#52
停滞する思考に一石を投じる苦言
声にできない本音を言葉に…
何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。
感じていても声にするのが憚られる言葉がある。
それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。
だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。
本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。
しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。
本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。
東雲温(日曜劇場「御上先生」より)
東雲温(しののめ たずね)
御上が担任を務める私立隣徳学院の3年2組の生徒。
東雲の父は教師をしていたが、指定の教科書を使用しなかったため、罰せられて教師を続けられなくなった過去があった。
そのため文化祭で「教科書検定」についての展示をしようと持ちかける。
日曜劇場『御上先生』Episode 4 - fate -でのヒトコマ。
冴島(常盤貴子)と国家公務員採用総合職試験会場で起こった殺人事件の関係が公になり、神崎(奥平大兼)は責任を感じ冴島のパート先を訪れるが、すでに辞めた後だった。
そんな中、教室では御上の提案で、生徒たちは議論を始める。
また、隣徳学院に届いたヤマトタケルを名乗る人物からの一枚のFAX、是枝(吉岡里帆)は自分なりの答えに辿り着き――。
倉吉に言われてハッとしました
日本人は
テーマをすぐぶらしちゃうって
テーマって
何度でもそこに立ち返るためにつくるのになって
(中略)
なのに
つぎはぎして
なんとかしようとしているから
ぶれぶれになっちゃう
東日本大震災の復興テーマには、「命を守り、海と大地と共に生きる」「震災伝承・災害対応」「食・水産」「最新技術」「未来のコミュニティとモビリティウィーク」などがあるという。
が、能登を見捨てておいてどの口が言うのか。
この国では最も責任ある人間から、ブレる、キレる、逃げる。
持てる者は弱者にリスクを押しつけ、いかに楽して得するか、自分の身を守るかということにばかり汲々としている──。
かつて江戸末期、欧米人にその品格を賞賛された日本人も、すっかり過去の存在になってしまった。
有事、特に災害時の整然とした日本人の対応ぶりに諸外国は驚嘆するが、よくよく見れば、それは現地の農家や水産業を担う庶民の人々、自衛隊・消防・警察など現場の人々ばかり。
国家の中核を担う高学歴の公務員、一流企業社員で賞賛された例は寡聞にして知り得ない。
それどころか、各企業で、上司から真っ先に逃げ出したというような話ばかりが聞こえてくる。
この国の衰退の原因は、政府や一部の大企業が保身のことしか考えていないことにある。
未来のための明確なテーマも持たず、過去の栄光にばかりすがりつき、それをつぎはぎしてなんとかしようとしてきた結果、この国は緩やかに滅びの道を辿っている。
その都度耳ざわりの良いテーマを掲げては、日本語の曖昧さにつけ込んで、自分たちの都合の良いよう拡大解釈と歪曲解釈を繰り返し、言い訳ばかりを繰り返しいつまでも実現しない。
実現させようとしない。
上辺だけのテーマはもう聞き飽きた。
実現する気のないテーマなんて、もううんざりなんだ。
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