スタジオジブリ作品
魔女の宅急便
『魔女の宅急便』とは
『魔女の宅急便』とは角野栄子さんによる児童書(児童文学)である。
宮崎駿監督によって1989年にアニメ映画化版が制作された。
また2014年、清水崇監督により実写映画化された(主演・小芝風花さん)。
シリーズ1作目『魔女の宅急便』は、主人公のキキが親元を離れ、知らない町で魔女として一人立ちする姿を描く。
オリジナルは1982年から1983年にかけて『母の友』に連載された。
その後シリーズ化されており、福音館書店から刊行されている。
表紙画・挿画は第1巻が林明子さん、第2巻が広野多可子さん、第3 - 6巻は佐竹美保さんがそれぞれ手がけた。
英語、イタリア語、中国語、スウェーデン語版も出版。
2009年10月、最終巻『魔女の宅急便その6 それぞれの旅立ち』が刊行され、24年に亘って描かれた同シリーズは完結した。
その後『魔女の宅急便特別編』として2冊が刊行されている。
実写版『魔女の宅急便』
2014年3月1日公開の実写版映画。
アニメ版のリメイクではなく、原作の第1巻・第2巻を基とした実写化であり、全編を通して原作者の角野栄子さんがナレーションを担当、カメオ出演もしている。
正式な制作発表に先立ち、2013年4月11日、スタジオジブリのアニメ作品を元とした実写リメイク映画が企画されていると一部で報道されたが、スタジオジブリ側はこれを否定し、実写作品の製作には関わっていないことを表明している。
その後、同年4月24日にアニメではなく大元の小説を原作とする実写映画版が『呪怨』などを手がけた清水崇氏の監督で制作されることと、主演が制作当時16歳の小芝風花さんであることが発表された。
小芝さんにとっては初主演作品となる。
小芝風花さんも好きな俳優さんのひとり。
スタジオジブリ作品『魔女の宅急便』
『魔女の宅急便』(英題:Kiki's Delivery Service)は、スタジオジブリ制作のアニメーション映画作品。
スタジオジブリにおける宮崎駿監督の長編映画としては初の、他者の原作による作品である。
略称は「魔女宅」(まじょたく)。
児童書版第1巻の前半部分を原作として制作。
童話ならではのファンタジー性が濃い作風である原作から一転し、主人公キキの持つ魔女由来の飛行能力をあくまで「人が持つ才能・特技の一種」として位置づけ、少女が特技を活かして独り立ちをしていくという現実的な視点に立った作風に描いており、映画オリジナルの要素が多い。
アニメ版では、原作に見られた童話ならではのファンタジー性は抑えられ、作中における魔法はあくまで「個人の持つ才能」という位置づけで描かれている。
「田舎から都会へ上京してきた少女が才能を活かして独り立ちしていく」という点を強調して前面に押し出しており、その中で思春期を迎えた少女の感情の機微を描写していくという現実味ある作風となっている。
脚本家で本作品の演出補佐をつとめた片渕須直氏は、映画のターゲット層を児童ではなく、経済的に自立した20代の女性としている。
また、魔女そのものの位置づけについても変化しており、原作では魔女が人間と異なる異質な存在として位置づけられ、現実における魔女同様のネガティヴなイメージやそこに起因する社会からの偏見などの重い側面も取り上げられている。
一方で、アニメ版では魔女の存在が特に異端視されることなく人間社会に同居している点が大きく異なる。
原作者の角野さんは映画化に際し、当初は唯一の注文として「キキが旅立つ時にキキの故郷の木に付けられていた鈴を鳴らすこと」のみを求めていた。
※写真はすべてSTUDIO GHIBLIよりお借りしております。
その後制作が進むに連れ内容が大きく変わることに否定的になったが、宮崎氏と角野さんが数回対談し解決した。
スタジオジブリとして4作目にあたる映画であり、観客動員数は『天空の城ラピュタ』の77万人、『となりのトトロ』『火垂るの墓』の80万人から、本作品は264万人となり、スタジオジブリの知名度と人気を一挙に押し上げた作品である。
あらすじ
魔女の母と人間の父との間に生まれた少女キキ。
13歳の満月の夜に旅立ち、魔女のいない町で1年間修行するというしきたりに従い、旅に出ることにする。
相棒の黒猫ジジと一緒にほうきで滑空し、やがて活気にあふれた港町コリコに到着。
そして、キキはおいしいパンのお店グーチョキパン屋に間借りさせてもらい、さっそく空飛ぶお届け屋を始めるのだった。
個人的ジブリNo.1作品
『魔女の宅急便』で泣ける私
数あるスタジオジブリ作品の中でも、個人的ランキングで『紅の豚』とNo.1を常に争う傑作である。
その時の気分にもよるが僅差で『魔女の宅急便』(以下、『魔女宅』)がNo.1かな?
