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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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ネタバレ注意【劇場版映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』】これぞ日本映画の真髄。独特の世界観で描かれるハイクオリティな極上サスペンス。

 

 

 

 

劇場版映画

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

 

 

岸辺露伴 ルーヴルへ行く』とは

 

 

岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(フランス語: Rohan au Louvre)は、フランスのルーヴル美術館とフュチュロポリス社が2005年より実施してきたBD(バンド・デシネ)プロジェクトの第5弾として、2009年に発表された荒木飛呂彦先生の漫画作品。

26×18.6センチの愛蔵版サイズ・123ページのフルカラー作品。

荒木飛呂彦先生の初のフルカラー漫画作品である。

フルカラーにした理由について、荒木氏は「BDプロジェクトに出展された4作品が全てフルカラーだと聞いたから」「そういう機会はめったに無いから」と説明している。

構成を3分割すると、日本が舞台の前篇、パリの中篇、ルーヴル美術館地下の後篇となり、段階的に色合いが遷移する。

前篇は和風旅館で過去なのでセピア、中篇のパリはピンク、地下ではブルーを基調に描かれる。

荒木氏は、従来の色使いで全編構成すると読み手が疲れると判断し、エンキ・ビラルやニコラ・ド・クレシー、マルク=アントワーヌ・マチューなどの作品を参考にフルカラー用の色彩感覚を学んだ。

物語は短編作品集『岸辺露伴は動かない』同様、漫画家の岸辺露伴を主人公として展開する。

露伴が主人公となった理由については、ウルトラジャンプ掲載のインタビューにて「新しくキャラクターを描き起こせばその人物紹介だけで何十ページも消費し、なかなかルーヴルの物語に入っていけないが、作者がキャラクターをわかっていれば、露伴を知らない読者にもスッと提示できる」と説明がされている。

漫画本編に加えて、巻末には「ARAKI HIROHIKO Meets MUSÉE DU LOUVRE」としてBDプロジェクトの解説やフランス取材記が収録されている。

 

 

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)

 

 

 

 

 

 

 

劇場版映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

 

 

荒木飛呂彦先生の大人気コミックジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ作品で、高橋一生氏の主演でテレビドラマ化されて2020年にNHKで放送された岸辺露伴は動かないの劇場版。

2023年5月26日に公開。

テレビドラマ『岸辺露伴は動かないのキャスト・スタッフが続投する形で制作された。

ルーヴル美術館でのロケも行われており、日本映画で同館での撮影許可が下りたのは万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』(2014年)以来2作目である。

 

 

映画ノベライズ 岸辺露伴 ルーヴルへ行く (集英社オレンジ文庫)

映画ノベライズ 岸辺露伴 ルーヴルへ行く (集英社オレンジ文庫)

 

 

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

 

 

 

あらすじ(劇場版映画)

 

 

次回作として故買屋をモチーフにと考えた岸辺露伴は、取材に訪れた骨董店で、美術品オークションに出品されるフランスの画家モリス・ルグランによる黒い絵を知って興味を抱き、その絵を落札するが、競売相手だった男らに絵を強奪される。

絵は手元に戻るが、その絵の裏にはフランス語でモリスによる「これはルーヴルで見た黒。後悔」という言葉が書かれていることが分かる。

同じころ、露伴は青年期に出会った女性・奈々瀬のことを思い出す。

露伴の祖母が運営する下宿に暮らしていた奈々瀬は、露伴の描く漫画に興味を示し「この世で最も黒く、邪悪な絵」の存在を教える。

露伴は奈々瀬に惹かれ、彼女をモデルとして漫画に描くが、その絵を見た奈々瀬は突然取り乱して漫画を切り裂き、露伴に詫びて姿を消す。

露伴は彼女が「最も黒い絵」がルーヴル美術館にあると示唆していたことを思い出し、その絵を見るため同美術館へ取材に行く決意をする。

泉京香とともにルーヴルを訪ねた露伴は、問題の絵である日本の画家・山村仁左右衛門の作品が、閉鎖され作品が保管されていないはずのZ-13倉庫にあると示される。

美術館関係者も把握していない事態に、露伴は通訳のエマ・野口や東洋美術のキュレーター・辰巳隆之介、消防士たちを伴う条件で絵の見学を許される。

一行はZ-13倉庫で、ヨハネス・フェルメールの作とみられる絵画を発見する。

辰巳はその絵を贋作と断言するが、真作であると見抜いた露伴は、辰巳らに抱いていた不信感とともに、青年期に絵を祖母宅に絵を引き取りに来たフランス人男性の記憶を思い出し、彼や辰巳、消防士らが美術館の所蔵品をモリスが描いた贋作にすりかえる犯罪グループであるとの推理を披露する。

露伴は辰巳らと格闘するが、その最中に職員たちは次々と幻覚を見て怯え、銃撃や火災などの怪異現象によって死亡してゆく。

彼らの見る幻覚と怪異がそれぞれの「後悔」や血縁者の罪に基づくものと気づいた露伴は、我が子の事故死による罪の意識から怪異に見舞われるエマを、京香に指示してその場から離れさせ救う。

