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ioritorei’s blog

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【日本映画『十一人の賊軍』】エンタメ要素強めながらも教科書では教えてくれない戊辰戦争の真実が描かれたセミフィクション歴史作品。

 

日本映画

十一人の賊軍

※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

エンタメ要素強めながらも教科書では教えてくれない戊辰戦争の真実が描かれたセミフィクション歴史作品

 

 

 

 

 

 

 

日本映画『十一人の賊軍』とは

 

 

東映が誇る集団抗争時代劇が、いま、叫びが轟く新たなるステージへ!

 

日本近代史最大の激戦・戊辰戦争の陰で起きた、新潟・新発田藩の歴史的な裏切り。

その史実から着想を得た、脚本家・笠原和夫氏の幻のプロットが映画化。

仁義なき戦いなど数々の傑作を生みだした名脚本家が遺した集団抗争時代劇が、孤狼の血シリ ーズの白石和彌監督によって新たなステージへと昇華される!

W主演を務める山田孝之氏と仲野太賀氏ほか、実力派キャストが作り上げたアクションシーンを見逃すな!

 

 

十一人の賊軍

十一人の賊軍

 

 

 

あらすじ

 

 

心の奥底に眠る闘争本能が奮い立つ、男たちの生き様を刮目せよ。


新潟の新発田藩家老・溝口内匠は進退窮まっていた。

日本は二つに分裂し、戊辰戦争が勤発。

「新しい時代を切り開く!」という強い使命感を掲げ進軍を 続ける新政府派「官軍」によって、旧幕府軍は徐々に東国へと追い詰められていた。

密かに官軍への寝返りを画策する新発田藩の目の前には、遂に官軍の到着が迫っていた…そんな折に、旧幕府派の奥羽越列藩同盟軍が出兵を求め新発田城へ軍を率いて押しかける!

城から退かない同盟車と迫りくる官が合わせてしまっては、新発田は戦火を免れない!

まさに絶体絶命!

一刻の猶予も無い溝口内匠は一計を案じ、官軍の進撃を食い止める起死回生の一手として【岩の護衛作戦】を命じる。

集められたのは、殺人、賭博、火附け、密航、姦通…などで収監された、死罪になるべき人道を外れた十一人の罪人たち。

圧倒的不利な命懸けの過酷ミッションとは、【官軍が砦へ侵攻するのを防ぐこと】ただそれだけ。

死を覚悟していた彼らに見えた、「生きる」という一筋の希望。

勝てば "無罪放免" という契りを信じ、罪人たちは己のために突き進む。

果たして、彼らは未来を掴み取ることができるのか!?

新発田藩、同盟軍、官軍…三者の思惑が交錯するなか、 「己の誇り」「故郷に残した愛する人を護るため」一ー

それぞれの執念が轟く、十一人の壮絶な戦いがいま始まる!

 

 


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登場人物

 

 

政(まさ)

演 - 山田孝之

 

駕籠かき人足。

妻・さだを手籠めにした新発田藩士を殺害して罪人となる。

罪状は侍殺し。

砦を守り抜けば無罪放免だと言われ、不本意ながら決死隊とともに戦場に駆り出される。

 

 

鷲尾兵士郎

演 - 仲野太賀

 

剣術道場の道場主で直心影流の使い手。

家老・溝口内匠の命により砦を守る決死隊となる。

 

 

《罪人》

 

全員死罪だが、砦を守り抜けば無罪放免の条件で激戦地に送り込まれる。

 

 

赤丹(あかたん)

演 - 尾上右近

 

イカサマ博徒

武士から金を巻き上げる。

罪状は賭博罪。

 

 

なつ

演 - 鞘師里保

 

新発田の女郎。

子を堕ろされた恨みで男の家に放火をする。

罪状は火付け。

 

 

ノロ

演 - 佐久本宝

 

新発田の花火師の息子。

捕らえられた政を、死んだ兄と思い込み、逃がそうとしてしまう。

罪状は脱獄幇助。

 

 

引導(いんどう)

演 - 千原せいじ

 

坊主。

檀家の娘を手籠めにするなど、数多くの女犯に及んでいる。

罪状は女犯。

 

