月9ドラマ
ロングバケーション
『ロングバケーション』とは
『ロングバケーション』は、1996年4月15日から6月24日まで毎週月曜日21:00 - 21:54に、フジテレビ系の「月9」枠で放送されたテレビドラマ。
略称は「ロンバケ」。
第34回ギャラクシ選奨受賞(1996年度)。
ロンバケが最高最強たる所以
「月曜日はOLが街から消える」と週刊誌などでいわれ、このドラマの影響でピアノを習い始める男性が増えるなど「ロンバケ現象」なる社会現象を巻き起こした。
主演の木村氏はSMAPの人気上昇とともに人気がうなぎ上りだった頃であり、山口さんも既に『ダブル・キッチン』『29歳のクリスマス』などのヒット作に出演し人気女優の仲間入りを果たしていたこともあり、人気者同士の共演は話題を呼び、初回視聴率でいきなり30.6%という高視聴率を記録。
その後も安定して高い視聴率をキープし、最終回で36.7%と最高視聴率を記録し有終の美を飾った。
絢爛豪華な俳優陣と鉄板の脚本家
竹野内豊氏や松たか子さん、稲森いずみさん、広末涼子さん、りょうさんといったのちに連続ドラマや映画で主演級となった俳優・女優が多数共演し、豪華な顔ぶれとなっている。
また脚本は全話北川悦吏子女史が担当し、『あすなろ白書』『愛していると言ってくれ』に続く本作のヒットで人気脚本家の地位を確立した。
1996年10月7日の21:00 - 23:21には、総集編に新撮部分を加えた『ロングバケーションスペシャル』が放送され、27.8%の高視聴率を獲得している。
なお、1996年4月15日から1996年6月24日までの全11回で放送されたが、初回と最終回は30分拡大枠で放送されたため、再放送などで1時間枠の中で放送される場合には第1回と最終回をそれぞれ前編と後編に分けた再構成版(計13回)として放送されており、それぞれ後編は前編と重複部分があるため後編冒頭に重複部分があることについて「おことわり」が入っている。
ちなみにこの初回(1996年4月15日)が放映された後、このドラマの直後番組でありSMAPのメンバーである木村氏も出演したSMAP×SMAPの初回が放送されている。
あらすじ
31歳の元モデル・南(山口智子)は、結婚式当日に婚約者が式場に現れなかったため、ウェディングドレスのまま婚約者の家に押しかける。
だが、部屋から出てきたのはルームメイトである24歳のピアニスト・瀬名(木村拓哉)だった。
婚約者に逃げられた南は、半ば強引に瀬名と同居することにする。
最初は男女として意識していなかった2人だが、一緒にいるうちにお互いにとってかけがえのない存在であることに気づく。
月9ドラマの代名詞的名曲
久保田利伸『LA・LA・LA LOVE SONG』
本作品の主題歌『LA・LA・LA LOVE SONG』は、久保田利伸 with NAOMI CAMPBELLのシングルである。
1996年5月13日にソニー・レコードから発売された。
久保田利伸氏としては16作目。
ナオミ・キャンベルとのコラボレーションに至った経緯は、ニューヨーク在住中の久保田氏が、偶然ナオミさんと同じマンションに住んでおり、そのエレベーター内で対面し、後に意気投合したことから実現。
久保田利伸氏にとって初のオリコンシングルチャート1位、シングルでのミリオンセラー達成となり、本年度のオリコン年間シングルチャートでは3位へと輝いた。
久保田利伸氏の楽曲は、いわゆるブラックミュージックと呼ばれるアメリカの黒人発祥の音楽の要素が強い。
文化的にはまだ完全に開国しきれていなかった日本にとって、一番敷居が高い音楽だったかもしれない。
だからドラマの、ましてや月9の主題歌に選ばれるとは思っていなかった。
久保田利伸氏の功績は知っていても、それとこれとは話が違う。
