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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【テレビアニメシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』】現代社会のリアルな問題を予見したようなシナリオの秀逸さはシリーズ随一。

 

 

 

 

テレビアニメシリーズ

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX

 

 

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』とは

 

 

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXは、士郎正宗氏原作のSF・テレビアニメ。

攻殻機動隊 S.A.C.」「攻殻S.A.C.」「攻殻S」などと略称されることもある(S.A.C.の部分は一般的にエスエーシー、またはサックと読まれる)。

本作は2002年にスカパーのパーフェクト・チョイスにて初めて放送。

アニメ作品として以降シリーズ化されている。

第2話の「暴走の証明 TESTATION」が「平成14年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞」、そして攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズ全体が「東京国際アニメフェア2003公募・アニメ作品部門優秀作品賞」をそれぞれ受賞している。

2005年には本作「笑い男事件」を描いたエピソードを160分にまとめた攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man』が制作され、DVDでリリースされた。

本作の続編となる『S.A.C. 2nd GIG』も製作され、DVD/ビデオ累計出荷本数は、合わせて230万枚/本以上に及んでいる。

全米CATVの視聴率1位を記録するなど、海外でも人気が高い。

原作漫画『攻殻機動隊押井守氏による映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊とは、時代設定や主人公・草薙素子を含む登場キャラクターの設定、ストーリーを始め多くの相違点があり、本作は第三の「攻殻機動隊」ともいわれる。

原作や映画版では「人形遣い」を中心に話が進行するが、本作品では「もし草薙素子人形遣いと出会わず、公安9課に残っていたら」という前提に立ったパラレルワールドとして物語が展開される。

一連のS.A.C.シリーズにおけるストーリーは完全オリジナルだが、原作や映画版に対するオマージュが随所に見られる。

また「電脳化・義体化社会における人間の定義」という原作のテーマよりも、近未来を舞台に現代社会にも通じる社会問題を主題としている。

本作品では公安9課自体が主人公といえる観点でストーリーが進んでいく。

そのため、劇場版では顔さえ見られなかった課員の活躍も見ることができる。

監督には押井塾出身の神山健治氏。

アニメーション制作は映画版同様、Production I.G

音楽には菅野よう子さん。

そして原作者である士郎正宗氏もプロットを書き起こし、タチコマのデザインを行っている。

本作品は全26話で基本的に1話完結方式だが、「笑い男事件」と呼ばれる劇場型犯罪を中心にした話があり、1話完結の話を『a stand alone episode』、「笑い男事件」関連の話を『complex episodes』と分け、その話がどちらに分けられるのかは各話のサブタイトル画面の背景色(1話完結は緑、「笑い男」関連は青という具合)で判別できるようになっている。

また、サブタイトル画面の左下に、アバンタイトルのあらすじが英語にてスクロールされている。

全米では初回視聴率が全商業ケーブルTVを対象にした個人視聴率、男性視聴率の12歳から17歳、12歳から24歳、12歳から34歳、18歳から24歳の全ての部門でトップであった。

なお、OPを歌っていたOrigaが2015年初頭に病死した事に伴い、同年のテレ玉での再放送ではOPないしは本編Aパート冒頭に彼女の死を悼む弔文がテロップとしてオーバーラップされている回がある。

 

 

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攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Blu-ray Disc BOX:SPECIAL EDITION (特装限定版)

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あらすじ

 

 

西暦2030年、電脳化が一般化され情報ネットワークが高度化する中で、光や電子として駆け巡る意思を一方向に集中させたとしても、「孤人」が複合体(コンプレックス)としての「個」となるまでには情報化されていない時代。

複雑化する犯罪に対抗するため、内務省直属の独立防諜部隊として設立された「公安9課」(通称「攻殻機動隊」)の活躍を描く。

以下では「笑い男事件」に関連したComplex(複合)エピソードについて解説する(サブタイトルは略)。

 

