劇場版アニメ
シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)
『シティーハンター』とは
『シティーハンター』 (CITY HUNTER)は、北条司先生による漫画作品、およびこれを原作としたアニメ・映画等のメディアミックス作品。
読切として描かれ好評であった『シティーハンター -XYZ-』、『シティーハンター -ダブルエッジ-』を元に「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)誌上において1985年13号から1991年50号にかけて連載。
前作『キャッツ♡アイ』に続く北条司先生2作目となる連載作品。
単行本はジャンプ・コミックスより全35巻。1996年から1997年にかけて文庫版が全18巻で発売されている。
また、2004年から2005年にかけては『CITY HUNTER COMPLETE EDITION』として完全版が徳間書店より全32+3(X,Y,Z)巻で発売(X・Y巻はイラスト集、Z巻は読切版等を収録)。
完全版では未収録ページ(扉絵など)の復活収録やカラーページの再現、加筆修正などが行われている。
2020年12月時点で単行本の累計発行部数は5000万部を突破している。
東京・新宿で殺し・ボディーガード・探偵等を請け負うスイーパー「シティーハンター」の活躍を描くハードボイルドコメディ。
現代劇として描かれたため、連載時の1980年代後半が舞台で、「シティーハンターが美人の依頼人から仕事を受け、その依頼を数話をかけてこなす」というのが基本構成となっている。
全体を通しての伏線などはあるものの、依頼人・仕事の内容はその都度異なり、問題を解決した依頼人は原則として再登場せず、各依頼の繋がりもない。
ジャンプ1980年代を担ったヒット作だが、少年誌への掲載としては内容がかなり大人向きのため単行本の売上とは裏腹に誌面での人気はさほど高くなかった。
特に連載初期は正統派ハードボイルド色が極めて濃かったため人気が振るわなかった。
このためテコ入れという形で、もう少し明るい作風にするという目的で「もっこりとかやっちゃったら？」という当時の担当編集者であった堀江信彦氏からのアドバイスを北条先生が真に受け、本当にもっこりを描いたことがきっかけで作風自体がコメディ色を色濃くしていき、結果的に人気作品へとなっていった。
その後も担当編集者のサポートで連載は続けられたが、1990年代に入るとジャンプ編集部内での混乱が続き、執筆に支障をきたす。
最終的には突然四週後の連載終了を通告され終了した。
このため北条先生に描き切っていないという強い思いを与え、後のリメイク作品『エンジェル・ハート(A.H.)』が誕生する原因となる。
連載終了が急遽決定した際、期間的な問題により中途半端な形で終了したため、後味が悪くないよう作者の意向によりコミックスに30ページ程、加筆された話が収録された。
なお本作ではヒロインである槇村香が「男受けするキャラではない」という判断から、毎回男受けする「美女」を登場させていた。
多数登場する美女の顔の書き分けは、読者の求める「北条美人」を外さないように、と言う配慮から一切行わなかったと言う。
2015年、連載開始30周年を迎え、それを記念した「CITY HUNTER 30周年プロジェクト」を企画。
さまざまなコラボ企画やイベントを予定している。また、7月から『CITY HUNTER -XYZ Edition-』(全12巻)が刊行される。
これに合わせ新作アニメの制作が決定した。
「獠のプロポーズ」のタイトルで、『CITY HUNTER -XYZ Edition-』全巻購入特典として贈呈されるDVDに収録される。
1987年に『シティーハンター』としてテレビシリーズ化されたのを皮切りに、テレビアニメとしては4度のシリーズ化と3度のスペシャルが放映、またアニメ映画としては3本が発表され、いずれの作品も制作には読売テレビとサンライズが関わっている。
2019年には4作目の映画が公開された。
アニメシリーズは改変箇所が多く、一部の展開や結末が異なるものがある。
また後期に放映された大半がアニメオリジナルエピソードとなっている。
フランスでは『Nicky Larson』のタイトルで放映された。
現在、アニメ最新作として『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』が製作中。
2023年9月8日に公開予定。
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あらすじ［『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』］
冴羽獠は裏社会ナンバーワンの実力を持つ始末屋スイーパー "シティーハンター" 。
新宿を拠点にパートナーの槇村香と様々な依頼を受けている。
その依頼は…何と逃げた猫探し！
獠はアンジーの美貌に、香は高額の報酬に胸を躍らせる。
警視庁の野上冴子は海坊主と美樹の協力を得てバイオ企業ゾルティック社の発明について捜査する。
それは謎の組織の依頼で作られた戦場の兵士を超人化する闇のテクノロジーで、かつて獠を蝕み、パートナー槇村秀幸を死に追いやった「エンジェルダスト」の最新型だった。
猫探しに奔走する中、アンジーの命が狙われる。
依頼の真意を語ろうとしないアンジーは動画に映る獠を見つめ、ひとり呟く。
「これがあなたの『最高傑作』なのですか？」
「エンジェルダスト」を求めて現れる暗殺者たち。
壮絶な戦いに巻き込まれていく獠たちを遠く見つめる男。
それは獠の育ての親・海原神――
海原がその銃口を定める時、宿命の対決が始まる！
