瑠璃色の地球 / 松田聖子(1986年)
ずっと「変なタイトル」だなと思っていてごめんなさい
はじめて聴いた時より今の方がずっと魅力的な名曲
ふと懐かしい音楽を耳にすることがある。
TVやラジオで流れてくる懐かしい曲の数々。
時に「あれ?こんな良い曲だったかな?」なんて感じる曲も中にはあったりするから音楽は面白い。
本稿ではそんな「はじめて聴いた時より今の方がずっと魅力的な名曲」ばかりを取り上げていこうと思う。
『瑠璃色の地球』とは
『瑠璃色の地球』は1986年に発表された松田聖子さんの楽曲。
1986年6月1日に発売された松田聖子さんの13枚目のアルバム『SUPREME』が初出で、10曲中最後の曲として収録された。
松田さんが妊娠中にレコーディングされた曲であり、その時の子どもが神田沙也加さんである。
同楽曲はその後合唱用に編曲されており、広く歌われている。
同アルバムは、松田さんが出産のために歌手活動を休業していた中で唯一発売されたオリジナルアルバムであり、同年の「第28回日本レコード大賞」にて「アルバム大賞」を受賞している。
前年の「第36回NHK紅白歌合戦」以来の音楽番組出演であり、出産後初のテレビ生出演を果たした。
『瑠璃色の地球』『時間旅行』『ローラー・スケートをはいた猫』の計3曲をメドレーで披露し、歌唱中に感極まる場面もあった。
作詞の松本隆氏は、当時連続オリコン1位記録を更新中であった松田さんの楽曲に数多く携わり、オリコン1位になった24曲のうち17曲の作詞を担当している。
作曲の平井夏美は、音楽プロデューサー・川原伸司氏の別名で、松田聖子作品では1981年のシングル『風立ちぬ』のB面『Romance』の作曲も行っていた。
オリジナルバージョンの編曲は武部聡志氏。
松田さんの楽曲の中で特に人気の高い曲の一つであり、シングルカットはされていないが『白い夜』とのカップリングでプロモーション用EPが存在し、ミュージックビデオも作成されている。
ミュージックビデオのフルサイズは2000年発売のCD-BOX『SEIKO SUITE』に収められているDVDにて初の商品化となった。
ファンのリクエストによって収録曲が決まるベスト・アルバム『Another Side of Seiko 27』においては、シングル曲を除いた作品を対象にしたアンケートで1位となっている。
この『Another Side of Seiko』には『瑠璃色の地球 2003』として原田真二氏編曲によるセルフカヴァー・バージョンも収録された。
1995年と1999年に高等学校の音楽教科書に掲載されている。
2010年4月、STS-131ミッションが行われていた国際宇宙ステーションにおいて、同曲がウェイクアップコールとしてNASAジョンソン宇宙センター内のミッションコントロールセンターより流された。
搭乗していた山崎直子宇宙飛行士に向けて選曲されたものである。
同月16日、日本テレビ系「DON!」でこのニュースが紹介された際、出演者の神田沙也加が「この曲を聴くと安心するような不思議な気持ちになる。ボーカルもちょっと違って聞こえる」とコメントしている。
2020年7月15日より自身によるセルフカヴァーとしては2度目となる『瑠璃色の地球 2020』が各種配信サイトにて配信開始。
ずっと「変なタイトル」だなと思っていてごめんなさい
誤解がないように先にお断りしておくが、「変なタイトル」と思ったのはアイドルの楽曲としてである。
アイドルの曲といったら、何かこう、フレッシュなタイトルの印象があって、そこへきて瑠璃色と言われましても…という意味での「変なタイトル」である。
松本先生ごめんなさい。
そして何度も申し上げてきているが、著者は聖子ちゃん世代ではない。
故に松田聖子さんがアイドル時代、どれほどの人気だったのかは伝聞程度でしか知らない。
以上のようなふたつの条件が重なって『瑠璃色の地球』には、正直興味がわかなかった。
ところが歳を取って改めて聴いてみると、なんと奥深い作品だったのかと驚かされる。
特に松本先生の詞の美しさといったら、これがアイドルへ提供する曲かと疑問に思うほどである。
夜明けの来ない夜は無いさ
あなたがポツリ言う
燈台の立つ岬で
暗い海を見ていた
悩んだ日もある 哀しみに
くじけそうな時も
あなたがそこにいたから
生きて来られた
朝陽が水平線から
光の矢を放ち
二人を包んでゆくの
特に「朝陽が水平線から 光の矢を放ち」というフレーズの秀逸さといったら…
誰の脳裏にも一発で景色が浮かぶ情景描写は、さすが松本隆大先生。
このワンフレーズだけで神秘的かつ壮麗な印象を聴いている者に与えてしまうとは恐れ入る。
やはり松本隆大先生の歌詞は素晴らしい。
本作は何度かセルフカヴァーされているが、もしかしたら松田聖子さん自身も、年を重ねた今の方がしっくりきているのかもしれない。
二度ともう観ることが出来ない神田沙也加さんとの母娘デュオ
もはや何も語ることはあるまい。
松田聖子さんと神田沙也加さんの高音は本当に綺麗。
しかも神田沙也加さんの高音パートが聖子さんに似ていて、それが母娘の絆を感じさせてくれる。
しかし残念ながら、今となっては非常に貴重な映像だ。
涙なしでは観れないから、気をつけて視聴してほしい。
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