 

総監暗殺予告

 

ある夜、トグサは旧友の刑事・山口から警察内部の不穏な動きについて相談したいと連絡を受ける。

だが、山口はそのまま謎の妨害によって自動車事故という形で暗殺される。

公には事故死となった中、不審を抱いたトグサは、荒巻の了解を得つつ、山口が自分に託した数枚の写真を手がかりに捜査を始める。

山口は6年前に起こった連続企業脅迫事件、通称「笑い男事件」の特捜部に所属しており、9課もまた改めてこの事件に着目する。

やがて、笑い男事件の被害者でもあったセラノゲノミクス社(セラノ)が製造した視聴覚素子「インターセプター」が警察上層部に不正利用され、「笑い男事件」特捜部の刑事たちに極秘に埋め込まれていたことをトグサが突き止める。

すべては警察上層部とセラノの利益供与の癒着が関係していた。

9課の働きでシラを切れないと判断した大堂警視総監ら上層部は特捜部の長であった丹生に責任を被せ、記者会見を開く。

ところが、その現場を6年ぶりに現れた「笑い男」がハッキングし、大堂の暗殺を予告する(第4話「視覚素子は笑う」)。

荒巻は今回の殺害予告をインターセプター不正使用事件を世間の目から逸らすための警察による自作自演だと疑う。

ひとまず、9課の方針として「笑い男」の容疑者として急浮上し、特捜部がマークするナナオ・Aの身辺調査が命じられる。

一方、草薙は改めて6年前の笑い男事件を振りかえる。最初はセラノ社の社長、瀬良野の多額の身代金目的の誘拐事件から始まっており、その後、複数の企業に対する大々的な脅迫が行われ、犯人は多額の身代金を得たというものであった。

犯人は間違いなく超特A級のハッカーにも関わらず、最初の瀬良野氏誘拐のアナクロさに引っかかりを感じた草薙は、警視総監の護衛につくことを決める(第5話「マネキドリは謡う」)。

笑い男が総監暗殺を予告した当日。

ナナオ・Aは自らが製造した遅効性ウィルスを総監のSPに感染させることによって暗殺を企む。

土壇場で草薙によって暗殺は妨害されるも、そこから次々と自らを「笑い男」と名乗る男たちが大堂の命を狙い始める。

銃撃で重傷を負うも何とか大堂は助かるが、有力容疑者であるナナオ・Aは既に何者かに射殺されていた。

また逮捕された複数の犯人達はナナオ・Aのウィルスとは無関係であり、それぞれが、それぞれの意思に基づいて独自に犯行に及んでいた。

ナナオ・A含め、この中に本物の笑い男がいるとは思えず、彼の模倣者ばかりの中、事件の謎は深まる(第6話「模倣者は踊る」)。

 

 

笑い男事件

 

世間では復活した笑い男について盛り上がっていた。

草薙は、情報収集のため笑い男フリークが集うチャットルーム「LAUGHINGMAN ROOM」に参加する。

様々な参加者がそれぞれの見解を語る中、その一人ベビー・ルースは最初の瀬良野氏誘拐には正義感が見えるが、その後の企業脅迫にはそれが無く、また、今回の総監暗殺予告は最初の事件に似ていると指摘する。

さらにルースは、実はナナオ・Aの登録サーバーにハッキングしており、そこには遅効性ウィルスを使った企業脅迫の緻密な計画はあったが、総監暗殺計画は無かったという。

ルースは瀬良野氏誘拐と総監暗殺予告こそ本物の笑い男で、それ以外は(荒巻が予想したように)警察の仕込みであり、ナナオ・Aもその手駒だったのではないかと推測する。

最後、草薙はルースの見解を引き継ぐ形で、瀬良野氏誘拐と総監暗殺予告は超特A級のハッキング能力を持つ同一人物の仕業で他は模倣犯に過ぎないと総括する。

と、そこで草薙はチャットルームの主催者であるオンバに意識を別空間に飛ばされ、そこで笑い男本人と思われる人物とネット上で出くわすが、そのまま接続が切れてしまい手がかりを失う(第9話「ネットの闇に棲む男」)。

