YELLOW YELLOW HAPPY / ポケットビスケッツ(1997年)
ただの色物ではなかったポケットビスケッツ
はじめて聴いた時より今の方がずっと魅力的な名曲
ふと懐かしい音楽を耳にすることがある。
TVやラジオで流れてくる懐かしい曲の数々。
時に「あれ?こんな良い曲だったかな?」なんて感じる曲も中にはあったりするから音楽は面白い。
本稿ではそんな「はじめて聴いた時より今の方がずっと魅力的な名曲」ばかりを取り上げていこうと思う。
『YELLOW YELLOW HAPPY』とは
『YELLOW YELLOW HAPPY』は、1996年9月4日に発売されたポケットビスケッツ2枚目のシングルである。
週間オリコンチャートでは1度もトップ3に入ることはなかったが、ロングヒットを続けミリオンセラーを達成し、ポケットビスケッツの最大のヒット曲となった。
ジャケットは神奈川県横浜市のみなとみらいで撮影。
作曲はプロデュースもしている爆風スランプのパッパラー河合氏で、『決定版!爆風スランプ大全集2 〜The Very Best Of パッパラー河合〜』でセルフカバーしている。
YELLOW YELLOW HAPPY (Album Version)
ただの色物ではなかった名曲
ポケットビスケッツ(通称:ポケビ)は日本テレビ系の当時の看板バラエティ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』から誕生した音楽ユニットだ。
ウッチャンナンチャンの内村光良(TERU)、タレントの千秋(CHIAKI)、キャイ〜ンのウド鈴木(UDO)の3人組から成る。
この経歴だけを見ればポケビが企画モノなのは明らかだ。
だからなのかポケビの音楽とは、人気番組に便乗した、流行り廃れられるものだとばかり思っていた。
発表当時も本作をフルで聴いたことは少ない。
それがどうだ?
今聴くと、とんでもない名曲だったのではないかと驚くばかりである。
歌詞が意外にも深いのだが、特にこのフレーズには一層の深さを感じる。
みんな欲しがるお金で 黄色い小犬を買った
みんな欲しがる幸せ 強く強く抱きしめたい
「黄色い小犬」とは何を意味しているのか?
わかるのは『YELLOW YELLOW HAPPY』の黄色とは、表向きには幸せの象徴を意味しているだろうこと。
しかし本質は別のところにあって、世界は未だに色で分けられてしまう。
日本人も黄色に分類される。
これは差別の対象でもある黄色でも、生まれてきたこと自体が幸せという意味なのだろう。
そのことについてはサビのフレーズでも明らかだ。
もしも 生まれ変わっても また私に生まれたい
この体と この色で 生き抜いてきたんだから
いつか 太陽が 消えてなくなる前に
もっと あなたを好きなこと 伝えなくちゃ
そうは言ってもハッキリと明言していないだけに、考えれば考えるほど深い作品だ。
だからこそ余計に「黄色い犬」の正体が気になるところだが、今はまだ解釈しきれていないのが残念でならない。
歌詞もメロディもキャッチーだから当時は一発屋の色物感が激しかったが、今聴くとなかなか考えさせられるものがある曲だとわかる。
改めて個人的名曲認定をしたいと思う。
皆さんも久しぶりに聴いてみてはどうだろう?
発表当時とは違った感覚で聴けると思うぞ。
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