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ioritorei’s blog

完全趣味の世界

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はじめて聴いた時より今の方がずっと魅力的な名曲【ZOO / ECHOES (1989年)】他者と違うことへの反発は、時代がうつろい多様性の認め合いへ。

 

ZOO / ECHOES (1989年)

 

 

他者と違うことへの反発は、時代がうつろい多様性の認め合いへ

 

 

 

 

 

 

 

はじめて聴いた時より今の方がずっと魅力的な名曲

 

 

ふと懐かしい音楽を耳にすることがある。

TVやラジオで流れてくる懐かしい曲の数々。

時に「あれ?こんな良い曲だったかな?」なんて感じる曲も中にはあったりするから音楽は面白い。

本稿ではそんな「はじめて聴いた時より今の方がずっと魅力的な名曲」ばかりを取り上げていこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

「ZOO」とは

 

 

ECHOES※1「ZOO」は、1989年3月21日に、CBSソニーから6枚目のシングルとして発売。

TBS系ドラマ『はいすくーる落書の劇中歌(挿入歌は主題歌と同様に、THE BLUE HEARTS)、フジテレビ系ドラマ『愛をください』主題歌。

シングルヴァージョンはフェイドアウトするタイミングがアルバムヴァージョンより早い。

1989年のオリジナル盤収録の「SURPRISE」はオリジナル・アルバム未収録曲であり2010年の『GOLDEN☆BEST ECHOES』にて発売21年にしてアルバム初収録。

主題歌に起用されたことにより本作は2000年に新たに再発売。

2000年に再発の際、オリコンで初登場19位を記録。

この時点で、ECHOESのシングル中、最高順位・最高売上を更新した(どちらもそれまではオリジナル盤の「ZOO」)。

4週目で初のTOP10入りし、6週目で最高順位である4位を記録、6週間TOP10をキープした(うち2週は「ZOO 〜愛をください〜」※2と同時)。

最終的に50万枚以上を売上、ECHOES最大のヒット曲となった。

既に解散から長い年月が経っていながら過去発売曲が大ヒットとなったのは稀有である。

アルバム・ヴァージョンを基にマイケル・ツィマリングにより新たなミックスが施された。

2000年再発盤シングル( C/W「GENTLE LAND」)はアルバム・リマスター盤に収載されているディスコグラフィには「ZOO (new mix)」と記されている。

本作の発売を機にベスト・アルバム(マイケル・ツィマリング・ミックス)が発売、一夜限りの再結成・日本武道館ライブが催された。

2002年には、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊シニアボランティア募集CMソングに採用されている。

 

※1.ECHOES

ECHOES(エコーズ)は、現在は作家としても活動中の辻仁成氏を中心に結成されたロック・バンド。

1981年結成。

1985年にCBSソニー(現・ソニー・ミュージックレーベルズ)よりデビュー。

7枚のオリジナルアルバムを残し、1991年に解散。

 

※ 2.「ZOO 〜愛をください〜」

「ZOO 〜愛をください〜」は、菅野美穂さんがフジテレビ系ドラマ『愛をください』に主演した際の役名「蓮井朱夏」名義で唯一リリースしたシングルで、2000年9月7日に発売された。

この曲は、菅野美穂さんがドラマで演じた遠野李理香(芸名:蓮井朱夏)がドラマ内で披露した曲を、実際に発売したもの。いわゆる企画作品(バーチャルアーティスト作品とも呼ばれる)の類。

本作シングル発売に先行して、2000年7月にECHOES版シングル、8月に川村かおり版シングルが再発売されている。

辻仁成氏はプロデュースの他、バッキング・ヴォーカルでも参加している。

菅野さんがこの曲をテレビで披露したのは、ドラマを放送していたフジテレビ系列の『HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP』と『堂本兄弟』だけであった。

 

 

ZOO

ZOO

 

 

 

 

 

 

 

他者と違うことへの反発は、時代がうつろい多様性の認め合いへ

 

 

