長編野球漫画
MAJOR
『MAJOR』とは
『MAJOR』(メジャー)は、満田拓也先生による漫画作品。
「週刊少年サンデー」(小学館)にて1994年33号より2010年32号まで全747話が連載された。
同誌2015年15号より続編『MAJOR 2nd』が連載中。
2021年11月時点で累計発行部数は5500万部を記録している。
サブタイトルは「DRAMATIC BASEBALL COMIC」。
なお、テレビアニメ版のタイトルは『メジャー』とカタカナ表記される。
また、各種関連商品では「MAJOR DREAM」と表記される。
「週刊少年サンデー」1994年33号より2010年32号まで全747話が連載された、小学館で連載された野球漫画の中でも著名な作品のひとつ。
第41回(平成7年度)小学館漫画賞少年部門、第2回(2011年)サムライジャパン野球文学賞ベストナイン受賞。「週刊少年サンデー」連載作品としては、2001年に当時コミックスの巻数としては最多の記録を保持していた『GS美神 極楽大作戦!!』の全39巻を塗り替えた(2017年現在は『名探偵コナン』が最多記録を更新中)。
2014年11月26日から2016年10月19日まで、スマートフォン用コミックアプリの「マンガワン」にてアンコール連載がなされていた。
テレビアニメは2004年から放送が開始され、2010年に第6シリーズまでの全シリーズの本放送が終了した。
2008年冬には劇場版が公開。
主人公である茂野吾郎の半生を描いた作品で、彼の成長とともに所属するチームを情熱で突き動かし、チームが一丸となって目標に向かって前進していくのが、本作の基本的なスタイルである。
「友情」や「努力」といった少年漫画として普遍的なテーマを扱いながら、「家族」「逆境」といった「サンデー」の独自性も出た作品となっている。
「逆境」は乗り越えられる主要テーマの一種であるため、吾郎の入団するチームは何かしらの問題を抱えた弱小チームであることが多い。
桑田真澄選手や井川慶選手、岩村明憲選手、田中将大選手、前田健太選手ら現役・元プロ野球選手にもファンが多い。
コミック構成
MAJORシリーズは内容から以下のように分けることができる。
- 幼稚園編(アニメでは保育園)
単行本1巻 - 3巻第6話
- リトルリーグ編
単行本3巻第7話 - 14巻第5話
- 三船東中学校編
単行本14巻6話 - 24巻第2話
- 海堂学園高校編
単行本24巻第3話 - 33巻第2話
- 聖秀学院高校編
単行本33巻第3話 - 47巻第7話
単行本47巻第8話 - 54巻第2話
- W杯編
単行本54巻第3話 - 65巻
単行本66巻 - 78巻第6話
- 日本プロ野球編
単行本78巻第7話 - 第9話・第10話(最終話)
作中において、幼稚園編とリトルリーグ編の間には3年、リトルリーグ編と中学編の間には4年の空白がそれぞれある。
また、メジャーリーグ編終盤で吾郎が清水にプロポーズしてから8年の月日が経っている。
さらに、吾郎と薫の娘いずみ誕生とワールドチャンピオン制覇から7年の月日が経過している。
これらの空白期間を除けば、作中で1年から1年半経つと作品の舞台が変わり、新編へと移っているのが特徴である。
リトルリーグ編から急に中学編へ飛んだことについて作者の満田氏は、「この漫画は三船リトルの物語ではなく、吾郎の物語だから」とコメントしている。
アニメ『メジャー』とは
『メジャー』(MAJOR)は、「週刊少年サンデー」にて連載されていた満田拓也先生の漫画『MAJOR』を原作として、2004年11月13日から2010年9月25日までNHK教育テレビジョンの土曜18時枠で放送されたテレビアニメである。
全154話で、足掛け6年に渡って放送された。
キャッチコピーは「夢の舞台へ駆け上がれ!」。
基本的には原作に沿っているが、原作に含まれるパンチラ・暴力的・差別的なシーン・アメリカ人による「FUCK(原作中で「FUxx」と表記)」等の度が過ぎた暴言等を中心にカットされたり、一部のシーンや登場人物の設定に変更がなされている。
これにより、原作のストーリー展開とは違った登場人物の軽い振る舞いがみられる。
前回放送した回想シーンやハイテンポに物語が進む小気味良さが、特徴のひとつともいえる。
第4シリーズ以降は、吾郎と寿也を中心としたメインキャラが、現在の自分の環境下で苦悩や葛藤を重ねていく、オリジナルストーリーがたびたび放送された。
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あらすじ
プロ野球選手の父を持つ主人公本田吾郎がその類まれなる才能といかなる困難にも負けないバイタリティを武器に、並み居る強豪たちと野球で戦っていく半生を描いた長編作品。
「まるで漫画のようだ」とWBCで話題
日米対決となったWBC 2023の決勝では、3対2の接戦で迎えた9回表ツーアウト、エンゼルスの同僚かつMLBを代表する選手でもあるマイク・トラウト選手を大谷翔平選手が三振で封じて優勝。
そのシチュエーションが漫画のようだと話題になった。
その漫画というのが、取りも直さず本作『MAJOR』である。
それもそのはずで、『MAJOR』の主人公の "茂野吾郎" と因縁の相手 "ジョー・ギブソンJr" の対決は、大谷翔平選手とマイク・トラウト選手の姿と重なる。
ちなみに茂野吾郎のプレイスタイルも投打共に全力を出し切るタイプ。
またメジャーリーガーであること。
クローザーとして登板していることから、「泥だらけのストッパー」と評された大谷翔平選手に酷似している。
『MAJOR』を知る者ならば、「WBC 2023」9回表ツーアウトでのふたりの対決を、リアル『MAJOR』と感じるのも無理はない。
本物の野球超大作
野球漫画は数あれど、本作ほどガチの作品となるとさほどない。
野球漫画といえば真っ先に大家・あだち充先生の作品が思い浮かぶが、あだち充作品はたしかに大作ではあるが、野球よりも青春群像劇に重きを置いている。
その点、本作の主人公・茂野吾郎は正真正銘の野球馬鹿であり、その野球人生を描いているのだからそのガチ度は自ずと想像できるというもの。
先発完投のイメージが強い投手主人公作品にもかかわらず、茂野吾郎の投手キャリアの最後はクローザーとしてマウンドに登っている。
この辺りも玄人にはたまらないのではないだろうか。
最終的に茂野吾郎はメジャーリーグにまで上り詰めるが、個人的におすすめなのは海堂学園高校編。
メジャーリーガー・茂野吾郎の基礎は海堂時代に培われている上、その後のライバルの多くが初登場しているシリーズでもある。
本作に関しては、アニメよりもコミックがおすすめ。
もちろんアニメも良い出来だが、コミックの方がより本気度を感じられる気がする。
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