このサプライズ抜擢を知った時、ブラックミュージックが、果たして日本人に受け入れられるかどうかの大バクチだと思った。
だが、蓋を開けてみれば完全に杞憂に終わる。
久保田利伸氏が提供したのはゴリゴリのブラックミュージックではなく、アメリカの流行最先端を感じさせる、目一杯オシャレが詰まった楽曲だった。
かくして『LA・LA・LA LOVE SONG』は、日本の音楽シーンの裾野を広げる一役を担ったのである。
すべてがキラキラしていてみんなが憧れた最高最強の月9ドラマ
本当にみるものすべてがキラキラしているようだった。
ファッションから演出から住居に至るまで、何から何までオシャレしかなかった。
当時のことで、ひとつ覚えているエピソードがある。
それは木村拓哉氏ことキムタクの髪型について。
ピアニスト役ということでバッハをイメージしたらしいのだが、我々が音楽室でみたことのある肖像画の髪型ではさすがに無理がある。
時はおりしもカリスマ美容師という、新たなトレンディワードが聞こえはじめた頃の話。
カリスマの手にかかれば肖像画の中のバッハの髪型も、格好良く現代風にアレンジしてくれるだろう。
かくして伝説のあの髪型が出来上がった。
しかしまったく新しいキムタクの髪型の評価は、意外にも当初は賛否両論だった。
多くの美容師曰く、あれはただの失敗パーマだったらしい。
だが、しばらくしてこの賛否の議論は好評で決することになる。
凡人が同じことをやれば、ただの失敗パーマに過ぎない。
しかし、そこはさすが時代の寵児・キムタク。
結局キムタクなら何をやっても格好良いという
結論に落ち着くことになった。
それほどみんなが憧れていた。
このエピソードが示す通り、当時のキムタクの存在こそが最高最強の証だったのかもしれない。
キムタク神話の最高潮は『ロングバケーション』なのである。
え?
あー、はい、もちろん真似しましたとも。
だけど、さすがにまったく同じ髪型にする勇気はなかった。
そりゃ無理でしょ。
世間にどれほどキムタクもどきが溢れていたことか。
もしかしたら江口洋介氏に憧れてロン毛(長髪)にしているかもしれないのに、世間ではすべてがキムタクもどき扱いされた。
実際、キムタクに寄せてはいましたけども(笑)
久しぶりに月9出演となった山口智子さんのキャスティングも実に絶妙だった。
記憶では、この時までドラマの出演がしばらくなかった山口智子さん。
だがそのカリスマ性は健在で圧倒的だった。
山口智子さんが出演するだけでヒットする。
もはや業界の伝説のような言い伝えを、見事立証してみせた。
でもね、そんな能書きなんかどうでもよくなるくらい可愛いのだよ、山口智子さんは。
女性が山口智子さんに憧れる理由がわかる。
脇をかためる俳優陣もあまりにも豪華だ。
竹野内豊氏をはじめて知ったのが『ロングバケーション』だったと思う。
キムタクの演じる役とは相反して、ちょっとアウトローでワイルドな役を演じた竹野内豊氏は衝撃的に格好良かった。
あの端正な顔立ちがアウトローとか、反則すぎるだろ。
憧れて、真似したくてもできないのが竹野内豊氏。
持って生まれたものが違いすぎる。
他にも、松たか子さん、稲森いずみさん、広末涼子さん、りょうさんが脇役という豪華さにも目を見張る。
皆さんの後の活躍をみれば、『ロングバケーション』がいかに影響力の強い作品だったのか窺い知れるというものだろう。
なかなか再放送されているのを、みたことがない『ロングバケーション』。
理由が版権の問題なのか何なのかはわからない。
思えば『東京ラブストーリー』も、なかなか再放送されていない作品だ。
もしかして人気作品の出し惜しみ?
本当に観たいドラマほど、簡単には観せてくれないようだ。
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