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ioritorei’s blog

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【映画『ミステリと言う勿れ』】若手実力派俳優陣の演技力が際立つ新感覚ミステリーの劇場版。

 

映画

ミステリと言う勿れ

※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

若手実力派俳優陣の演技力が際立つ新感覚ミステリーの劇場版

 

 

 

 

 

 

 

映画『ミステリと言う勿れ』とは

 

 

天然パーマの大学生が事件の謎も人の心も解きほぐす、新感覚ミステリー!

 

累計発行部数1800万部を突破している田村由美による大人気漫画を原作とし、2022年1月期のフジテレビ月曜9時枠にて放送された連続ドラマ『ミステリと言う勿れ』

天然パーマがトレードマークで友達も彼女もいない、カレーをこよなく愛する大学生の主人公・久能整くのうととのうの、時に優しく、時に鋭い魔法のようなお喋りだけで、いつの間にか登場人物たちが抱える様々な悩みも、事件の謎までも解かれてしまうという新感覚ミステリーは、放送を開始すると瞬く間に話題となり、高視聴率を記録。

放送直後から開始された見逃し配信では、放送当時民放歴代No.1の記録を樹立し、2022年日本民間放送連盟賞・番組部門テレビドラマ優秀賞やTVerアワード2022特別賞を受賞するなど、一大ブームを巻き起こした!

2023年秋−−−『ミステリと言う勿れ』が映画になって帰ってきた!
主人公・久能整を演じるのは、ドラマ放送時に 「見事な天然パーマでおしゃべりする姿はまさに整そのもの!」と圧倒的支持を受けた菅田将暉氏。

スタイリッシュで独創的な演出で観る人の心を引き込む松山博昭氏がテレビシリーズから引き続き監督を務める。

そしてこの映画で描かれるのは、原作ファンの間でも人気の高いエピソード【通称 "広島編"】

広島を訪れた整が、代々、遺産を巡る争いで死者さえ出るといういわく付きの名家・狩集家の遺産相続事件に巻き込まれていくという物語に、豪華キャストが集結。

狩集家遺産相続者は全部で4名。

全員いとこ同士で一人目は、通称 "広島編" のヒロインとして、整を狩集家の遺産相続事件に巻き込んでいく狩集汐路を原菜乃華さん。

二人目は、メガネをかけたインテリな臨床検査技師の狩集理紀之助に町田啓太氏。

三人目は、ヤンチャな性格だが根は真面目な波々壁新音に萩原利久氏。

そして、最後の四人目は、専業主婦で幸という一人娘がいる赤峰ゆらに柴咲コウさん。

そして、狩集家お付きの弁護士の孫で、汐路の初恋の人・車坂朝晴を松下洸平氏が演じる。

 

 

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あらすじ

 

 

天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(菅田将暉)は、美術展のために広島を訪れていた。

そこで、犬堂我路(永山瑛太)の知り合いだという一人の女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会う。

「バイトしませんか。お金と命がかかっている。マジです。」

そう言って汐路は、とあるバイトを整に持ちかける。

それは、狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。

当主の孫にあたる、汐路、狩集理紀之助(町田啓太)、波々壁新音(萩原利久)、赤峰ゆら(柴咲コウ)の4人の相続候補者たちと狩集家の顧問弁護士の孫・車坂朝晴(松下洸平)は、遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」というお題に従い、遺産を手にすべく、謎を解いていく。

ただし先祖代々続く、この遺産相続はいわくつきで、その度に死人が出ている。

汐路の父親も8年前に、他の候補者たちと自動車事故で死亡していたのだった…

次第に紐解かれていく遺産相続に隠された<真実>。

そしてそこには世代を超えて受け継がれる一族の<闇と秘密>があった――― 。

 

 


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登場人物

 

 

それがドル箱になると睨んだなら、どんなに予算が重もうがちょい役にすら豪華俳優陣をしっかりブッキングしてみせる、実にフジテレビらしいキャスティング。

 

 

久能整(くのう ととのう)

演 - 菅田将暉

 

主人公。

 

 

狩集汐路(かりあつまり しおじ)

演 - 原菜乃華(幼少期:川田秋妃)

 