やがて露伴は怪異を起こすものが倉庫奥にある仁左右衛門の絵であると気付き、自身の前にも、黒い顔料にまみれた武士の霊が現れる。

追い詰められた露伴の前に、和装の奈々瀬が現れ、武士を押しとどめ「何もかも、すべて忘れて」と露伴に告げる。

露伴はこれを好機に自らにヘブンズ・ドアーを仕掛けて脱出に成功、呪われた仁左右衛門の絵は倉庫内の火災によって焼失する。

帰国後、露伴は湖畔に打ち捨てられた奈々瀬と仁左右衛門夫妻の墓を見つけ出す。

露伴は奈々瀬の霊に再会し、彼女にヘブンズ・ドアーを仕掛け、江戸時代に生きていた夫妻の悲劇を読む。

藩の御用絵師家系だった仁左右衛門は、新しい絵画表現への挑戦を保守的な父に否定され、妻の奈々瀬とともに実家を出る。

しかし奈々瀬が病に倒れて困窮した仁左右衛門は父に頭を下げ家への復帰を頼み、条件として父を超える絵を描けと指示され、愛妻の黒髪の美を再現する絵に執着してゆく。

奈々瀬が神社の御神木から黒の樹液を発見し、理想の画材を得たと仁左右衛門は喜ぶが、神聖な木を傷つけたと告発される。

捕縛されようとする夫をかばった奈々瀬は役人たちに打ち据えられて死亡し、逆上した仁左右衛門は役人らを皆殺しにする。

彼が絶筆として、恨みを込めて描いた妻の肖像が呪われた黒い絵であった。

絵の呪いを解くため、自分の子孫にあたる露伴を巻き込んでしまったと詫びる奈々瀬に、露伴はあの夏も自分にとって必要な過去だったと伝え、奈々瀬は微笑んで彼の前から消える。

謎が解けた後、露伴は再び漫画家としての日常に戻ってゆく。

 

 


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独特の世界観で描かれるハイクオリティな極上サスペンス

 

 

美しいロケーションの数々

 

そもそも本作は、荒木飛呂彦先生の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険第四部・東方仗助編のサブキャラクターである岸辺露伴を主人公に据えたスピンオフ作品『岸辺露伴は動かないの、そのまたさらに特別編という位置付けにある作品。

話はまずジョジョの奇妙な冒険(通称ジョジョ)についてから始めなくてはならないが、ジョジョの世界観はとにかく独特。

いわゆる「ジョジョ立ち」に代表されるように、文字通りの奇抜というかなんというか、とにかくジョジョは好き嫌いがハッキリする作品である。

そのスピンオフ作品なのだから、もちろん岸辺露伴は動かないの世界観だって独特で好き嫌いがハッキリする。

ましてや主人公の岸辺露伴はイヤミの多い筋金入りの捻くれ者。

一般ウケするようなキャラクターではない。

それを具現化しようというのだから、普通に考えれば非常に難しい作業だったと思う。

岸辺露伴は動かないがドラマ化されると知った時、だから正直それほど期待はしていなかった。

ジョジョの実写化なんて、どだい無理な話だろうと思っていたからだ。

それがどうだ。

ファンタジー寄りのもともとの世界観をサスペンスへと置き換えて、そこに新たにダークなファンタジー要素をぶち込んだ。

これが大成功だった。

実写化に伴い、岸辺露伴は動かないは奇妙な世界観をそのままに、後味の悪くない極上サスペンスへと姿を変えたのだった。

それにはロケーションの素晴らしさが大きく影響している。

そのことが一番わかるのが露伴の自宅だ。

漫画家としての成功者・岸辺露伴を端的に表現している豪華な造り。

繊細で気難しい人柄を表現した街から少し離れた立地と、部屋に置かれた強いこだわりを感じる調度品の数々。

本棚に納められた本の量は、多岐に渡る岸辺露伴の知識量を物語っている。

すべてにおいてセンスが良い。

そしてそれは本作でも存分に活かされている。

メインの舞台となるのは二箇所。

ひとつはルーヴル美術館だが、ここに関しては言わずもがな。

撮影協力を得られただけあって、知られざるルーヴルの一面を観ることが出来る。

もうひとつは、若かりし頃の露伴が暮らしていた祖母が運営する旅館をリノベーションした下宿である。

これが実に趣のある建物で、本作のサスペンス色を一層強めていることは間違いない。

ジョジョの独特の世界観を具現化するのは、非常に難しい作業であったことは想像に易しい。

それを、ロケーションひとつで大方解決してしまった制作陣のアイデアとイマジネーションには、本当に頭が下がる思いだ。

本作で描かれる独特で奇妙でちょっぴり怖い不思議な世界観。

皆さんにも是非堪能してみてもらいたい。

 

 

練り込まれた時を超える壮大なシナリオ

 

