明日ではなく今日。
今、この時を精一杯生きるあなたのために素敵な言葉を綴ろう。
本位田お杉(バガボンドより)
吉川英治氏の小説『宮本武蔵』を原作として、スラムダンクを世に送り出した井上雄彦氏の手による漫画『バガボンド』。
その登場人物のひとり、又八の母親でお杉おばばこと本位田お杉。
又八に対する愛情は盲愛と言えるほどに深い。
村の名士である本位田家への強烈な自負心ともあいまって、著しく偏狭なものの見方をし、また非常に図々しい。
だが、女手一つで又八を育て上げた気丈な母親であり、又八の最大の理解者でもある。
京のある寺の泰堂という和尚に、又八とともにかくまわれていたが、そう先が長くはないことを悟った又八におぶられながら亡くなる。
今際の際に母から子へ向けられた名言。
散々悪態ばかりついてきたおばばが、最期に最愛の息子へ送った言葉が泣けるほど心に沁みる。
又八…この世に強い人なんておらん
強くあろうとする人
おるのはそれだけじゃ
この言葉を受けて、偽りの自分、弱い自分を吐き出す又八。
何でこんなに弱いんだ
この弱さを叩っ斬って切り刻んで捨てたいもういっそ俺自身を…
おふくろ…もう…一緒に死のう…
あれも嘘これも嘘 嘘嘘嘘
嘘が嘘を呼ぶ嘘地獄
おふくろのように強くない 武蔵のように強くない
ごめんおふくろ 俺は弱い…
弱いっ弱い 嫌いだよ俺のこのクソ弱さが
みっともなくて俺の嘘をひとつひとつはがしていったら真ん中には何もねえ!!
その空っぽを誰にも見せたくなかった
武蔵にもおつうにもおふくろにも誰も
弱いっ 弱い 弱い弱い弱い――――ッ
よう言うた又八
弱い者は己を弱いとは言わん
おぬしはもう弱い者じゃない
強くあろうとする者
もう一歩めを踏みだしたよ
名作『バガボンド』の中でも屈指の名シーンでの言葉だ。
散々悪態ばかりついてきたおばばは、読者にとって敵役にも等しい人物である。
ただ、そんな憎まれ役のおばばでも、息子への愛情はとてつもなく深かった。
強くあろうとする者。
いくら強くありたいと願ってはみても、いったいどうやったら強くなれるのか?
その答えがこの名言の中にある。
でもね、一番泣けるのはそのあとの「もう一歩めを踏みだしたよ」なんだよね。
最期まで息子の身を案じ、信じきった母の言葉。
憎まれ役のおばばだからこそ、息子への優しさと愛情に満ち溢れたこの名言には涙を禁じえない。
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