本作を広く世に知らしめたのはフジテレビ系ドラマ『愛をください』なのだろう。

ドラマ自体は観ていないが、この時初めて本作を知った記憶だけは残っている。

しかしそれよりずっと昔、TBS系ドラマ『はいすくーる落書の劇中歌に使用されていたことには非常に驚いている。

TBS系ドラマ『はいすくーる落書

朧げな記憶しか残っていないが、非行…いわゆるヤンキー、ツッパリをテーマにした作品だった(と思う)。

主題歌はTHE BLUE HEARTS「情熱の薔薇」(正確にははいすくーる落書2の主題歌)。

 

 


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「情熱の薔薇」の印象ばかりで、本作の記憶はまったく残っていなかった。

だが改めて歌詞をじっくり眺めてみると、端々にバンドブーム時代の名残りが感じられて非常に面白い。

一見すると、人間に喩えた動物をただ羅列しただけの歌詞。

しかしよくよく聴いてみると、それが自身と他者の自嘲と自重であることがよくわかる。

 

 

僕達はこの街じゃ夜更かしの好きなフクロウ

本当の気持ち隠している そうカメレオン

 

朝寝坊のニワトリ

徹夜明けの赤目のウサギ

誰とでもうまくやれるコウモリばかりさ

 

 

白鳥になりたいペンギン

なりたくはないナマケモノ

失恋しても片足で踏ん張るフラミンゴ

 

遠慮しすぎのメガネザル

ヘビににらまれたアマガエル

ライオンやヒョウに頭下げてばかりいるハイエナ

 

 

おしゃべりな 九官鳥 挨拶しても返事はない

気が向いた時に寂しいなんてつぶやいたりもする

"しゃべりすぎた翌朝落ち込むことの方が多い"

あいつの気持ちわかりすぎるくらいよくわかる

 

 

見てごらん

よく似ているだろう

誰かさんと


ほらごらん

吠えてばかりいる素直な君を

 

 

ほらね

そっくりなサルが僕を指さしてる

きっと

どこか似ているんだ僕と君のように

 

 

ZOO

ZOO

  • ECHOES
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 


www.youtube.com

 

 

本作が主題歌に起用されたフジテレビ系ドラマ『愛をください』は観ていないのでよくわからないが、TBS系ドラマ『はいすくーる落書の挿入歌に起用された意味ならよくわかる。

当時は他者と違うことを、非行の始まりとされた。

The Beatlesを聴いていれば不良とされた時代をまだ引きずっていたのだろう。

当然本作も、当時は他者との違いに反発した曲という認識だった。

歌詞は他者をあらゆる動物に喩えることで、人は皆たいして変わらないのだと主張する反面で、「そっくりなサル」と他者と違う自身を卑下し自嘲している。

それでも誰かに愛されたいと願う気持ちの表れからだろうか、「どこか似ているんだ僕と君のように」と自重し「愛を下さい」と結ぶ。

本作から感じられる哀愁は、まるで群れからはぐれた動物のそれであり、本当は群れの中に在りたいという願望の表れだった。

それがうまくいかないから苦しむのだ、と。

その感覚は今も昔も変わらないのだろうが、今と昔で決定的に違うことがある。

それは他者との違いを悪戯に否定しづらい世の中になったことだ。

昔よくあった他者との違いへの反発は、今では多様性の認め合いを訴える曲へと変貌したのだ。

そう考えると、本作こそ真の意味で "はじめて聴いた時より今の方がずっと魅力的な名曲" なのかもしれない。

こういう個性的な詞はバンドブーム時代ならではなのだが、一周回って現代にジャストフィットした。

時代の移り変わりとは、本当に面白いものである。

 

 

バンドスコア ZOO/ECHOES (LBS275)[オンデマンド楽譜]

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ちなみに余談ではあるが、この曲にインスパイアされて出来たのが『北極百貨店のコンシェルジュさん』…なんて想像してみるのも、また面白い。

 

 

映画『北極百貨店のコンシェルジュさん』(通常版) [Blu-ray]

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