アナザーガンダム
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
アナザーガンダムとは
『機動武闘伝Gガンダム』から始まる、作中年号に「宇宙世紀」を用いないガンダム作品の総称 (パラレルワールドとするかどうかは見解が分かれる)。
作品によって歴史はもちろん、モビルスーツの運用思想や技術、地球の環境状態、ガンダムの定義や価値観、存在する人種等、世界観が大きく異なるのが最大の特徴。
同様に、用いられる年号が作品によって違うのも特徴の1つとして挙げられ、『00』のように現実世界と同じ西暦を用いる例もある。
かつては富野由悠季監督が関わっていないのがアナザー、という分け方もあったが、『∀ガンダム』によって消滅。
またタイトルに「機動戦士」と付くのが宇宙世紀、付かないのがアナザーと分けられていたが、『機動戦士ガンダムSEED』以降はこの慣例は無くなっている。
アナザーの中でも分類する場合があり、『G』『W』『X』を「ガンダム平成三部作」と呼称し、『SEED』以降は「ニュージェネレーションガンダム」として区別する動きが、例えば『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズ等で見られる。
作品一覧
平成三部作
作中年号:未来世紀
作中年号:アフターコロニー
作中年号:アフターコロニー
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光(14) (角川コミックス・エース)
作中年号:アフターウォー
ニュージェネレーション
作中年号:コズミック・イラ
作中年号:コズミック・イラ
作中年号:コズミック・イラ
作中年号:西暦
作中年号:西暦
作中年号:アドバンスド・ジェネレーション
作中年号:ポスト・ディザスター
- 機動戦士ガンダム 水星の魔女 PROLOGUE
作中年号:アド・ステラ
- 機動戦士ガンダム 水星の魔女
作中年号:アド・ステラ
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』とは
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』(英題:NEW MOBILE REPORT GUNDAM-W Endless Waltz)は、ガンダムシリーズのOVA。
TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』の続編および完結編として、1997年に全3話が制作された。
後に再編集され、追加の新作シーンを加えたアニメーション映画『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇』として全国松竹系で劇場公開された。
同時上映は『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』。
この2作を合わせてガンダム生誕20周年記念作品とし、『GUNDAM THE MOVIE(ガンダム・ザ・ムービー)』と銘打たれている。
略称は「Endless Waltz」の頭文字を取った「EW」など。
テレビシリーズでのコロニーと地球の戦争から1年後の世界に再び起こった戦争を舞台に描く。
大河原邦男氏がデザインした5機の主役ガンダムについては、カトキハジメ氏や石垣純哉氏らによってデザインの一新がなされている(設定上は同一の機体)。
また、それに伴いプラモデルや設定資料等における名称も変更されている。
本編にはデュオが量産モビルスーツの戦術からパイロットがトロワだと見破る場面や、宇宙でゼクスが抵抗するも敵機を地球へ降下させるのを許してしまう場面等、テレビシリーズを踏襲した場面、描写が数多く存在する。
また、五飛の目の前でL5コロニーが自爆する場面の回想でもアルトロンガンダムが『Endless Waltz』版に描き替えられている。
あらすじ
A.C.196年。
かつての戦いから1年。
人類は全ての武力を放棄して、平和への道を歩み始め、Gチームも張五飛以外はガンダムの破棄を選び、ガンダム4機は資源衛星に乗せられ、太陽に送られる。
だが、コロニー反連合やホワイトファングを支援していたバートン財団総帥で今は亡き本物のトロワ・バートンの父でもあるデキム・バートンは地球圏掌握を諦めておらず、トレーズ・クシュリナーダの遺児マリーメイア・クシュリナーダをシンボルにマリーメイア軍を結成していた。
マリーメイア軍は表向きは放棄されたはずのリーオー他旧式戦力に加え、新型MSサーペントも用意しており、平和の象徴でもあるリリーナ・ドーリアンを拉致した後、地球圏へ宣戦布告を行う。
特務機関プリベンターを組織し、地球圏の平和維持に当たっていたレディ・アンは部下であるルクレツィア・ノインやサリィ・ポォと共に事態の収拾を図り、前大戦で消息不明となっていたゼクス・マーキスもプリベンターとして活動を再開。
ヒイロ・ユイはリリーナ救出と打倒マリーメイア軍のためにデュオ・マックスウェルと共に行動を開始。
カトル・ラバーバ・ウィナーはマグアナック隊と共にガンダム回収に向かう。
マリーメイア軍から奪ったリーオーで戦うヒイロとデュオの前に五飛のアルトロンガンダムとトロワのサーペントが立ちはだかった。
トロワはマリーメイア軍を止めるために潜入活動をしているのに対し、五飛は1年前にあれほどの戦火を体験したにもかかわらず、何も変わらない人々に業を煮やしたこととトレーズとの決着へのこだわりから自身が人類の脅威になる道を選んだのだ。
