シャアとアムロの意志を受け継ぐ
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』とは
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(英題:Mobile Suit Gundam Hathaway)は、アニメ作品群ガンダムシリーズのひとつで、富野由悠季監督の小説作品。
1989年から1990年に角川スニーカー文庫より刊行された。
2021年4月時点で累計発行部数は130万部を記録している。また、小説発刊から約30年後にアニメーション映画化された。
『機動戦士ガンダム』などと同じく「宇宙世紀」を舞台とする作品であり、ブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアを主人公とする物語が展開される。
富野由悠季監督が1989-1990年に上梓した小説で、大国同士の戦争ではなく、テロとの戦いを描いている。
前年の1988年に公開された劇場アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のストーリーに連なる続編的立ち位置の作品であるが、劇場版『逆襲のシャア』とは設定や結末がやや異なる(パラレルワールドともいわれる)小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』(角川スニーカー文庫刊)の後日譚として執筆されている。
劇場版『逆襲のシャア』とほぼ同内容の(さらに前日譚も著した)小説『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』(徳間書店刊)については、2002年時点で富野監督が「『閃光のハサウェイ』に対して繋がりがない物語として執筆した」と発言している。
一方、2021年に公開された本作の劇場アニメ作品は、劇場版『逆襲のシャア』の設定も汲んで制作されている点で小説とは若干設定が異なる。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫)
劇場版アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(第1部)
2018年11月21日、『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』発表会において、ガンダムシリーズ40周年記念作品および『機動戦士ガンダムUC』以降の宇宙世紀作品を各種メディアで展開する「UC NexT 0100」の第2弾として、三部作で制作されることが発表される。
第1作は当初は2020年7月23日に公開予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で複数回延期され、2021年6月11日に公開された。
またドルビーシネマ版、およびドルビーアトモス版も制作され劇場で上映された。
邦画アニメ作品においてのドルビーシネマ版は『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』など先行した事例があるが、ドルビーシネマ版公開に当たり既存のバージョンより編集を加える方法でなく、制作段階からドルビービジョンを採用した邦画アニメ作品は当作が初めてである。
キャッチコピーは「その閃光は人類の希望」、「シャアの理想とアムロの情熱 2人の意志を継ぐ者」、「運命の閃き— Ξガンダム」。
原作が『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の続編に当たるのに対し、こちらはアニメ映画『逆襲のシャア』の続編として製作される。
原作者である富野監督は劇場版の制作に関わっていないが、プロデューサーの小形尚弘氏によれば、制作当初に三角関係をテーマとする韓国映画のメディアを渡されたという。
また、完成したものを観たあとに、映画としてもっと構成を考えてはどうかと言われたとのこと。
あらすじ(劇場版アニメ)
宇宙世紀0093年。
後に「第二次ネオ・ジオン抗争」と呼ばれる戦火のなかで、ブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアは、初恋の少女クェス・パラヤの死や戦場で死んでいく人々の魂の声、そして伝説のニュータイプ戦士アムロ・レイと人類粛清を掲げたシャア・アズナブルの生き様を目の当たりにした。
それから時は流れ、青年へと成長したハサウェイは、地球連邦政府の高官ら特権階級の人々が地球の汚染を加速させており、「人狩り」とも呼ばれる強引な手段で民衆を宇宙に送り出す政策によって地球を私物化していることを知る。
これまでの戦争で死んだ全ての人々の行為を無下にしないため、ハサウェイは反地球連邦組織「マフティー・ナビーユ・エリン」への参加を決意。
やがてハサウェイは組織の表向きのリーダー「マフティー・ナビーユ・エリン」として、アムロからは「ガンダム」を、シャアからは「地球の保全」という遺志をそれぞれ受け継いだ戦士となる。
マフティーによる、腐敗した特権階級の粛清がスペースノイドたちから歓迎されるようになった宇宙世紀0105年4月19日。
マフティーの討伐を命じられたケネス・スレッグ大佐は、特権階級専用往還シャトル「ハウンゼン」で地球に降下する途中、植物監察官候補として降下しようとしていたハサウェイと、このシャトルには似つかわしくない少女ギギ・アンダルシアと出会うが、大気圏へ突入し始めたとき、突如マフティーを名乗る集団にハイジャックされる。
機内にはアデレードで行われる連邦議会に出席するため、連邦政府高官らが多数搭乗していた。
ガンダムシリーズ屈指の鬱エンディング
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』はガンダムシリーズでも屈指の鬱エンディングで知られる。
ただそれは原作である小説のものであって、まだはじまったばかりの劇場版アニメのものではない。
個人的な心情をいえば、劇場版の最後は願わくば別の形になっていてほしい。
何故なら本作でも重要な役割を果たす宇宙世紀皆勤賞男、ブライト・ノアが大好きだからである。
ブライト・ノアの悲劇は、できることなら観たくない。
宇宙世紀は次の100年へ
シャアとアムロの意志を継ぐ最後の物語
シャアとアムロが物語に影響を及ぼすのも、おそらくこの『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が最後になるだろう。
それを考えると実に感慨深い作品になるはずだ。
本作の主人公であるハサウェイ・ノアは、古くは『機動戦士Zガンダム』から実は登場している。
『Z』ではまだ子供で出番も少なかったが、『逆襲のシャア』では物語にとって重要な役割を果たしている。
何よりハサウェイ・ノアはあの宇宙世紀皆勤賞男、ブライト・ノアの息子なのである。
果たしてどんなラストを迎えるのか?
原作通りの鬱エンディングで終わらせるのか?
ガンダムファンにとっては興味は尽きない。
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』はきっと、宇宙世紀の歴史に一応の区切りをつける作品となるだろう。
だがもし。
もしも原作とは違うエンディングを迎えるのであれば、シャアとアムロの物語は、もう少し続くのかもしれない。
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場する主なモビルスーツ
RXシリーズの集大成
RX-105 Ξガンダム(クスィーガンダム)
HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム(クスィーガンダム) 1/144スケール 色分け済みプラモデル 2530614
反地球連邦政府組織 "マフティー・ナビーユ・エリン" がアナハイム・エレクトロニクス社に極秘裏に発注した最新鋭のガンダム・タイプMS。
パイロットはマフティー・ナビーユ・エリン(ハサウェイ・ノア)。
小説には無かった設定だが、機動戦士ガンダムMS大図鑑では、第五世代モビルスーツとして分類された。
機体名である「Ξ(クスィー)」は、一部のアナハイム・ガンダムに冠されたギリシャ文字の系譜であり、「ν(ニュー)」つまりνガンダムの次の文字にあたる。
小説『閃光のハサウェイ』上巻の解説によれば、かつてのニュータイプ戦士アムロ・レイが最後に搭乗したとされるνガンダムの意思を継ぐという意味で与えられたという。
型式番号もνガンダムに擬えてロールアウトしたU.C.0105年からRX-105が与えられている。なお、宇宙世紀において「RX」は地球連邦軍のMSの制式型番である。
ペーネロペー
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