『魔女宅』の何が好きかと聞かれたら、主人公・キキを取り巻く人たちのあまりの人柄の良さと答えるだろう。
ほんの13歳で魔女のいない町で1年間修行するというしきたりに従い旅に出る主人公・キキ。
13歳の自分と照らし合わせてみる。
ひとりで旅行すらままならないガキの姿が思い浮かぶ。
弱冠13歳で自立するのは容易なことではない。
っていうか無理。
右も左もわからないキキが多くの人の善意に支えられて成長していく姿をみて、泣かない方がどうかしている。
パン屋のおかみさんであるおソノさんを筆頭に、キキを取り巻く人たちは善意で満ち溢れている。
※写真はすべてSTUDIO GHIBLIよりお借りしております。
いいや、善意などという安直な表現では語弊があるような気がする。
これはもはや無償の愛ではないだろうか。
皆が皆、ただただキキのことを想って手を差し伸べてくれる。
キキの人柄の良さもあるのだろうが、人間も捨てたものじゃないかもなんて思えて泣けてくる。
もちろん嫌な奴もいるのだが。
だけどね、一番泣くのは物語の一番最後のワンシーン。
様々な苦難を乗り越えて、なんとか自立する目処が立ったキキが実家宛に書いた手紙の内容と、それを読んでいる両親の姿。
想像しただけで泣けてくる。
手紙が届き母親のもとへ走り出す優しそうな父。
一見厳格そうではあるが、なんだかんだいって娘を心配していた母。
母がこの町に来た頃のことを、懐かしそうに話す老婦人。
人は決してひとりではない。
誰もが祝福されてこの世に生まれてきたのだと、ほんの少しだけ信じられる最後のワンシーンには、いつも号泣する。
だが不思議なことに、周りの人にいくら聞いてまわっても「『魔女宅』ではさすがに泣かない」という答えばかり。
何故だ?…
『魔女の宅急便』で泣ける同志がいたら、是非教えてほしい。
『魔女宅』で泣くことが、決しておかしなことではないという証明を、皆でしようではないか。
※写真はすべてSTUDIO GHIBLIよりお借りしております。
【考察】『魔女の宅急便』大ヒットの最大の要因は子供向けアニメの主題歌を松任谷由実に委ねたこと
『魔女の宅急便』が大ヒットした、最大の要因はその主題歌にあるのではないだろうかと著者は常々考える。
アーティストの選定から選曲まで、何から何まで大当たりだ。
まず、子供向けアニメの主題歌を松任谷由実(荒井由実)さんに委ねたことで、映画館に子供を連れてきた大人のノスタルジーまでをも刺激した。
親子共々取り込んだ形だ。
こうやって聞くとビジネス戦略丸出しのように感じるかもしれないが、選ばれた松任谷由実さんの楽曲は物語の雰囲気を何ひとつ壊していない。
まさにミラクルフィットした。
むしろ『魔女の宅急便』のために書き下ろしたかのように、しっかり馴染んでいた。
「小さい頃は神様がいて♬」ではじまる『やさしさに包まれたなら』は、歌い出しを聴いただけで『魔女宅』にピッタリだと思った。
少し大人の雰囲気が漂う『ルージュの伝言』だって、不思議とまったく違和感がなかった。
映画の評価というのはシナリオの良さは当然として、使用される楽曲の良し悪しでその評価は大きく変わる。
シナリオも考慮せずに大人の事情だけで選曲されたような楽曲では、物語の邪魔をすることはあっても付加価値などは望むべくもない。
映画音楽というのは、それほど評価を左右するほどの重要な要素なのだと思う。
宮崎駿監督が主題歌を松任谷由実さんの楽曲に託した時点で、『魔女の宅急便』の興行的な成功はすでに確定していたのではないだろうか。
『ルージュの伝言』
『やさしさに包まれたなら』
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