ドーラ「あたしの若い頃そっくりだよ」発言の真偽
『天空の城ラピュタ』とは
『天空の城ラピュタ』は、1986年8月2日に公開されたスタジオジブリ初の長編アニメーション映画作品。
監督は宮崎駿氏。
監督である宮崎氏の小学校時代に考えていた架空の作品が骨子となっており、原作となる作品が存在しない初のアニメオリジナルの監督作品である。
製作は徳間書店。
高畑勲氏の映画『柳川堀割物語』の製作遅延により資金調達に追われた宮崎氏が、徳間書店の鈴木敏夫氏に相談したことから企画が立ち上げられ、この映画をきっかけに設立されたスタジオジブリ制作映画の1作品目となった。
次第に高年齢向けになっていくアニメに対して、マンガ映画の復活を目標に小学生を対象に古典的な冒険活劇として企画され、それが結果的に大人の鑑賞に耐えうる作品になるというのが宮崎氏の方針であった。
興行こそ数字的には振るわなかったものの、配給した東映による観客満足度調査は97.7%と非常に高く、物語は幅広い年齢層に支持され、ビデオソフト化による販売は好調であった。
「ラピュタ」という名称は、スウィフトの『ガリヴァー旅行記』に登場する、空を飛ぶ島にある王国「ラピュタ王国(英語版)」からとったもの。
劇中に空飛ぶ島の物語を空想した人物としてスウィフトの名前も出てくるが、名前の借用以外は『ガリヴァー旅行記』との関連はない。
19世紀後半、産業革命期のヨーロッパを元にした架空世界での冒険を描く。
あらすじ
スラッグ峡谷に住む見習い機械工の少年パズーは、ある日、空から降ってきた不思議な少女を助ける。
その少女シータは、浮力を持つ鉱石「飛行石」を身につけていた。
そしてその不思議な石を手に入れようと、政府機関や海賊たちが迫ってくる。
バズーとシータは飛行石をめぐる陰謀に巻き込まれ、やがて「ラピュタ帝国」にいざなわれてゆく。
空中海賊「ドーラ一家」の女首領・マ=ドーラ
マ=ドーラ(Dola)
声 - 初井言榮 / クロリス・リーチマン(ディズニー英語版)
空中海賊「ドーラ一家」の女首領にして、飛行船・タイガーモス号の船長。
50代。
フィルムブック『ロマンアルバム』には60才位という記載もある。
頭が良く決断力に富み、三人の息子や子分達以上の健脚で、無類の食欲と物欲、「女は度胸だ」と豪語し自ら危険にも果敢に飛び込む胆力の持ち主。
間が抜けている息子や子分達に嘆息し「バカ息子共」「バカ共」とどなり散らして恐れさせる一方、失意のパズーを一喝した後に受け入れ、おさげを切られたシータを抱き締めていたわる等の度量の深さや優しさも併せ持っている。
また、伝声管でパズーとシータの会話を聞いていた際に、まんざらでもない笑みを浮かべたり「見かけよりいい人」というパズーの言葉に目を見開いて驚きの表情を見せたりもしている。
タイガーモス号やオートモービル等様々な乗り物やランチャー (一家が主に使う弾は目つぶし用のマスタード榴弾。つまり催涙弾)等武器の扱いも優れている。
一家は人殺しをしない。
一家が狙うのは金持ちの乗った豪華客船。
小説等では「面倒見が良く、アジト近くで子供が産まれたと聞くと、出産祝いに石炭半年分を贈ったりする為、人々の評判もいい」「軍の捜索の手が伸びてくると、村人が軍より早く知らせにくる為、今まで一度も捕まった事がない。それは国中に情報網とアジトを構築した為」という記述がある。
また、ムスカと並ぶ暗号解読の天才でもあり、軍が飛行戦艦を呼ぶ無線暗号を「ANGO」というタイトルの本で瞬時に解読する他、そろばんを「東洋の計算機」と称して素早く使いこなし、航法計算を行っている。
当初は高価と踏んだ飛行石のみを追い求め、石を持つシータ(後に彼女を助けたパズーも)を追っていたが(小説では昔からラピュタと飛行石の伝説を知っており、石を使いラピュタの財宝を手に入れる為、映画同様に軍の無線を聴いて知った、石を持つシータの乗る飛行客船を襲う)、パズーの証言や政府の動きからラピュタ実在を確信し、軍に先んじてラピュタの財宝を手に入れる事をもくろむ。
