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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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美しき日本語の世界。[其の三十三]

 

 

 

 

其の三十三

美しき日本語の世界。

 

 

初心にかえって日本語の魅力を再認識

故事成語の成り立ちを知れば言葉が面白くなる

 

 

学生時代。

国語(現国)の勉強の仕方がまったくわからなかった著者は、暇つぶしに横山光輝先生著『三国志』(全60巻)か便覧ばかりを読み漁っていた。

おかげで歴史にも興味を持てたしずいぶん余計な知識が増えた気もするが、知識が増えた分だけ言葉に説得力を持たせることも出来るようになったように思う。

何より、その時の経験が現在の日本語への興味に繋がっていることは疑いようがない。

その経験からこれまで幾度となく日本語の美しさを発信してきたつもりだが、肝心要の「あの時の気持ち」をお伝えし忘れていることに、今さらながら気付いてしまった。

本稿では改めて初心にかえり、シンプルだけど面白い故事成語の成り立ちの由来をご紹介したいと思う。

 

 

三国志 (1) 桃園の誓い (希望コミックス (16))

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三国志 全60巻箱入 (希望コミックス)

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実に言い得て妙…「矛盾」

 

楚の国に矛と盾を売り歩く商人がいた。

商人は、矛を売る時には「この矛はとても鋭いので、どんな堅い盾でも突き通す」と言い、盾を売る時には「この盾はとても堅いので、どんな鋭い矛でも突き通せない」と言っていた。

それを聞いた客のひとりが商人に問う。

「それでは、その矛でその盾を突いたら、どうなるんだ?」

商人は返答に困ってしまったという。

この矛と盾の話から、前に言ったことと後に言ったことの辻褄が合わないことを「矛盾」というようになった。

 

 

知れば納得…「蛇足」

 

中国の楚の国で、司祭者から召し使い達に祭りの酒が振る舞われた。

その酒は全員で飲むには足りない量だったため、召し使い達は話し合い、最初に蛇の絵を描き終えた者が酒を飲めることにし、皆で地面に蛇の絵を描きはじめた。

最初に描き終えた男は、皆がまだ描いているのを見て余裕を見せ、左手に杯を持ったまま右手で足を描き加えていた。

次に描き終えた者がこの絵を見て、「蛇に足は無い。あなたの描いた絵は蛇ではない」と言って杯を奪い取り、最初に描き終えた者は酒を飲むことができなかった。

楚の国が斉の国を攻撃した際、斉の陳軫が楚の宰相・昭陽に対し、この話を例にして「あなたは既に最高の地位にあり、勝ったとしても出世はないが、蛇に足を描き加えた者のように、余分な戦いをして失敗したら今の地位を失いますよ」と言って、軍を引き上げさせた。

この故事から、付け加える必要のない余分なものを「蛇足」というようになった。

 

 

正しい解釈を知れば視点も変わる…「五十歩百歩」

 

戦国時代のある時、梁という国の恵王が孟子に「私は凶作の地にいる民を豊作の地に移住させるなど、隣の国より人民のために良い政治を行っているのに、なぜ私の国には人民が集まらないのか」と尋ねた。

すると、孟子は「戦地で五十歩逃げた人が、百歩逃げた人を臆病者だと笑ったらどう思うか」と返す。

恵王は「どちらも逃げたことには変わりないのだから同じだ」と答えた。

孟子は「まさにそういうことです。自分では良い政治を行っているつもりでも、人民からすれば他の国と大差ないのです」と言った。

恵王の政治を戦場から逃げた兵士に例えて、他国と比べることを止め、まずは人民のことを第一に考えるべきだと説いたという。

そんな故事から現在では、どちらも大した違いがなく、同じように悪い例えとして「五十歩百歩」の言葉が遣われるようになった。

 

 

 

ひと言で意味を成す故事成語の面白さ

 

 

誰もが知っている言葉でも、成り立ちまでを知る人は意外と少ない故事成語

「矛盾」や「蛇足」はひと言で意味が通じる便利な言葉であるが、故事成語の優秀なところは別のところにあると著者は思う。

それは、仮に成り立ちを知らなくても字面だけで何となくでも直感的に意味が解るところだ。

矛と盾はそもそも相反するものだし、蛇に足は要らないでしょ?

だから無駄なもの。

わかりやすいし面白い。

なかでも著者が特筆したいのは「五十歩百歩」の成り立ちである。

「五十歩百歩」を、歩数の差だと勘違いしている人も多いのではないだろうか?

実は違って、逃げたことには変わりないという意味なのだけど、解釈のこの微妙な違いを知れば思考の視点も変わってくる。

物事の本質がどこにあるのかを、いちいち考えるようになってくる。

自由で柔軟な思考にとって、思い込みや固定観念は一番の障壁だ。

「五十歩百歩」の歩数が、その良い例である。

歩数だけに捉われていたら、意味は通じたとしても本質は見えてこない。

多角的に物事を考えようとするなら、表層的にみえているものの裏に隠されている何かを探さなくてはならないのだ。

そういう訓練をしたいなら、シンプルな故事成語は最適だ。

目から鱗の成り立ちの由来がわんさか出てくる。

もしあなたが、凝り固まってしまった思考に悩んでいるなら、故事成語の成り立ちを紐解いてみては如何だろう。

何か新しい発見が見つかるかもしれない。

 

 

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故事成語 エモい表現編

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