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ioritorei’s blog

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【日本映画『八犬伝』】史実の矛盾を逆手にとった新感覚本格歴史映画!若手俳優多数出演に時代劇の明るい未来をみた。

 

日本映画

八犬伝

※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

史実の矛盾を逆手にとった新感覚本格歴史映画!若手俳優多数出演に時代劇の明るい未来をみた

 

 

 

 

 

 

 

日本映画『八犬伝』とは

 

 

【実】28年書き続けた、原作者・馬琴の奇跡の実話と【虚】八犬伝の迫力の映像が交錯する!

世界に誇る日本ファンタジーの原点

八犬伝」実写映画化!

 

里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士の運命をダイナミックなVFXで描く八犬伝パート」と、その物語を生み出す作家・滝沢馬琴と、浮世絵師・葛飾北斎の奇妙な友情を通じて描かれる「創作パート」が交錯する新たな八犬伝

失明してもなお、口述筆記で書き続け、28年の歳月を費やし106冊という超大作を書き上げた馬琴の偉業は、日本文学史上最大の奇跡として今なお語り継がれる。

物語を生み出す苦悩と葛藤と共に作者の目線で描かれる八犬伝は、未だかつてない映画体験へと導いてくれる。

 

 

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原作:山田風太郎著『八犬傳』

 

山田風太郎先生が1982年に発表した小説。

江戸時代後期、南総里見八犬伝の執筆を中心に滝沢馬琴葛飾北斎との "実の世界" での交流と八犬伝作中における "虚の世界" を交錯させながら描く。

 

 

八犬傳 上 (角川文庫 や 3-12)

八犬傳 上 (角川文庫 や 3-12)

 

 

八犬傳 下 (角川文庫 や 3-13)

八犬傳 下 (角川文庫 や 3-13)

 

 

 

あらすじ

 

 

なぜ彼は、失明しても諦めなかったのか?

八犬伝」に込めた馬琴の想いに

あなたは涙する。

 

江戸時代の人気作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。

里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠を持つ八人の剣士が、運命に導かれるように集結し、壮絶な戦いに挑むという壮大にして奇怪な物語だ。

北斎はたちまち夢中になる。

そして、続きが気になり、度々訪れては馬琴の創作の刺激となる下絵を描いた。

北斎も魅了した物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、馬琴は失明してしまう。

完成が絶望的な中、義理の娘から「手伝わせてほしい」と申し出を受ける──。

失明してもなお28年の歳月をかけて書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとはー。

 

 


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登場人物

 

 

滝沢(曲亭)馬琴

演 - 役所広司

 

江戸の人気作家。

失明してもなお執筆を諦めず、28年の歳月をかけ「八犬伝」を書き上げる。

 

 

葛飾北斎

演 - 内野聖陽

 

馬琴の友人の人気絵師。

馬琴の戯作の挿絵を何作も手掛けてきて「八犬伝」の挿絵も依頼される。

 

 


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史実の矛盾を逆手にとった新感覚本格歴史映画!若手俳優多数出演に時代劇の明るい未来をみた

 

 

史実の矛盾

 

歴史映画というのは、実は矛盾に溢れている。

それは史実というノンフィクション作品を謳いながら、実際はフィクション作品でもあるところにある。

史実なのだから、当然ノンフィクションなのだと思う人も多いだろう。

そもそもそこに落とし穴がある。

史実とは、限りなく現実に近いであろうフィクションなのである。

そもそも歴史学的に考えて、誰が史実を知っているのであろうか。

もちろん誰も史実を知らない。

確実に知らないと断言できる。

何故ならば、我々は歴史上で実際にあった出来事(=史実)をこの目で観察する方法を持たないからだ。

観察したければタイムマシンをつくり、希望する時代に移動して、史実を観察するしかない。

つまりは不可能である。

では歴史学者はどうやって史実を知ろうとするのであろうか。

観察できない代わりに、何らかの史料を用いて史実を推測する方法がとられる。

例えば日本の中世史であれば、公家の日記が最良の史料といわれる。

いわゆる第一級の歴史資料である。

歴史小説、歴史ドラマどころか専門の歴史学研究論文であっても、通常は公家の日記を最有力な史料として執筆するケースが多い。

何故ならば、公家の日記は子孫が有職故実を知るための教科書でもあるからだ。

公家たちは先祖が残した日記を教科書にして、朝廷の仕組みから仕事の作法、日常生活の知恵に至るまでを学ぶ。

日記は読まれることを前提に書かれるのであるから、いい加減なことは書けない。

これに比べ、武家側の残された資料といえば、物語や伝承など、多くは口頭で伝えられエンターテイメントとして演じられる武勇伝が多くどうしても正確さを欠くケースが多くなる。