厚生労働省に大規模なハッキングが行われ、機密性の高い情報が盗まれる事件が起こる。

調査の結果、ハッキング元は電脳不適応児を集めた授産施設であり、被害を受けたはずの厚生労働省の態度もおかしい。

そこで荒巻はトグサに授産施設への単独での潜入捜査を命じる。

独特で奇妙な施設に戸惑うトグサは、自閉した車椅子の青年アオイの面倒を任される。

そのアオイのルームメイトの少年・黒羽とオンバは、授産施設の皆が尊敬するという団長の話をするなど、トグサは興味を惹かれる(また、視聴者にはオンバが、声や口調から(第9話「ネットの闇に棲む男」のチャットルームの主催者・オンバと同一人物だとわかる)。

トグサは、J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の一節を見つけ、これが笑い男に関係する可能性に気づく。

結局、所長に正体がバレ、トグサの内偵は失敗に終わるものの、視聴者には実はアオイこそ笑い男本人かつ、黒羽たちが話す団長の正体であり、授産施設に潜入して何らかの目的のために活動していたことが明かされる(第11話「亜成虫の森で」)。

 

 

村井ワクチンをめぐる陰謀

 

笑い男の狙いが厚生労働省の何らかの情報にあると睨む公安9課であったが捜査は行き詰まっていた。

トグサは笑い男の狙いは紙媒体情報ではないかと疑い、膨大な紙資料の中から「村井ワクチン接種者リスト」が無くなっていることを突き止める。

村井ワクチンは不治の病である電脳硬化症の特効薬で、薬効は認められるも、様々な利権が絡み、当時の審議会によって不認可となった代物であった。

ところが密かに特定の人間に対して有償実験薬という名目で投与が認められており、無くなっていたのはその接種者のリストであった。

トグサは村井ワクチンの情報開示と認可活動を行う民間団体「ひまわりの会」に話を聞きに行くと、当時、村井ワクチンに不認可を出した審議会理事長の今来栖から、会に接種者リストが送られてきたことを明かされる(また、接種者リストの中に今来栖の名もある)。

ところが、そこに厚生労働省配下の安岡率いる実働部隊マトリが襲撃を掛け、会員は皆殺しの上で資料は奪われ、トグサもまたかろうじて脱出するも重傷を負う(第20話「消された薬」)。

意識不明に陥ったトグサの記憶から村井ワクチンや今来栖、マトリ及び厚生労働省の暗躍を知った公安9課は事態究明のため、今来栖の行方を追う。

一方、マトリにひまわりの会の殲滅を命じた厚生労働省医薬局長の新見は、旧知の今来栖の裏切りに業を煮やし、マトリに彼の行方を追わせる。

実は今来栖は笑い男の脅迫を受けており、彼の目的は、かつての瀬良野氏誘拐も含め村井ワクチンが不当に不認可にされた真相を世間に暴露させることであった。

今来栖の居場所を知った9課とマトリ双方の激しい身柄争奪戦が始まり、草薙とバトーはマトリの課員達を排除していく。

任務を達成したかと思いきや、今来栖は別の暗殺者によって狙撃され殺されてしまう。

しかし、その場には笑い男も来ており、接種者リストの原本をバトーに託して姿を消す(第21話「置き去りの軌跡」)。

新見は配下の実働部隊に公安9課の排除を命じ抵抗を試みるが、今来栖殺害の一件などで荒巻は速やかに新見の逮捕権を取り、身柄を拘束する(ただし、その後、新見は電脳自殺を図り証人資格を喪失する)。