パズーの証言でシータが石を働かせる鍵となる事を知り、シータを救い出さんとするパズーの決意と覚悟を認めてからは彼に助力し、後に2人をタイガーモス号に仲間として受け入れ、2人をラピュタ発見の足がかりとしつつ、良き理解者となる。
パズーからは「おばさん」、シータからは「おば様」と呼ばれている。
パズーに対して当初は「船長とお呼び」と言っていたが、後に訂正しなくなっている。
映画本編では、タイガーモス号の私室に掲げた若かりし頃の肖像画を見る事が出来る。
亡き夫は天才科学者であり、タイガーモス号及びフラップターは夫の形見。
小説版では、ドーラ達はもともと海に浮く船に乗る海賊だったが、亡夫が誘拐同然に連れて来られ、彼が前述の乗り物を発明した後、空中海賊になったという。
小説版では、別れの際にパズーへ「あたしの夫のように立派な男になるんだよ」と言葉をかけた。
半年後のエピローグには新たな飛行船で軍の給料を奪う等、その後も一家で空で活動を続けている記述がある。
宮崎駿監督は、自作の中で一番思い入れの深いキャラクターにドーラを挙げている。
キャラクターモデルは宮崎監督の母親との事。
映画エンドクレジットでは「ドーラ」と表記されている。
シータはドーラの若い頃にそっくり?
ドーラは作中で「(シータは)あたしの若い頃そっくりだよ」と発言し息子たちを戸惑わせる。
スタジオジブリHPより
スタジオジブリHPより
息子たちは「え?ママのようになるの?」「あの子が?」と目を見合わせる。
さらにその後、涙を流すシータを見て「信じられるか?あの子がママみたいになるんだぞ」などとしみじみ言うシーンも…。
ドーラの豪快さを散々見せつけられた視聴者も、同じ思いだったに違いない。
シータとドーラを見比べてみれば、息子たちとまったく同じセリフしか思い浮かばない。
しかしドーラのこのセリフ。
まんざら嘘ではないようだ。
それは本作で一家の飛行船「タイガーモス」でのワンシーン。
タンスの上の壁に、ドーラと同じおさげ髪をしている若い女性の肖像が飾られており、5秒ほど画面に登場する。
ドーラの若かりし頃の姿であろうこの肖像画には、たしかにシータに似た美女が描かれているのだ。
過去に金ローで放送された際、番組の公式ツイッターアカウントで紹介され話題になった。
部屋の壁に、#ドーラ の若い頃の肖像が飾ってあるのに気づきましたか?#シータ のことを「あたしの若い頃にそっくり」と言っていますが、あながち嘘ではないのかもしれませんね⁉️#ラピュタ #天空の城ラピュタ #パズー pic.twitter.com/KYzQSXxkl8
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) 2019年8月30日
少し拡大してみよう。
たしかにそこにはシータにそっくりな若い女性の姿が…。
しかも快活そうな美女が…。
「え?ママのようになるの?」
「あの子が?」
「信じられるか?あの子がママみたいになるんだぞ」
この肖像からドーラの人柄が滲み出ているだけに、息子たちのこのセリフの重みを感じる。
まさに人に歴史あり。
ドーラのモデルは宮崎監督の母親だった
さらに、金ローは2017年にツイッターで、ドーラのモデルが宮崎監督の母親だとも説明。
母親は病気がちだったものの、「その精神的迫力はドーラさんに通じるものがあったそうです」とし、宮崎監督の「兄弟男ばかり4人そろってもおふくろには太刀打ちできなかった」と言うコメントも紹介した。
ドーラは宮崎監督の思い入れの強いキャラクターなのだという。
男兄弟が太刀打ちできない様子は、ドーラとその息子たちに通じるものがある。
こうした裏話を知った上で本編を見ると、ドーラの印象が少し変わるかもしれない。
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