思いのほか筆が進むので勢いで書いてしまおう。
著者のようなニワカではなく、本物の歴ヲタの方の見解をお待ちしております。
さて、前稿に記した本能寺の変へ至る陰謀の渦中にあった名物茶器。
三つ揃えた人間は天下を獲るとまで言われた。
この茶器ひとつで国ひとつと同等の価値があるとされた名物中の名物。
信長は新田・初花は所有していたが、楢柴だけは手に入れていなかった。
この時楢柴を所有していたのが博多の豪商・島井宗室。
本能寺の変直前、この島井宗室が楢柴肩衝を持って上洛していた。
島井宗室の上洛を聞きつけた信長は、当然接見を申し入れる。
すでに毛利攻めの触れは出している。
兵が整い次第上洛するから暫く待て、と信長。
しかし島井宗室は本心では楢柴を信長に見せたくない。
見せたら献上させられてしまう。
京滞在期間は伸ばしても6月1日(仮)。
信長の上洛はそれ以降になりそうだ。
わざわざ滞在期間を延長してまで信長と謁見する理由がなかった島井宗室は、ではまた次の機会に、となる。
島井宗室が信長に対して強気とも受け取れる態度に出れる根拠は、ある。
結果的に信長は島井宗室と会い茶会を催すのだが、並み居る公家をそっちのけで博多のイチ商人でしかない島井宗室を正客として迎えている。
信長は島井宗室に気を遣っていたのだ。
話を戻そう。
また次の機会と言われ慌てる信長。
もうすぐ兵は整うが期日には微妙に間に合わない。
どうせ数日の間だけだ。
幸い畿内に敵はいない。
ならば先に上洛しても何ら問題はあるまい。
兵はあとから来ればいい。
手勢だけ引き連れてとりあえず信長だけでも上洛してしまおう。
信長がそう思ったのならこの瞬間に本能寺の変は完成した。
茶器に目が眩んでまんまと罠にハマってしまった。
完全に信長の油断と言わざるを得ない。
もし本能寺の変に黒幕が存在するならば、楢柴肩衝をエサに巧妙に信長を誘い出した人物こそが疑惑の筆頭になるだろう。
それがわかれば苦労はないが…
ちなみに件の楢柴肩衝にはまだまだ後日談的逸話が続く。
それはまた別のお話☆
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