その帰路、元首相の神崎が偶然を装って現れ、借りを返す(第19話「偽装網に抱かれて」にて荒巻の進言によって娘を助けられる)として新見の背後には連合与党幹事長の薬島がいること、彼は海上自衛軍に人脈を持ち、危険であることを密かに伝える。

本部に帰ってきた荒巻であったが、そこで雑誌記者の取材より、行方不明となっていた実の兄がスラム街にて麻薬密売の容疑で逮捕されたことを知る。

兄の足跡を追ってスラム街にやってきた荒巻は兄に助けられたという2人のホームレスから、麻薬取引がでっち上げであることや、その映像証拠などを教えられるが、彼らこそ新見の部下達であり、荒巻を罠に嵌めようとする。

一方の草薙も、前回の騒動で破壊された義体の換装の隙を狙われ危機に陥る。

荒巻はバトーの機転で救出され、草薙もまた笑い男によって助けられる。

笑い男はその見返りとして、もはや自分一人ではどうしようもなく、これから自分が起こすことを黙認して欲しいと言う(第22話「疑獄」)。

海上幕僚長で、政界に転出後は厚生労働省族議員として力を握った薬島が、すべての黒幕と睨む9課であったが、彼を追い込める材料が無かった。

そこで今回の一連の出来事に関係しているセラノの社長で、現在は護衛という目的で警察に監視・軟禁されている瀬良野に着目する。

しかし、バトーらが到着するより早く、瀬良野は笑い男によって密かに拉致されてしまう。

瀬良野と笑い男は6年前の出来事について懐かしみながら話合い、その中で、実は企業脅迫事件によって薬島が身代金と政府支給金の全額を懐に入れていたことが発覚する。

自分が薬島に騙されていたことを知った瀬良野は今度こそ、真相を世間に公表することを笑い男に約束する。

その後、現場から立ち去る笑い男の前にバトーが立ちふさがるが、実は笑い男は草薙の変装であり、すべては今回の事件の裏を取るための策謀であった(第23話「善悪の彼岸)。

 

 

公安9課解体

 

薬島を追い詰める証拠を集めた9課であったが、薬島が先手を打ち、公安9課の存在を世間に明らかにした上に、笑い男事件の犯人だと濡れ衣を着せる。

政府は特殊部隊規制法案を通し、9課を解体しようとする。

荒巻は首相に直談判し、薬島の不正の証拠を提出するも、首相はきたる衆院選への影響を考え、今、薬島を逮捕することはできず、また9課の解体は回避できないと答える(ただし、事態収束後の再建は約束する)。

