アニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」渋谷事変編
いよいよ本格的にエヴァンゲリオン化!?劇場版 『呪術廻戦 0』で感じた違和感が現実のものになりつつある
『呪術廻戦』とは
集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の、芥見下々先生による漫画作品『呪術廻戦』。
2018年3月から連載が開始され、人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描き、既刊24巻にしてシリーズ累計発行部数は驚異の9,000万部を突破。
2020年10月から2021年3月までは毎日放送・TBS系列にてTVアニメ第1期が放送され、国内のみならず全世界で大きな反響を呼んだ。
さらに、同年12月24日、第1期の前日譚にあたる物語が描かれる劇場版『呪術廻戦 0』を上映し、全世界で一大ムーブメントを巻き起こした。
そして、2023年に放送された第2期で描かれたのは、五条悟と夏油傑の高専時代の物語「懐玉・玉折」。
劇場版にて示唆された五条と夏油の決別した過去がついに明らかとなる。
さらに、連続2クール内にて「懐玉・玉折」の後、第1期から続く時間軸の物語「渋谷事変」も描かれた。
10月31日、ハロウィンで賑わう渋谷駅周辺に突如 "帳" が下ろされ大勢の一般人が閉じ込められる。
単独で渋谷平定へと向かう五条だが、これは夏油や真人ら呪詛師・呪霊達による罠だった…。
虎杖、伏黒、釘崎といった高専生のメンバーや呪術師たちも渋谷に集結し、かつてない大規模な戦闘が始まろうしていた。
呪いを廻る壮絶な物語が再び廻りだすーー。
あらすじ
呪術廻戦
高校生・虎杖悠仁(いたどり ゆうじ)が通っている学校に、突如「呪霊」が現れる。
人間から流れ出た憎悪や後悔といった負の感情は「呪い」となり、特に学校や病院などの大勢の思い出に残る場所に吹き溜まりやすく、この呪いが呪霊という化け物となって人間を襲う。
虎杖が通う学校には呪霊を防ぐために、強い呪力が宿る「呪物(じゅぶつ)」が魔除けとして置かれていたが、封印が緩んで逆に呪いを呼び寄せていた。
呪物を回収するために、呪術師の伏黒恵(ふしぐろ めぐみ)も助けに駆けつける。
しかし虎杖は呪霊との戦いによって窮地に追い込まれ、力を得て呪霊を倒すために、呪物である「両面宿儺(りょうめん すくな)の指」を飲み込んでしまい…!?
呪術廻戦「懐玉・玉折」
東京都立呪術高等専門学校の学生である五条悟(ごじょう さとる)と夏油傑(げとう すぐる)は、高校生ながらそれぞれが第一線で活躍する術師すら相手にならない力を持ち、"2人で最強" を自称する名コンビだった。
ある時、2人は天内理子(あまない りこ)という少女の護衛を任され、彼女を狙う暗殺者たちと戦うこととなる。
理子は日本呪術界の偉人への生け贄となりうる「星漿体(せいしょうたい)」という資質を持っており、邪悪な思惑から生け贄の儀式を阻止せんとする者たちに狙われていたのだった。
理子を守って戦い続ける五条と夏油だったが、術師殺しとして名高い伏黒甚爾(ふしぐろ とうじ)もまた彼女の抹殺を依頼されており、狡猾な策略で彼らを追い詰めていく。
甚爾との対決を経て挫折と苦悩を味わった五条と夏油は、それぞれが歩まんとする道を違えていく…。
呪術廻戦「懐玉・玉折」渋谷事変編
人類殲滅を目論む自然呪霊一味は、そのための最大の障害である五条を、"帳(とばり)" という結界で閉じた渋谷駅地下に呼び出す。
何万という一般人を人質にされた五条はこれに応じ、自然呪霊の1体を苦も無く祓うも、彼らの命懸けの奮闘と用意された十重二十重の策によって封印されてしまう。
これを知った虎杖悠仁、伏黒恵(ふしぐろ めぐみ)、釘崎野薔薇(くぎさき のばら)ら五条の教え子たちを含む人間の呪術師は、五条を奪還すべく結界で閉じられた渋谷駅一帯に突入。
これを阻もうとする自然呪霊たちを相手に壮絶な死闘を繰り広げる。
彼らが次々と傷つき倒れていく中、別の思惑を持つ第三者の企みが静かに進行していた…。
劇場版『呪術廻戦 0』で感じた違和感
劇場版『呪術廻戦 0』で主人公の乙骨憂太。
この声優を担当しているのが緒方恵美さんである。
言わずと知れた、『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジ役を務めた名声優だ。
劇場版のキャスティングは原作者の「中性的で、柔らかさ、優しさがあった上で、大きな感情の振れ幅・落差もある」という乙骨のイメージを受け、その一例の中で候補に挙がった中から満場一致で緒方恵美さんに決定したという(公式HPより)。