おそらく、多くの人が本作を観始めて感じるであろうことがある。

意味がわからない、と。

原作を知らなければ、たぶん何ひとつわからない。

それが本作の始まりだ。

風呂敷を広げすぎているというか、伏線(後にそれだとわかる)をばら撒きまくった結果、序盤の内容はまったく要領を得ない。

それが中盤あたりから一気に収束し始める。

ばら撒いて張りめぐらされた細かい伏線がひとつひとつ回収され、一番大きな過去の謎が終盤で一気に回収される。

これが思いの外気持ちいい。

序盤の非常に曖昧でボンヤリした感覚がまるで嘘のように、最後はスッキリ終わってくれる。

本当によく考えられている素晴らしいシナリオだ。

考え抜かれ練り込まれた本作シナリオの秀逸さは、シリーズ屈指といえる。

 

 

テーマ色は "黒"

 

ドラマ『岸辺露伴は動かないで描かれる色彩感覚は非常に落ちついている。

空の色が黄色やピンクで表現されるようなジョジョの世界観とは打って変わって、シックな配色に終始する。

唯一飯豊まりえさんが演じる泉京香の衣装を除いて、奇抜な配色は一切ない。

そんな唯一の存在である泉京香の衣装を楽しみにしているファンは少なくないだろう。

しかしそんな彼女が本作では黒の衣装に身を包んだ。

高橋一生氏が演じる岸辺露伴も、いつも以上に衣装を黒で統一。

おまけにサングラスまでかけているのは、シリーズ初。

このことは本作のテーマ色が "黒" だったことに起因しているのだろうが、これが殊の外著者にはハマった。

元々岸辺露伴の衣装は好きな質だが、本作に至っては格好良さが半端ない。

おまけに連れている泉京香の衣装も落ち着いた大人の女性を演出していて、パリの街によく映える。

おかげで唯一の彩りを失ってしまったわけだが、それを差し引いても余りある恩恵だったのだと著者は感じている。

ちなみに岸辺露伴は劇中でこんな言葉を残している。

なんだ、その格好は。

ここは先人の作品の眠る場所だ。

敬意を払え。

なるほど、普段よりも格好良いわけだ。

 


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出演者の圧倒的な演技力と考え抜かれたキャスティング

 

岸辺露伴は動かないでの高橋一生氏の演技には、すでにファンから一定の評価を得られている。

著者も激しく同感で、もはや岸辺露伴高橋一生氏以外に演じられないとさえ思うほどだ。

相棒役を務める飯豊まりえさんも素晴らしい。

彼女が演じる泉京香は、原作では実はレギュラーキャラではない。

しかし飯豊まりえさんの好演が、泉京香をレギュラーキャラへと押し上げたと言っても決して過言ではない。

そして本作。

ヒロインには木村文乃さんが迎えられている。

特段不思議がるようなことでもないけれど、本作ではあまりない(こういう表現もなんだが)ビッグネームのキャスティングだ。

その理由が、本作の壮大なシナリオをみた時に初めてわかった気がする。

本作では日本とフランスをメインの舞台としながらも、"過去" も謎を解くための重要な舞台となる。

"過去" が舞台、それすなわち時代劇の要素が盛り込まれているのだ。

これは本作としては非常に稀なことであるが、結末を知れば納得。

だが問題もある。

主演の高橋一生氏は大河ドラマでも好演を魅せているから問題ないが、その相方となると役者を選ぶ。

そこで白羽の矢が立ったのが木村文乃さん。

彼女の確かな演技力は、たとえそれが時代劇でも定評がある。

本作の時代劇シーンは、さながら本格時代劇。

この二人の、大河ドラマをも凌駕するような本格時代劇シーンでの好演は、本作に時代劇を盛り込むという違和感を見事払拭している上に、サスペンスの重みをしっかりと守っている。

どこかで "らしくない" と感じていた木村文乃さんのキャスティングも、本作にとってはなくてはならない演出のひとつだったということだ。

 

 

 

 

 

 

 

これぞ日本の映画の真髄

 

 

本作は、おそらくかなりの低予算で制作されている。

しかしそのハンデを補って余りあるクオリティは、見事と言う他ない。

そのクオリティを支えているのが、演者の演技力とロケーションと秀逸なシナリオ。

この3つの要素が圧倒的に際立っている。

そして何より、実に日本映画らしかったことがとても素晴らしいと感じた。

派手なアクションシーンなんてほとんどないし、号泣するほどの感動シーンもほとんどない。

一番の見せ場・山場だって、言うほど大したものではない。

だが、それでも良い作品だったと心から思う。

引かれたすべての伏線が回収され、観終わった後じんわりと残る、えも言われぬ満足感。

この "じんわり" という感覚が著者は好きだ。

こういう感覚が味わえる日本の映画が好きだ。

もし同じような感覚の人がいたなら、是非本作をご覧になっていただきたい。

きっと "じんわり" とした満足感を得られることだろう。

 

 


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