荒巻は草薙に「死ぬな、必ず生き延びろ」と命令する。

トグサは途中で公安に逮捕され、他の主要メンバー達は本部に集まる。

一方、既に海上自衛軍の特殊部隊「海坊主」が動いており、特殊部隊規制法案に基づき、9課を武力排除しようとしていた。

海坊主による本部襲撃に対し、時間稼ぎを行った後、草薙らは生き延びることを最優先に、それぞれ脱出して別れる。

しかし、敵の手は早く、ボーマとパズはすぐに捕まってしまう(第24話「孤城落日」)。

荒巻は法務大臣に薬島の不正の証拠を託すなど、独自の動きを見せる。

一方、海坊主はサイトーとイシカワも逮捕する。

バトーは草薙のために、彼女がセーフハウスに忘れた腕時計を取りに向かうが、そこも既に海坊主によってカバーされていた。

バトーは海坊主らの襲撃を受け上手く出し抜いて彼らを返り討ちにするも、残り1体の強化スーツに敗れ殺されそうになる。

そこに民間に払い下げられるなどして残ったタチコマ3体が救援に現れ、バトーを助け、最期は自らを身代わりとして強化スーツを破壊する。

感傷に浸るバトーの下に草薙が現れ、2人は彼女の別のセーフハウスに行く。

翌朝、飛行機で脱出を図る2人であったが、既に所在は海坊主にバレており、草薙はライフル狙撃によって頭部を破壊され、バトーは叫ぶ(第25話「硝煙弾雨」)。

一連の出来事から3ヶ月後。

釈放されていたトグサは、他の仲間達の行方もわからず、行き場のない怒りに悶々とした生活を送っていた。

世間では9課のクーデター計画が発覚して鎮圧されたことになっており、また、薬島は捜査の手が及ぶも、それはマスメディアと検察の功績になっていた。

逮捕されても薬島は逃げ切るかもしれないと考え、ついにトグサは笑い男模倣犯として自ら薬島を襲撃しようとする。

と、そこにバトーが現れ、トグサを止める。

バトーはトグサを連れ、全員無事な他の仲間達の元に連れていく。

すべては荒巻の筋書きであり、どのみち世間に知られてしまった9課では今後の活動は難しく、再び秘密機関として結成し直す必要があったために、あえて首相の9課解体の命令に乗ったのであった。

草薙もまた狙撃されたのはリモート操作の素体であり、生きていた。

草薙は、現実世界において本当の笑い男ことアオイに会いに行く。

図書館にて草薙とアオイは会話をし、今回の出来事を総括する。

情報の並列化がもたらす、オリジナル無き後に模倣者が続出した今回の出来事を何と命名するかのアオイの問いに、草薙は「スタンド・アローン・コンプレックス※」と答える。

と、同時に個性を得たタチコマ達を踏まえ、好奇心がその解決の糸口になるかもしれないとする。

そこに荒巻が現れ、アオイを9課の9人目のメンバーにスカウトしようとするが、アオイは誘いを断り、草薙と荒巻は図書館を後にする(第26話「公安9課、再び」)。

復活した9課が前と同じように事件捜査にあたるシーンで物語は終わる。

 

※スタンド・アローン・コンプレックス

 

最終話において、オリジナルの笑い男(=アオイ)を離れて模倣犯が続出した笑い男事件を総括して草薙素子が名付けた造語。

劇中において電脳技術という新たな情報ネットワークにより、独立した個人が、結果的に集団的総意に基づく行動を見せる社会現象を指し、孤立した個人(スタンドアローン)でありながらも全体として集団的な行動(コンプレックス)を取ることを意味する。

スタンド・アローン・コンプレックス化が進むことによって最終的に社会から個性が消失する可能性があるが、草薙は、並列化されたタチコマたちが個性を獲得した現象を元に、「好奇心」が解決の糸口になるのではいかと推測する。

本作のサブタイトルかつテーマであり、続編『2nd GIG』でも意味を持つ。

 

 


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曲者揃いの公安9課は魅力がいっぱい

 

 

本作品では公安9課自体が主人公といえる観点でストーリーが進んでいく。

そのため、劇場版(GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス)では顔さえ見られなかった課員の活躍も見ることができる。

公安9課のメンバーは誰も彼もがかなりの曲者で非常に魅力的。

とにかくクールでめちゃくちゃ格好良い。

 

 

課員

 

草薙素子

声 - 田中敦子

 

本作の主人公。

9課の現場指揮官にして実質的なリーダーで、かつて軍に属していた過去から、課員からは軍所属時の階級である「少佐」と呼ばれる。

独特のファッションセンスをみせる。

 

 

荒巻大輔

声 - 阪脩

 

9課の課長。

元陸上自衛軍情報部出身で、優れた政治的手腕と豊富な人脈を有する。

非常に冷静な指揮官で厳格な人物ではあるが、非常に柔軟な思考の持ち主。

極稀に自ら女性の好みを認めるようなお茶目な一面がある。

 

 

バトー

声 - 大塚明夫

 

元陸上自衛軍レンジャー4課所属のサイボーグ(義体化した人間)。

イシカワの次ぐ古参メンバー。

筋肉バカのようにみえて意外と理知的。

このバランスが非常に絶妙なのだが、残念ながら9課内では筋肉バカ寄りの扱い。

好意からか常に素子を気にしている。

 

