さよならメモリーズ / supercell (2010年)
『さよならメモリーズ』とは
『さよならメモリーズ』は、クリエイターチーム・supercellのシングル。
2010年2月10日にSony Recordsから発売された。
初回限定版には『さよならメモリーズ』ビデオクリップ同梱。
『メルト』『ブラック★ロックシューター』『ワールドイズマイン』といった、総再生回数2,000万回を優に超える数多くの名曲を送り出してきたsupercellのメジャーシングル第二弾。
名曲『君の知らない物語』に引き続きボーカルには、ニコニコ動画にて2008年3月まで「メルト」をはじめ多くの楽曲をカバーした動画をUPしてきたガゼルことnagiが参加している。
シングルのジャケットイラストはredjuiceが担当。
ファーストシングル『君の知らない物語』が新人としては異例の超ロングヒットしたことで、前作以上にその期待と注目を集めた。
中二病と呼ばれたって構うもんか!
失くしてしまったものこそ美しく眩しくうつる
アニメでも映画でも、元々切ない物語が好きな著者にとってsupercellの楽曲は酷く眩しく聴こえてくる。
なかでも『君の知らない物語』と並び称される本作。
もちろん両作とも中二病全開の詞が特徴だ。
初めてみた満開の桜
あれからどれくらい変われたのだろう
一目見た時に思ったんだ
この人の事 好きになりそうって
何でかな わからないよ
それからの毎日はとても楽しくって
だけど同じくらいに辛かったんだ
ごめんね なんかうまく言えないよ
だから私 キミとなんていうか
今のまま さよならしたくないの
友達のままじゃもう嫌なの
言おうと思っていた
私キミの、キミの事ずっとずっと
前から好きでした
ああ やっと言えた
歌い出しの「桜が咲くよ」からは、およそ想像もつかない着地点をみせる本作はメロディラインの構成も秀逸だ。
Aメロ・Bメロからガラリと展開を変えるサビのメロディはより深く印象付けられる。
さらにラストのサビから大サビへの盛り上がりは、歌詞の切なさを一層引き立たせてくれる。
前作『君の知らない物語』でもそうだったが、supercellはサビから大サビへかけての盛り上げ方が非常に巧い。
少しずつ変調しながらサビを二度重ね、トドメの大サビへ繋ぐ流れはsupercellお得意の手法。
そのメロディは切なすぎる歌詞との相乗効果で最高潮を迎える。
とうの昔に失くしてしまった気持ちが、今さら美しく眩しくうつって仕方ない。
本作を聴いていると、気持ちだけは年を取りたくないと強く感じる。
最近ではこんなベタな歌詞も滅多に見掛けることはなくなった。
それもこれも恋愛離れとやらの影響なのだろうか?
だとしたら哀しい限りだ。
「私キミの、キミの事ずっとずっと前から好きでした」
忘れたくなくても年を取れば忘れていってしまうこの感情は、若さの特権なのに…。
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