわゆるイケメン枠にカテゴライズされていたはずである。
そのイメージは本作で一変する。
そして本作以降、山田孝之氏は特殊でクセが強い難しい役柄を率先して演じていくようになる。
観るならやっぱりSeason1
シーズンを重ねるごとにエグさが増す本作。
観るならおすすめはやはりSeason1だ。
この頃のエグさはまだ観るに耐えられるものであった。
それはSeason1に出演していた片瀬那奈さんの存在も大きかったと思われる。
中途採用の片瀬那奈さんは本作における唯一の良心ともいえたからだ。
また取り扱う案件もギリギリではあるが、何とか楽しく観れる程度のソフトなものが多かった。
暴力シーンが少なめだったことも要因のひとつだろう。
登場した債務者の末路までは詳しく描かなかったことも大きい。
30分ドラマというお手軽さも幸いした。
観るならやはりSeason1だ。
Season2以降は債務者の悲惨な末路までしっかりと描かれている場合があるから、暗い気分になりたくない人にはあまりおすすめできない。
アンダーグラウンドな世界から社会の仕組みを学ぶ
本作はたしかにドラマ史上随一のエグさを誇る作品ではあるが、一度は観た方がいいかもしれないと思ったりもする。
それはアンダーグラウンドな世界からみた、社会の仕組みを理解できるからだ。
言葉では「10日5割(トゴ)」を知っていても、現実的に10日5割(トゴ)の借金となると利息はどうなるのか?
実際に経験した人でもない限り、いちいち計算なんかしないだろう。
ギャンブルの借金なら「1日3割(ヒサン)」というリアルも、きっと一生知ることはない。
たしかに本作から学べるものは、知る必要もない知識ではあるかもしれない。
しかしこういう世界もあるということだけは、知っていても損にはならないはずである。
観ていて暗い気分になる作品ではあるから無理しておすすめはしないが、アンダーグラウンドな世界から世の中を眺めてみると、その仕組みがよくわかる場合もある。
興味がある人はSeason1だけでも一度観てみるといいだろう。
人間というのは堕ちれば底はなく、世の中美談ばかりではないことがよくわかる作品である。
スピンオフドラマ
『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』
『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』がMBS/TBS系列『ドラマイズム』で2022年9月21日から放送された。
主人公は本編でも登場したクールビューティー犀原茜(さいはらあかね)。
人の頭に向かって金属バットをフルスイングできる、丑嶋馨と並ぶ鋼鉄の精神の持ち主である。
何で今さらになって『闇金ウシジマくん』のスピンオフが放送されたのかはよくわからないが、久しぶりにどっぷりとアンダーグラウンドの浸れる作品だ。
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