 

トグサ

声 - 山寺宏一

 

元警視庁捜査一課特務班の刑事。

電脳化以外は生身であったが攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society以降はある程度の義体化を施し、9課の隊長を拝命している。

正義感に篤く理想論者でもあるため、少々青臭いところがある。

本作主人公の素子を差し置いて、主人公のように扱われがち。

所帯持ち。

 

 

イシカワ

声 - 仲野裕

 

主にネットでの情報収集を担当している電脳戦のエキスパート。

身長180cm。

素子との付き合いは9課メンバー中で最も長く、彼女を「戦闘の天才」と評価している(「メスゴリラ」と呼んだこともある)。

元軍属。

年齢の詳細は不明だが、メンバーから「ご老体」と呼ばれたり、自分のことを「老体」と呼んでいることから比較的高齢であることが窺える。

副業で、この時代では老人の娯楽とされているパチンコ店を経営している。

スピンオフ作品『タチコマな日々』で髭が付け髭らしいというエピソードが紹介されている。

電脳戦のプロフェッショナルという印象だが、9課結成前は自ら戦場にも赴いている。

地味だけど結構好きなキャラ。

 

 

サイトー

声 - 大川透

 

狙撃のプロフェッショナルで、第四次非核大戦時は傭兵として活動していた。

身長172cm。

左眼は「鷹の眼」と呼ばれる義眼となっており、狙撃時には人工衛星とリンクして狙撃の為の様々な情報を得る事ができる。

義体化部位は左眼と左腕のみで、9課の中ではトグサに次いで少ない。

そのため、拳銃による長距離集中速射がトグサ同様常人並みとなっている。

『2nd GIG』第14話では、9課課員たちとポーカーをする中で、自身の過去を語っている。

9課所属以前はメキシコ暫定政権に味方する義勇軍「赤いビアンコ」で傭兵をしており、2020年夏に素子・バトー・イシカワが属する国連軍部隊と交戦。

巧みな戦術で戦いを優位に進め、素子たち3人以外の兵士を狙撃する。

最終的には素子に敗れて左眼と左腕を負傷したが、その能力を見込んだ素子にスカウトされた。

ただし、本当であることは示唆されているものの、後に本人が「全部作り話だよ」と言っているため本当かどうかは不明。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Societyでは、当初は傀儡廻(くぐつまわし)の捜査に参加しておらず、アフリカでのPKO活動を終えた後に合流。

元々トグサに次いで義体化率が低かったが、アフリカの環境に備えて心肺機能を義体化により強化している。

ポーカーの腕はかなりのもので、攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』では対戦相手から「もう9課員とは遊ばない」と言われ、『2nd GIG』でも最後にストレートフラッシュを出し勝ち抜けている。

テレビシリーズでたった1話だけフィーチャーされているが、そのエピソードがめちゃくちゃクール。

ハードボイルド代表みたいな存在。

 

 

ボーマ

声 - 山口太郎

 

スキンヘッドが特徴的な義眼の大男。

電脳戦を得意とし、イシカワと共にネットでの情報収集に従事する。

ダイブルームの外ではパズと組んで行動することが多い。軍に所属していた過去があり、その際は「爆弾を仕掛けるのが専門」であったため爆発物に詳しい。

身長200cm。

原作『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELLでは、前半でイシカワと共に車で犯罪者を追跡していた。

攻殻機動隊 ARISEにてバトーと一時、戦場を共にしており「爆弾野郎(ボーマ)」と呼ばれていた。

攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』でも1話しか登場せず、プロトと組んで情報整理を行っていた。

『2nd GIG』では義体化以前に童貞であったことを発症因子の一つとしている「個別の11人」ウイルスを発症したため、義体化以前は童貞だったということになる。

 

 

パズ

声 - 小野塚貴志

 