 

おろしや

演 - 岡山天音

 

医師の倅。

医学を学ぶため、おろしや(ロシア)へ密航をしようとする。

罪状は密航。

 

 

三途(さんず)

演 - 松浦祐也

 

貧乏な百姓。

⼀家心中をするが、自分だけ死ねなかった。

罪状は一家心中。

 

 

二枚目(にまいめ)

演 - 一ノ瀬颯

 

新発田随一の色男。

侍の女房と恋仲になる禁忌を犯す。

罪状は姦通。

 

 

辻斬(つじぎり)

演 - 小柳亮太

 

浪人。

新発田にある村で、大人数の村人を無差別に殺害する。

罪状は辻斬り。

 

 

爺っつぁん(じっつぁん)

演 - 本山力

 

長州出身の剣術家。

新発田で地主への強盗殺人を犯している。

 

 

 

教科書では教えてくれない戊辰戦争の真実

 

 

軍事クーデターだった戊辰戦争

 

幕末の徳川政権は統治能力が低下。

政治的継続が不可能と判断し、自ら政権を皇室に返した。

それが1867年の大政奉還である。

世界史でも稀にみる、平和的な政権移譲だった。

これは本来、日本の誇らしい偉業だったはずである。

だが大政奉還からわずか2か月後、西洋式軍事訓練を受けた下級武士階級層が、鳥羽伏見の戦い戊辰戦争を起こした。

では、なぜ大政奉還の後に戊辰戦争が行われたのか?

それは戊辰戦争が軍事クーデターだったからである。

そうして成立したのが明治軍事政権だ。

明治政府は明治〜大正時代を経て、昭和20年まで政権を維持してきた。

その間にいったい何が起こったのか。

政府はその間、軍事力の拡大政策を背景にした日清戦争日露戦争日中戦争第一次世界大戦、シベリア出兵、満州事変、第二次世界大戦など、10~20年ごとに侵略戦争を行ってきた。

軍事政権だから、陸軍大臣海軍大臣が主に首相に指名される。

選挙権はある程度の金持ちしか与えられないし、女性の参政権も満足なものではなかった。

他方では、軍事政権特有の思想弾圧と思想統制を行った。

これは明治政府=軍事政権を証明する、歴史的な事実である。

明治維新による初期の教科書作りで、薩長土肥の官僚らは、自ら興した新政府を軍事政権だと明記しなかった。

その弊害で、現代の教科書でもここらをずいぶん曖昧にする。

だから大政奉還戊辰戦争の境目もわからなくなるのだ。

すでに白旗を揚げている相手に何かと文を付けて、新政府を名乗るクーデター派が無理矢理起こしたのが戊辰戦争なのである。

戊辰戦争は軍事クーデターであり、その政権は昭和20年まで続いた軍事国家であり、民主国家ではなかった。

これが戊辰戦争の真実であり、教科書では教えてくれない事実なのである。

 

 

裏切りの果てに今なお続く「新発田に嫁をやるな」

 

長岡などでは最近まで、「新発田に嫁をやるな」という言葉が残っていたそうな。

これは、新発田薩長以上に許しがたい存在だったということらしい。

ー1868年、薩摩と長州の新政府軍は京都近郊、鳥羽伏見の戦いで勝利し、勢いに乗って北陸道を下って奥羽列藩同盟殲滅のため東進した。

弱小の新発田藩は生き残りを掛けて若い藩士を全国各地に送って広く情報を集め政情把握に努めていた。

当然、各地に散らばった藩士からは新政府時代を予見する情報が集まる。そこで家老溝口伊織は沼垂港を官軍に解放して上陸の手引きをした。

世にいう、新発田藩の裏切りである。

これにより激しい北越戦争が起こり長岡藩士は甚大な被害を出して会津へ奔走。

長岡藩から見ればこの敗戦はひとえに新発田藩の裏切りが原因であると激怒した。

これが今に続く「新発田に嫁をやるな」の由来となるーー。

しかしよくよく考えれば新発田藩は領内を戦火から救ったのだ。今でいう情報戦(インテリジェンス)に勝ったのが新発田藩であり、頑固一徹、時代に取り残され荒廃を招いたのが長岡藩であったともいえる。

 

 

それぞれの義のために思惑が錯綜する旧幕府軍

 

戊辰戦争がどういうものだったのか?