この時点で乙骨憂太は、碇シンジとすでに特徴がほぼ一致している。
そして劇場版『呪術廻戦 0』本編。
乙骨憂太と碇シンジのイメージの類似点は、性格的な特徴を遥かに超えてより濃く重なり合う。
ただこの時著者は、この演出をイメージの上書きだと考えた。
碇シンジ役のイメージが強く印象づけられた緒方恵美さんの声を、乙骨憂太の声として上書き認識させるための避けられぬ儀式だったと解釈した。
半ばこじつけのような論法ではあったが、当たらずとも遠からずの考察だったように思う。
ただ少し違っていたのは、上書きではなかったということ。
乙骨憂太というキャラクターは、上書きなどではなく碇シンジそのものだということだ。
『呪術廻戦』は、渋谷事変編で、いよいよ本格的にエヴァンゲリオン化してきた。
「入り口は大きく、出口は針の穴」というシナリオ展開はエヴァンゲリオン大ヒットの要因のひとつ
『新世紀エヴァンゲリオン』大ヒットの要因はいくつかあるが、なんといっても放送が開始された時の物語への入りやすさではなかっただろうか。
数あるアニメ作品の中でも超難解結末と評判高い『新世紀エヴァンゲリオン』も、放送開始当初はあらゆるヒット要素を惜しみなく盛り込んでいた。
ロボット、学園、青春、戦闘、美少女、コメディ要素などなど、アニメファンを根こそぎ獲得するためには十分すぎるほど作品への入り口が広がった。
庵野秀明監督の思惑通りか、放送開始直後から『新世紀エヴァンゲリオン』は大変な話題になる。
しかし『新世紀エヴァンゲリオン』は、ある時からシナリオ展開の道を突然狭め始める。
ただでさえ意味不明な用語が並べられていたのに、さらに各キャラクターの意味不明な思考や言動が目立つようになる。
しかしそのことがさらなる大ヒットへと繋がっていく。
ファンの間では難解シナリオの考察合戦が繰り広げられ、否が応でも最終回への期待が高まっていく。
期待値MAXとなって迎えた最終回。
おそらく、その時あったあらゆる考察をすべて裏切ったアニメ史上最も意味不明の謎結末。
まるで罠に迷い込んだかのような多くの視聴者は、結局そのトンネルから抜け出せないまま物語は終わりを迎える。
だが、それでも『新世紀エヴァンゲリオン』人気は衰えない。
『新世紀エヴァンゲリオン』は、まるでドラえもんのひみつ道具・ガリバートンネルのようなシナリオ展開をあえてすることで、名作の域を超えて伝説化されたのだ。
ドラえもん メモパッド・スクエアミニ【ガリバートンネル】 DG-127
超難解結末だった最終回の考察については、むしろ今なお議論が続いている。
アニメ『呪術廻戦』が「懐玉・玉折」渋谷事変編でいよいよ本格的にエヴァンゲリオン化!?
アニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」渋谷事変編が、とんでもない展開の末に結末を迎えた。
主人公のメンタルはズタズタに引き裂かれ崩壊寸前まで追い込まれるは、主要キャラたちは相次いで強制退場するはの、カオス状態。
謎人物が登場し、謎用語を並べたてる。
あれほど入り口が広がった『呪術廻戦』のシナリオ展開が、「懐玉・玉折」と渋谷事変編を経てその道を一気に狭めてきた。
これではまるで『新世紀エヴァンゲリオン』のシナリオ展開そのものではないか。
おまけに演出までエヴァンゲリオン化しているような気がする。
いや、庵野秀明演出とでも言うべきか。
現状把握のための字幕の出し方や理解が追いつかないほどの情報過多は庵野秀明監督の十八番演出そのものだ。
アニメ開始当初こそ、『新世紀エヴァンゲリオン』との類似点など微塵も感じはしなかったのだが、今となっては夏油傑(仮)のやろうとしていることが、碇ゲンドウが目指した人類補完計画に思えてならない。
『新世紀エヴァンゲリオン』は混沌のラストを迎えたが、『呪術廻戦』は果たしてどんな結末を迎えるのか。
このままエヴァ化が進むのか。
続編『呪術廻戦』「死滅回游」からも目が離せない。
アニメ 『呪術廻戦』「死滅回游」 制作決定
アニメ『呪術廻戦』第2期「懐玉・玉折/渋谷事変」が放送を終えた。
第47話(第2期23話)「渋谷事変 閉門」にて、夏油の亡骸を乗っ取った "黒幕" の目的が明らかとなり、特級術師・九十九由基、そして虎杖の死刑執行を命じられた特級術師・乙骨憂太の登場など、クライマックスに向けて衝撃的な展開が次々と描かれた。
そして最終話の放送終了後に、原作コミックスの絵と新規キャラクターボイスを収録した『呪術廻戦』続編の制作を告げるスペシャル映像が公開。
『呪術廻戦』「死滅回游」では、謎に包まれた史上最悪の術師・加茂憲倫が仕組んだ、呪術を与えられた者たちの殺し合いが描かれる。
☆今すぐApp Storeでダウンロード⤵︎