オールラウンダー。

クールで無口な愛煙家。

身長177cm。

聞き込みや内偵調査が得意分野だが、ネットでの情報収集も行なう。

時には前衛も担当する。

ナイフを用いた格闘術が得意である。

義体化率は高い。

かなりの女好きで「同じ女とは2度寝ない主義」を貫く。

この主義が原因で『2nd GIG』にて殺人事件に巻き込まれ、地元警察からは事件の犯人だと疑われた。

原作の攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELLではそれらしき人物が僅か数コマしか登場せず、攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』には登場しない。

『S.A.C.』シリーズにおいて大幅にキャラクター性が肉付けされた。

テレビシリーズでたった1話だけフィーチャーされているが、そのエピソードでの色男ぶりが最高。

 

 

タチコマ

声 - 玉川紗己子

 

公安9課の主力となる多脚戦車で、9体が配備されている。

人工ニューロチップを用いた人工知能で、各自個性的な性格を持つようになる。

個性を獲得してからの、彼らの会話は秀逸。

 

 

 

 

 

シナリオの秀逸さはシリーズ随一

 

 

ただでさえ難解な攻殻機動隊シリーズのシナリオの中でも、テレビシリーズは屈指の難解度を誇る。

何せ劇場版より遥かに長く尺が取れる。

したがって、テレビシリーズで描かれる物語は大作級。

そして、それこそがテレビシリーズ最大の魅力にもなっている。

なかでも、本作で描かれた「笑い男事件」のシナリオの秀逸さはシリーズ随一。

電脳化に伴う弊害と世界の変化や、極めて高度な政治的駆け引きに知的好奇心はくすぐりまくられ、最後までまったく飽きることがない。

とにかく抜群に面白い。

何度観ても面白い。

基本的に難解シナリオではあるから初見での理解は難しいかもしれないが、GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊イノセンスよりは現実的だと思う。

なぜなら、特に本作メインシナリオである「笑い男事件」の根底に据えられたテーマが薬害。

全世界の人間がコロナを経験し、薬害が他人事でなくなった今となっては、重なる部分が非常に多く実に興味深い。

例えば、劇中に登場する村井ワクチンは不治の病である電脳硬化症の特効薬で、薬効は認められるも、様々な利権が絡み、当時の審議会によって不認可となった代物であった。

これはまるで、コロナワクチンにまつわるエピソードのようではないか?

いつの世も、利権が絡むと白いものでも権力で黒へと変えられる。

まるで現実世界の闇を垣間見ているようで面白いが、同時に恐怖を覚える。

我々の日常のすぐ傍には、深く暗い闇が広がっているのだという現実を突きつけられる。

さらには、本作のサブタイトルかつテーマでもある「スタンド・アローン・コンプレックス」という概念も特筆すべき点である。

「スタンド・アローン・コンプレックス」とは、独立した個人が結果的に集団的総意に基づく行動を見せる社会現象を指す。

要するに、情報の並列化がもたらす、オリジナル無き後に模倣者の続出を意味しているわけだが、これは極めて現実的な案件である。

現実世界で例えるなら、安倍晋三暗殺事件の後に起きた岸田文雄襲撃事件なんかがそれに当たるのではないだろうか。

オリジナルによって特定された元凶の正体が情報によって並列化された結果、予想通り模倣犯が出現した。

まさに「スタンド・アローン・コンプレックス」。

また、「スタンド・アローン・コンプレックス」とは、ある意味で日本人が大好きな同調圧力のようでもあることが非常に興味深い。

同調圧力時の情報の並列化とは、それ即ち自らの正当化だろう。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」の心理である。

改めてじっくり考察してみると、本作が如何に時代を先取りした作品だったのかがよくわかる。

いや、現実社会は残念ながらまだに本作に追いつけていない(電脳化はさておき)とさえ思う。

時代が本作に追いつくその日まで、著者はきっと何度も攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXを観直し続けるのだろう。

 

 

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