MS戦に敗れながらも脱出に成功したヒイロとデュオはデキムが考案した真のオペレーション・メテオであるコロニー落としをトロワと共に阻止することに成功するがマリーメイア軍本隊の地球降下を止めることは出来なかった。
カトルがガンダム回収に成功したことを知ったヒイロは射出してもらったウイングガンダムゼロで地球に向かう。
そんなヒイロに五飛が再度戦いを挑んでくるも五飛に過ちを気づかせるべく、ヒイロはあえて攻撃を受け、ウイングゼロは海中に落下した。
ゼクスのトールギスIIIとノインのトーラスがマリーメイア軍と交戦する中、デュオのガンダムデスサイズヘル、トロワのガンダムヘビーアームズ改、カトルのガンダムサンドロック改もプリベンターに加勢。
マリーメイア軍の圧倒的な物量を前にしながらも以前と異なり、パイロットを殺さないという困難な戦いに挑んだことで徐々に追い詰められていく。
そこにウイングゼロが姿を現すとマリーメイア軍の司令部と化した大統領府核シェルターにツインバスターライフルを撃ち続け、戦闘によるダメージと最大出力連続発射の反動で大破しながらもシェルターの破壊に成功。
さらにGチームとプリベンターの戦いに背中を押された人々も立ち上がり、マリーメイア軍にデモを行い、マリーメイア軍を沈黙させる。五飛は平和を守る決意をした人々の姿に安心し、トレーズとの因縁にピリオドを打つのだった。
デキムはリリーナを庇ったマリーメイアを撃っても動じない本性を露わにしたために部下の手で粛清される。
負傷したマリーメイアはヒイロがケジメのために用いた弾のない銃で撃たれた後、レディの対応で一命を取り留めた。
残ったガンダムはパイロットたちの手で自爆させられ、デュオ、トロワ、カトルはそれぞれ帰る場所に戻っていき、五飛はサリィに誘われて、プリベンターで活動。ヒイロは復帰したリリーナの様子を見た後、どこかに旅立つ。
A.C.197年。
人々の元に平和が戻り、その後の歴史の中でガンダムを含むモビルスーツという兵器の存在は二度とその姿を表すことはなかった。
新機動戦記ガンダム W Endless Waltz 特別篇 [DVD]
さすがは劇場版クオリティ
劇場版クオリティの映像美
テレビシリーズから格段に映像美がクオリティアップした本作。
さすがは劇場版といえる。
特にモビルスーツの描写(後述)については、ガンダムシリーズでも一・二を争う。
前述した通り、テレビシリーズから踏襲した設定が多いのも嬉しい。
格段に格好良くなったモビルスーツ
テレビシリーズより格段に格好良くなった劇場版のモビルスーツ。
登場するすべてのモビルスーツがこれ以上ないほどブラッシュアップされている。
だが惜しむらくは劇中でその登場があまりにも少ない。
少なすぎる。
せっかくメチャクチャ格好良くなったというのに、観られる機会が少ないというのはある種の拷問といえる。
TWO-MIXの名曲「LAST IMPRESSION」
劇場版 主題歌
Ver.kaの造形美
Ver.kaとは
日本を代表するメカニックデザイナー・カトキハジメ氏が全面監修したブランド。
ガンプラのブランドの一つ、マスターグレード(MG)から登場している、カトキハジメ全面監修の商品の事。
いわゆるブランドのブランド。
「バージョンカトキ」と読む。
間違っても「バーカ!」とは読まない。
シリーズの大半がクリスマス商戦を意識して12月に発売されている。
とはいえ元々MGのデザイン全般も氏が担当しているので混乱を招きやすい。
通常MGとの違いを挙げるなら、
- デカール(PETシール・ドライデカール)の数が非常に多い。
- 成形色がカトキハジメ監修のもの。
- 箱絵が白一色にカトキ立ちしたMS(MA)の姿。
- 説明書も白背景。中にカトキ氏の設定稿、インタビューが掲載。
などがある。
後にVer.Kaブランドが外れた同機体のMGが発売される事もあるが、大体は成形色がアニメカラーになり、デカールが大幅に減る事が多い。
現在のところ、このブランド名でMGが発売された機体はウイングガンダム系(EW版)を除き全て宇宙世紀の機体。
MG 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka 1/100スケール 色分け済みプラモデル
RG 1/144 トールギスIII プラモデル 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』(ホビーオンラインショップ限定)
洗練されたフォルムのVer.Ka
ガンダムのモビルスーツのデザインの大半は大河原邦男氏のデザインである。
カトキハジメ氏は主に大河原邦男氏がデザインした原案をブラッシュアップしている。
その最たるものが本作で登場するウイングゼロEWだろう。
モビルスーツに翼をつける。
一度は誰もが本気で考え、それでも誰もやれなかったかことをやってのけたカトキ氏の手腕には恐れ入る。
物理的に不可能であろう "鉄の翼" ですらメカニック考証で何とかしてしまうガンダムの凄さ
カトキハジメ氏が劇場版のためにデザインし直したモビルスーツ・ウイングゼロEW。
物理的には絶対無理だと思われるだろう。
だが昔から数々の不可能を可能にしてきたガンダムのメカニック考証。
ガンダムのメカニック考証をもってすれば、"鉄の翼" もどうやら可能なことらしい。
リアリティを追い求めるガンダムだからこそ、たとえそれが後付け理論であろうとも、実現不可能な描写はあってはいけないことなのである。
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