ヒロイン。

狩集家の遺産相続候補者の1人。

整を遺産相続事件に巻き込んでいく高校生。

 

 

車坂朝晴(くるまざか あさはる)

演 - 松下洸平

 

狩集家お付きの弁護士の孫であり、自身も弁護士を目指している。

汐路の初恋の相手。

 

 

狩集理紀之助(かりあつまり りきのすけ)

演 - 町田啓太

 

臨床検査技師

汐路、ゆらのいとこで、狩集家の遺産相続候補者の1人。

 

 

波々壁新音(ははかべ ねお)

演 - 萩原利久

 

サラリーマン。

汐路、ゆら、理紀之助のいとこで、同じく狩集家の遺産相続候補者の1人。

 

 

赤峰ゆら(あかみね ゆら)

演 - 柴咲コウ

 

汐路のいとこで、狩集家の遺産相続候補者の1人。

専業主婦。

 

 

狩集ななえ(かりあつまり ななえ)

演 - 鈴木保奈美

 

汐路の母。

 

 

狩集弥(かりあつまり わたる)

演 - 滝藤賢一

 

汐路の父。

8年前に交通事故死している。

 

 

赤峰一平(あかみね いっぺい)

演 - 野間口徹

 

ゆらの夫。

 

 

鯉沼鞠子(こいぬま まりこ)

演 - 松坂慶子

 

汐路たちの亡くなった祖父・幸長のいとこ。

 

 

真壁軍司(まかべ ぐんじ)

演 - 角野卓造

 

狩集家の顧問税理士。

 

 

車坂義家(くるまざか よしいえ)

演 - 段田安則

 

狩集家の顧問弁護士。

朝晴の祖父。

 

 

志波一巳(しば かずみ)

演 - でんでん

 

広島県警の刑事。

8年前の交通事故を担当。

 

 

犬堂我路(いぬどう がろ)

演 - 永山瑛太

 

ある事件で整と出会った謎の青年。

汐路に整を紹介する。

 

 

原奈津子(きみはら なつこ)

演 - 松嶋菜々子

 

パワーストーンアクセサリーデザイナー。

幕末に現在の狩集家が家を乗っ取った際に使用人達によって逃され唯一生き延びた当主夫婦の幼い一人娘の子孫であり、狩集家の正統な末裔である。

狩集家から逃げる際に彼女が持って逃げた人形は先祖代々彼女の血を引く一族の長女が継承しており現在は彼女が継承している。

 

 


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若手実力派俳優陣の演技力が際立つ新感覚ミステリー

 

 

「久能整役」菅田将暉

 

主人公の久能整は、感情をあまり表に出さず、基本的に仕草や動作もないので役者の表現範囲が狭まってしまうため「その状況でも説得力を出せる」「すごい情報量を話しながら間を芝居で埋められる」俳優として菅田将暉氏に白羽の矢が立った。

監督の松山博昭氏は、当初原作を読んだ時に、「ものすごい言葉の情報量であり、漫画はページをめくって戻ることもできるけれど、文字のないドラマの場合、この情報量が視聴者に届くのか」という不安があったが、「これだけ情報量の多いセリフを視聴者が耳で聞いて理解できるというのは、菅田の力によるもの」で、「リズムや口調にも表れていると思いますが、菅田さんが言葉の意味一つ一つを徹底的に考え抜き、自分の中で完全に咀嚼(そしゃく)した上で、言葉を発したので、菅田さんが整としてしゃべるときは言葉が完全に可視化されているから、聞く人にもその景色が浮かぶ」と、主人公の動きが少ない制約の中での菅田氏の演技を評価する。

好みの問題もあるだろうが、菅田将暉氏の演技が個人的に大好きだ。

作品の有名無名にかかわらず、前評判がどうであれ、菅田氏が出演している作品はとりあえず観てみることにしている。

不思議なことに、そうやって観た作品にほとんどハズレがない。

そもそも脚本が面白いのか、はたまた演出が素晴らしいのか、それとも役者の演技ねはクオリティが評価を底上げしているのか…。

我々は完成形しかみていないからどんな過程を経てその作品が面白くなっているのかを詳しく知らないが、菅田将暉という俳優には観る者を惹きつける華があると常々感じている。