さらには歴史は勝者によって作られる。

勝者にとって都合の良い歴史が、我々の知る史実となる。

だから武家の物語や伝承は当てにならないのだ。

公家の日記が最良の史料といわれるのはこうした理由からである。

では公家の日記に載っていれば史実なのであろうか。

実はそれも疑わしい。

いかに正確性を求められるとはいえ、例えば政敵の公家についての記述まで公平中立に記述されているか保証はない。

このように、史実とは、あくまでも歴史家によって推定された事実にすぎないのである。

 

 

史実の矛盾を逆手にとった新感覚本格歴史映画

 

前述した史実の矛盾を、あえて逆手にとって映像化したのが本作である。

史実というノンフィクションらしき物語に、南総里見八犬伝という完全フィクション物語を織り込むことで、虚実が入り混じる新感覚の歴史作品に仕上がっている。

とはいえ史実の矛盾を鑑みるなら、ほとんどすべての歴史作品は虚実入り混じった物語である。

従来それはエンターテイメント性を高めるための手法である。

だが本作は史実の矛盾を踏まえた上で、故意に虚実を織り交ぜている。

実際本作を観ていると、不思議とどちらが虚でどちらが実なのかが徐々にぼやけていくのを感じた。

その理由を考えてみた。

もちろん虚実のパート分けはしっかり行われている。

虚である八犬伝パート」は、当然最後まで虚のまま認識されている。

だが、実である「創作パート」が徐々に虚に飲み込まれていく。

これは史実であって、事実であったのか?

そんな不思議な感覚に陥っていく。

まるで劇中のセリフの「実と虚を混ぜ込むことでより印象を強く植え付ける」というその術中に、まんまとはまったようである。

「正義は "虚" であっても、それを貫いて一生を終えれば、その人の人生は "実" になる」

本作の感想を、劇中のこの渡辺崋山のセリフを借りてたとえるなら、「八犬伝は "虚" ではあるが、"虚" を貫けば、その物語は "実" のようになる」ようであった、というところか。

虚実が反転したような新感覚。

興味がある人は是非一度その目でご覧になっていただきたい。

 

 

 

若手俳優多数出演に時代劇の明るい未来をみた

 

 

本作は主演が役所広司氏、助演が内野聖陽氏といった具合で配役されている。

ダブル主演といっても過言ではないが、出演時間を考えればこんな感じが妥当だろう。

役所広司氏はもちろん、内野聖陽氏も歴史作品にはなくてはならない名優である。

歴史作品に大御所俳優を起用するのは王道手法であるのだが、顔ぶれが変わり映えしないというのもまた事実。

これはただでさえ古臭い歴史作品を一層古臭くし、若者離れを招いている理由のひとつである。

だが本作のキャスティングは、目を見張るものがあった。

歴史作品の常連である役所広司氏と内野聖陽氏は、重厚な空気が必要とされる「創作パート」の出演のみにとどめる。

そして華やかな八犬伝パート」には、有望若手俳優を多く起用した。

八犬伝パート」の物語で活躍する八犬士を演じる8名の最旬キャストたち。

リーダーの犬塚信乃役の渡邊圭祐氏、犬川荘助役の鈴木仁氏、犬坂毛野役の板垣李光人氏、犬飼現八役の水上恒司氏、犬村大角役の松岡広大氏、犬田小文吾役の佳久創氏、犬江親兵衛役の藤岡真威人氏、そして犬山道節役の上杉柊平氏。

劇中では迫力のアクションや熱い友情のドラマを全力で演じている。

さらには河合優実さんや土屋太鳳さんも起用されており、八犬伝パート」は若い力に溢れている。

しかし、残念ながら彼らだけでは本作が本格時代劇とはなり得なかっただろう。

役所広司氏と内野聖陽氏という重厚な「創作パート」があればこそ、若者俳優陣が演じる八犬伝パート」のフィクション感がより増して、本作の魅力をより高めた。

本作のキャスティングの妙はそれだけではない。

劇中での歌舞伎界の代表作「東海道四谷怪談」の初演で、民谷伊右衛門役を演じた七代目市川團十郎中村獅童氏が、お岩役を演じた三代目尾上菊五郎尾上右近氏が演じている。

劇中劇の歌舞伎に本物の歌舞伎役者をキャスティングする徹底ぶりは、賞賛に値する。

しかしこのシーン、劇中では実はほんの少ししか映し出されていない。

本物が演じなくても、おそらくほとんどの人が気にしないような些細なシーンである。

だが、その演技は見る人が見ればきっとすぐにわかるほど、圧倒的な本物だった。

細部にまでこだわってキャスティング・演出されているからこそ、虚実曖昧な歴史作品に真実味が加わる。

本作を本格時代劇と評する所以は、まさにその点にある。

そして若手俳優多数出演に、近年衰退著しい時代劇の明るい未来みた。

本作は時代劇を後世に残す希望を示した、新時代の作品でもあるのである。

 

 

 

 

 

 

 

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