その歴史的背景を知れば、本作の登場人物たちの思惑もなんとなくだがわかるようになる。

たとえば、本作では珍しく憎まれ役を演じている阿部サダヲ氏。

だが、阿部サダヲ氏演じる溝口内匠が悪者なのかと問われれば、そうだと言い切れない。

出兵要請のために新発田城に居座った奥羽越列藩同盟軍は、側から見たら悪者にみえるのかもしれない。

だが歴史的背景を知ってしまえば、彼らの行動が一概に悪だとは言い切れないのだ。

主に旧幕府軍勢力の思惑は、それぞれが信ずる義によって錯綜していた。

ある者は受けた恩義に報いるため。

ある者は愛すべき家族と故郷と民のため。

旧幕府軍勢力の面々は、各々が自ら信じる義によって、それぞれの姿勢を示していた。

究極的には本作で描かれる旧幕府軍勢力に、嫌われ役はいても悪者はひとりもいない。

それを如実に表している名シーンがある。

罪人として捕らえられていた、爺っつぁんと呼ばれる老境の男性。

彼は新政府軍将校との戦いの最中、高らかに名乗りを上げる。

「元長州藩槍術指南・小柴彦八郎、義によりてお国に逆らい奉る」

最初から只者ではない空気を纏っていたが、この時ようやく正体が判明した。

たとえ逆賊と呼ばれようと、自らの信念に従った爺っつぁん。

最高に格好良い啖呵だった。

もしかしたら本作屈指の名シーンだったのかも…。

 

 

 

強すぎるエンタメ性の中で光る仲野太賀の殺陣

 

 

旧幕府軍勢力のそれぞれの葛藤。

傲岸不遜な新政府軍の振る舞いと、その所業。

本作の歴史的な描写は、概ね興味で調べた史実に沿ったものであり、なかなか見応えのあるものだった。

特に新政府軍の所業は、教科書では教えてくれない史実である。

この点において、本作は十分評価して良い作品だと思う。

だが、肝心要の「十一人の逆賊」の設定や演出はエンタメ性がやや強すぎるように感じた。

本作でまず最初に目にとまるのは、生々しく凄惨な戦闘シーンであろう。

刀で滅多刺したり砲弾や焙烙玉で木っ端微塵。

新政府軍の所業を鑑みれば、あるいはそれは史実通りなのかもしれない。

だが、おそらくフィクションであろう「十一人の逆賊」に派手な演出を加えてしまえば、ノンフィクションの部分まで嘘臭くみえてしまう。

制作側の気持ちはわからなくもない。

コンプライアンスで雁字搦めの現代である。

ある意味、こういう生々しさこそ本作の売りのひとつなのかもしれない。

しかしそのせいで物語の理解が疎かになってしまう気がする。

せっかくの史実に基づいたセミフィクション作品。

本来なら、見識を広めるにはもってこいの作品である。

なのに最初に目にとまるのが視覚的な刺激では、少々勿体ない気がしてしまう。

そのエンタメ性の強さ故に、すべてがフィクションのようにみえてしまうからだ。

本作には演出過多と思われる設定やシーンが多く散見できる。

娯楽映画として、それは致し方ないことなのだろう。

だからこそなのか、仲野太賀氏の実直な殺陣が逆に映えた。

それが実在する流派なのか、はたまた演出なのかは不明だが、剣技に入る前の謎のポーズこそ不要に感じるが、殺陣そのものはなかなか堂に入っていて非常に良かった。

過剰に華がないことでリアリティを増し、それが逆に華になる良い例だろう。

思うに、本作はフィクションとノンフィクションの境目があまり上手くなかった作品だ。

史実と娯楽の境界線があまりにはっきりしすぎている。

だからリアリティにも娯楽にも少々欠けた、何か物足りない作品になってしまった。

史実を全面に出すか、あるいは娯楽に全振りしてしまえば、もっと面白い作品になっていたのではないだろうか。

個人的にはそう思う、少々勿体ない作品である。

 

 

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