どの作品でも、菅田氏が演じるキャラクターは常に個性が際立っている。

本作主人公である久能整もそのひとりだ。

久能整役が務まるのは、もはや菅田将暉氏以外に考えられない。

他作品のどんなキャラクターでもそう思わせてくれる菅田氏の演技力は、だからやはり卓越したものなのだろうとしみじみ思う。

 

 

「車坂朝晴役」松下洸平

 

松下洸平氏は数々の話題作に出演し、その演技力で存在感を示す俳優である。

舞台や映像作品など、さまざまな分野で活躍しておりその演技力には定評がある。

2018年には、舞台『母と暮せば』の演技で第73回文化庁芸術祭の演劇部門新人賞を受賞。

翌2019年には連続テレビ小説『スカーレット』でヒロインの夫役を演じ、一躍話題となっている。

その実力が本作でも存分に発揮されている。

本作が新感覚ミステリーと呼ばれる所以は、特徴的な謎解きももちろんだが、従来のミステリー作品の犯人像とはかけ離れたその特異性にある。

本作で描かれる犯人たちには、ある共通した特徴がある。

まず、激昂することがほとんどない。

けっして感情的になることはなく、悪びれもせずにただ粛々と淡々と犯罪を犯すクールな犯人像。

そのことがよくわかる代表的な例が、ドラマ版『ミステリと言う勿れ』episode2「バスジャック事件」での犯人・煙草森誠である。

 

 


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狂気を、それが狂気だとまるで自覚していない煙草森誠から感じられる静かな恐怖は、演じた森下能幸氏の名演技の賜物であろう。

本作ではこの煙草森誠と同種の恐怖を、車坂朝晴役を演じた松下洸平氏の演技から感じることができる。

松下洸平氏はもともと好きな俳優のひとりだが、他作品での役柄は基本良い人。

本作のような役柄を演じている記憶は皆無に近い。

まさに新境地といえるが、面白いのは森下能幸氏も松下洸平氏も、凶悪犯罪者というその事実さえなければ、まるで何も演じていないかのような自然体で非常にナチュラルな演技に徹していることである。

親しみのある、いわゆる良い人。

面白いことにそこに凶行が加わった瞬間から、恐怖に変わる。

この種類の恐怖は本作ならではの、新感覚の恐怖と呼んでいいのではないだろうか。

 

 

 

ドラマ版同様劇場版も独特な名言のオンパレード

 

 

本作の主人公である久能整は、特徴が無いようで実は非常に特徴的なキャラクター。

土日にはよくカレーを作たり、趣味は絵画鑑賞で特に印象派を好みグッズを集めたり、パワーストーンや星座に詳しいなど、いわゆる女子力高め男子。

興味を持った人間には例え犯罪者であろうと積極的に話しかけるが、興味のない人間からは干渉されても無視したり冷たい態度をとる。

「僕は常々思うんですが」が口癖で、気になる事があると相手構わず思ったことを喋り出す。

記憶力と観察力、事実から推測する力に優れ、相手のちょっとした言葉のあやから心理を見ぬくのが得意。

意図的に相手を刺激して怒らせ、本音を引き出したりもする。

社会では「当たり前」とされている常識にも常に疑う視点を持ち、本人としては思ったことをそのまま話しているだけに過ぎないが、それが事件の真相解明に繋がったり、悩みを解決に導いたり、傷つけられた人の心を救ったりすることもある。

常識に捉われない柔軟な思考と視点の斬新さ。

おまけに揚げ足取りが非常に上手い高い語彙力で、ドラマ時代から多くの名言を残してきた。

本作でもその姿は健在で、2時間ほどの作品の中でいくつもの名言を残している。

久能整の名言は通常の感覚とは少し違って、本人同様少し変わった言葉が多い。

視点の違いからくる、いわゆる目から鱗の言葉というやつだ。

それでも人の胸を打つ、印象的ではあるが非常に独特な名言の数々。

それで救われたと感じる人も、けっして少なくないと思う。

久能整の名言を聞くだけでも、本作を観る価値があるといえるのではないだろうか。

 

 

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