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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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【春なのに / 柏原芳恵(1983年)】柏原芳恵に提供して大ヒットし後に中島みゆきがセルフカバーした卒業式の定番曲。

 

 

 

 

卒業式の定番曲

春なのに / 柏原芳恵(1983年)

 

提供して大ヒットさせたのは中島みゆき

 

 

『春なのに』とは

 

 

『春なのに』は、1983年1月11日に発売された柏原芳恵の12枚目のシングル。

本楽曲は、シンガーソングライターの中島みゆきさんが作詞・作曲を手掛けている。

また、その後も中島さんは柏原さんに楽曲を提供している。
オリコンチャートでは最高位6位まで上昇、33.4万枚を売り上げ、柏原にとって『ハロー・グッバイ』に次ぐ大ヒットシングルとなった。

公称シングル売上は61万枚を記録。

TBS系「ザ・ベストテン」での最高位は2位。

また、同曲で「紅白歌合戦」への初出場を果たした。

1983年2月10日に発売された、この曲を含む同名タイトルのアルバムはオリコンチャート最高位4位、公称アルバム売上は32万枚であった。

柏原さんは自著『恋人模様』で「芳恵が選んだシングルA面曲ベスト5」の1位にこの曲を挙げている。

現在も卒業ソングの定番としてよく知られる楽曲である。

カップリングの『渚便り』は中島のカバー楽曲で、オリジナルは中島のアルバム「私の声が聞こえますか」(1976年)に収録されている。

 

 

春なのに

春なのに

  • provided courtesy of iTunes

 

 

春なのに

春なのに

 

 

 

どこかクセが強いイメージの中島みゆき作品

 

 

中島みゆきさんといえば、どこかクセが強い楽曲を歌うイメージがある。

『ファイト!』であったり地上の星であったり『空と君のあいだに』からは、強いメッセージ性を感じる。

提供曲として有名な『宙船』も、かなりのメッセージ性で溢れている。

歌詞提供のみの『MUGO・ん…色っぽい』『慟哭』ですら、中島みゆきブランドを感じられるほど彼女の作品は個性に満ちている。

そんな中で異彩(彼女の作品として)を放っているのが柏原芳恵さんに提供した『春なのに』である。

 

 

 

卒業式の定番曲
 

 

『春なのに』は、桜の儚さが漂う美しい楽曲である。

しかしその印象からは、中島みゆきさんらしくない作品でもあるように感じる。

力強い中島みゆき像からは、およそ想像がつかない。

しかし楽曲は素晴らしい。

さすがは不朽の名曲『糸』を生み出した中島みゆきさん。

その凄さは冒頭の一行にすべてが集約されている。

 

卒業だけが 理由でしょうか

 

この後に繋がる言葉は、この一行を膨らませるための言わば補足でしかない。

だが本作が名曲たる所以は、補足部もまた素晴らしいということ。

その最たるフレーズがこれだ。

 

卒業しても 白い喫茶店

今までどおりに 会えますねと

君の話はなんだったのと

きかれるまでは 言う気でした

記念にください ボタンをひとつ

青い空に 捨てます

 

状況が特定できる明確な言葉は何ひとつない。

だが想像をかき立てるワードが散りばめられ、シチュエーションは朧げながら伝わってくる。

そしてこの曖昧さがサビを大いに引き立ててくれている。

 

春なのに お別れですか

春なのに 涙がこぼれます

春なのに 春なのに

ため息 またひとつ

 

ボタンをもらう文化はまだ残されているのだろうか?

あれはあれで、なかなか素敵な儀式だったように思う。

学生時代は桜と同じ。

儚いからこそ、美しく感じる。

二度と戻れない青春時代。

あぁ、切ない春がまたやってくる。

 

 


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