【公開前に勝手に予想】
おそらくこれがオリジナルキャストでの『シティーハンター』最終話になる3つの理由
冴羽獠役の神谷明大先生は、本作についてこう語っている。
待望の新作に「早く新作を作って欲しいと思っていたので、やっとかと言う思いと嬉しいという思いが同時でした」。
『シティーハンター』は本作で最終章に突入する。
「最終章ということは海原も出てくるし、これで終わりかなというつもりで演じましたがどうなんでしょうね。序章なのかなという印象もあって」と明かした。
理由①オリジナルキャストの高齢化
アニメ『シティーハンター』の放送が始まったのが1987年。
かれこれ36年もの長い年月、主人公・冴羽獠役を演じてこられたレジェンド神谷明大先生。
冴羽獠、キン肉マン、ケンシロウで育ってきた著者にとっては、声優界のまさにヒーローである。
しかし、いかんせん寄る年波には勝てない。
寡黙なケンシロウのような役(技を繰り出す際の叫びは抜きで)ならいざ知らず、冴羽獠のような忙しない役を演じる際には、どうしても声の衰えを感じてしまう。
冴子にいたっては、交代前の不二子ちゃん状態。
変化をあまり感じないのは海坊主※ことコードネーム・ファルコンと呼ばれる、伊集院隼人くらいだろう。
この状態は声優陣総入れ替え前の『ルパン三世』と非常によく似ている。
やはりご本人が語られているように、神谷明大先生にとってはこれが『シティーハンター』の最終話になるのではないだろうか。
次の世代へバトンタッチという意味での序章なのではないだろうか。
しかし冴羽獠役を演じられる声優さんなど簡単に見つかるものではないだろうし、これほど声優陣のキャスティングがハマった作品も稀だ。
『ルパン三世』のように上手くリレーできればいいのだが、オリジナルキャストがハマりすぎていてなかなか難しいように思う。
もしかしたら、本作を以てアニメ『シティーハンター』は見納めになるかもしれない。
ちなみに本作では、なんと沢城みゆき様が参加される。
大好きな作品に大好きな声優さんが次々と参加してくれる。
こんなに嬉しいことはない。
…もし。
もし声優陣が一新されるとなったら、冴子役に沢城みゆき様というキャスティングはどうだろう。
香役ではないような気がする…。
理由②海原神の登場
原作『シティーハンター』には、最終話じゃなかったけど最終話のような名エピソードがふたつ存在する。
ひとつは、海坊主(※以下、同文)との唯一の一騎打ちを魅せた神エピソード。
あまりにシリアスな展開すぎたために、ファンの間ではまことしやかに最終話説が流布された。
結局は海坊主との信頼関係を深める結果となったエピソードだが、これが最終話になったとしても何ら不思議ではない話だった。
そしてもうひとつが、本作でも最重要登場人物であろう海原神が登場したエピソードだ。
海原神はエンジェルダストの元締めである、中南米を本拠地とする麻薬密売組織「ユニオン・テオーペ」の総帥にして長老(メイヨール)と呼ばれる人物である。
重大な事件の黒幕であり、実質的なラスボス(＝最終話ではない)。
そして冴羽獠が "おやじ" と呼んだ唯一の人物であり、海原神は獠を "息子" と呼んでいた間柄。
これだけでもラスト感たっぷりだが、このエピソードの最終話感はそれだけではない。
香との関係も、実はこのエピソードで一度ハッキリ決着しているのだ。
お互いの気持ちを確認し、防弾ガラス越しに口づけを交わす獠と香。
これが最終話じゃない方がむしろおかしいと思うほど、最終話感たっぷりの神エピソードの重要人物が満を持して登場する本作。
本当に最終話になるかどうかは、本作での海原神の扱い方にかかっているといっても過言ではない。
もし原作通りの扱い方ならば、あるいは本当の最終話になり得るだろう。
なお、海原はアニメでは脚本や設定上の都合により登場なし。
やはりこのエピソードがアニメ『シティーハンター』の最終話になるのか…。
理由③エンジェルダストの因縁に決着
エンジェルダストの元締めである、中南米を本拠地とする麻薬密売組織「ユニオン・テオーペ」の総帥にして長老(メイヨール)と呼ばれる海原神の登場は、同時に香の兄(義兄)であり獠のパートナーでもあった槇村秀幸が殺害された事件の決着をも意味する。
例えば『名探偵コナン』でいうところの、黒ずくめの組織。
それが「ユニオン・テオーペ」であり、そのボスが海原神。
そしてコナンでのAPTX4869(アポトキシン4869)にあたるのが、本作タイトルにもなっている「エンジェルダスト」なのだ。
そして槇村秀幸は原作でもアニメでも序盤でしか登場していないのだが、すべての始まりはシティーハンターがエンジェルダスト絡みの依頼を断り彼が殺されたことから始まっている。
香が獠のパートナーを務めるようになったのは、アニキの遺志を継いでのことだった。
それが決着するということは、物語の完結をも意味して何ら不思議ではない。
公開前に勝手に考察
以上のことを鑑みると、本作がオリジナルキャストでの最終話になる可能性は限りなく高いように思える。
思えば、原作は全巻所持。
アニメ『シティーハンター』にも、並々ならぬ思い入れがある。
神谷明大先生の声は幼少期の大切な思い出であり、冴羽獠はそんな神谷明大先生の一番のハマり役だと著者は信じて疑わない。
もしかしたら冴羽獠こそ、著者にとっての一番のヒーローだったのかもしれない。
いずれにせよ、オリジナルキャストの『シティーハンター』を観られる時間は、きっともう残り少ないだろう。
神谷明大先生による「新宿の種馬」こと超絶色男・冴羽獠。
残された少ない時間をしっかりこの目に焼き付けたいと思う。
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